責任者出て来い!料理に歴史あり
本日の投稿分です、宜しくお願い致します。
※コノモブ領内 宿泊先の宿屋
そう、これが西洋建築なのか?頭を傾げたくなる建物が目の前にある。間口を大きく取った平屋作りで奥の方まで続いてるそれは、手前が宿の受付でその回りもロビーの役目がされている。その奥に宿泊客達が利用する一般用の食堂って感じだな。その建物の左側へ横長の2階家3棟が併設した形であった。1棟のそれが10室はあるらしく、そこを明かり取り用の窓で表している。その部屋が最低2人部屋だとしても、宿泊客が60人までは収容が可能だ。つまりそれ以上の宿泊客も詰め込めますよと。泊まった俺の感覚からすると、其れ也に広めの部屋だったから収容人数はそれの1割か2割増しだろうか。
なんて感じの妄想ではないよ、数日前に泊まった時は他の事の衝撃が凄く・・ああ、到着した時はそこそこの明い時間だったけど、旅程の浮かれ気分で建物の作りなんて気にし無かったわ。今日は余計な行動で、又何かを引き起こすって思われないように大人しく宿に入るのさ。そんな目でみんなが見ているから、ここでの必要はそんな我慢だろう。信頼は騎馬戦で勝った者しか得られない、下の者のせいで乗ったら直ぐに崩れるとか洒落にもならないし。
この宿の店主に出迎えられて、俺達は中へと通された。その中に居る宿の従業員達におじゃまー的な挨拶をしようとしたら、その奥の食堂から身の危険を感じる罵り声が響いている。その罵られてる相手は失敗作の料理らしく、失敗作を生んだ本人を先に咎めなさいと言いたくなった。そのヤバい奴を俺達に出したらただじゃ置かないからな。
「これ、やっぱりただの飼料じゃないか!」「こんなの食べさせられるのかよ!」「一緒に入れた野菜が勿体無い!」
勿体ないのはお前達に払う給金だ!廃棄分の負担で天引きさせろ。
「・・臭いが米の料理な感じがします。料理の選択から間違ったのではないでしょうか?」
「・・これは中々手厳しい」
まあ、サナーは米料理の難しさを知っているからな。彼女の評価はこの宿の料理人の能力が低いと言っているが、試作が失敗したと料理人達が騒いでいるのだから店主の思惑も迷走したかな。
「ん?あの場に紛れている2人の子供は、料理人見習いか何かか?10歳・・前ではそれは厳しくないか?」
俺は違う話を店主に振った、ヤバそうな料理に関わったら碌な事に成らないからな。
「・・ああ、あの子達ですか。2人は今日から預かった細々の雑用をする雑用見習いみたいな者でしょうか。歳は幼いので孤児院に入る事も出来たのですが、先日に亡くなった両親が借金を残したもので・・その様な者達が出た場合は、この地域で持ち回りで対応する事に成っています。それも数年に一度か二度程なのですが、その順番がこの宿に来た訳です」
「・・借金か。病や事故で亡くなった者なら、それ程多額の借金は出来ない政策が合ったりしなかったのか?」
「正当な引き受け借り入れですから、総額でも銀貨20枚には届いていません。ただ、喰うにも困った生活でしたから、返済出来たのは借入の利息にも成らなかった様です。親は・・父親は早くに亡くなっていて、母親が1人で頑張っていたと聞きました。それも」
「ん?あれはなんだ?」
「・・あれは・・さっきの料理を食べさせるつもり・・ですか?」
「止めろ!直ぐ止めさせろ」
ふぅ・・危なかったな。この辺に児童保護団体か何かが合ったら、どんな目にあわされたか想像もしたくない。失敗作の料理をその子供等に食べさせて、食事代わりと廃棄分を減らす目的だったのだ。それを考えた奴は頭が良いと自惚れまで持っている。そんな奴は俺が虐めて遣るけどな。
「・・ああっ・・そ、それはいけません」「おっ、お兄ちゃん!たっ」「だっ、ダメだよターレン!我慢だっ」「でっ、でもくれる・・もらえるって」「だぁっフン!」
脱糞って何だ?俺のパンは<糖餡入りパン>だぞ。何か色々と断りを言って来る兄らしい子供の口に<糖餡入りパン>を咥えさせてみた。そのままその弟にも同じように。あんな失敗作の料理を食べさせるのは忍びないから、その代わりは俺が与える事にした。パンの大きさも腹がちょっと持つ程度だから、ほんの気休めにしかならないが。その失敗作は食べさせられないと主張した時に、この2人はとても残念そうだったのが物悲しい。
矛先はさっきの失敗作が何故作られたかに言及しよう。中の材料と出来栄えからの香りは、米を使った料理を作るつもりだったらしい。汁に浮き油は見えないからそのままの粥に近いが、米に米殻がそのまま付いて煮込まれている。見た目の色合いと混ざり材料・・オートミールにしか見えないよ。そう、高齢者が毛嫌いしている、そのもののオートミールだ。戦争終了後に配られたり、囚人食として有名なオートミール!東洋人を差別視で語られ映画にも良く出て来るそのオートミールだな。
因みにアメリカの収容所じゃ、ニクニクと煩い囚人に食べさせていたのがミートローフな。多種の肉の端切れを固めて四角し、焼いてステーキっぽくするやつ。ちょっとケバブに似てるけど、俺はどっちも食べないから批判出来ない。オートミールは戦争に参加した年寄りが嫌いだといい、それに紛れてサツマイモの料理も同じに扱われていた。収穫の早いサツマイモしか手に入らなかったんだと。オナラを製造してもサツマイモは食べるぞ。サツマイモに関しては風評被害と言いたい。
「こちらはですね、料理人や使用人の食費を抑えるつもりでした。材料がかなり安く手に入りますから、この料理レシピを見た時閃いたと料理長が提案したのです。賄い料理の扱いですから、レシビ使用の費用も掛からないと。レシピを使った料理で商販するのと変わらずで、商販出来る物になるまでが勝負でしょうか」
「これは又面倒な。その商販までの手続きであれば、この料理レシピの写し書きは貰っているのだな?」
「それは間違いございません。それまでの失敗は今までもありましたが、それもモノに出来れば元が取れますから」
「この失敗作のレシピが間違っているのにモノに出来ると」
「えっ?」
「その料理長に話を聞かせて貰いたいな。ここにレシピの著者がいるんだ」
・・・・・
「もっ、もっ、申し訳っ、ございません!」
いや、その演技力は凄いって認めるけど、謝罪に誠意がどれ位あるのかは解らん。目の前に土下座状態の料理長が言ってる、ついつい魔が差してレシピ使用料を誤魔化したのだと。それを俺に言われても対処する気はないし、それの被害が及ぶのはこの宿屋なのだよ。この宿屋で出していた料理がレシピ登録されたモノで、それを食べた者が不振に思う訳がない。そのレシピ登録されてる料理の味を知っているのかの問題と、ここの宿の使用料支払いを調べなきゃと思うかな?かなりの薄い確率で居ないと思う。
特に大きな問題になるのは、再現能力の無い料理人の腕だもの。知ってはいけないタブーを・・こんな人達を相手にしなきゃならんとは。この内情は宿屋の店主も嫌な恥じを晒す形に成った。まともな料理人を雇わなかったお前が悪いんだよ。
「レシピ使用を申請すれば、詳細の書かれた写しが渡される。それの管理が先だ」
「・・はい。その辺を人任せにした事に悔いるばかりです。何卒ご無い・・御容赦賜わりますよう」
「商業ギルドでは、この様な商販業種も纏めの制約を課している。商販の利益が見えない賄いは、一律の仕様料を払う形だ。その使用料だって僅かなモノだ」
「はっ、はい。そちらで明日直ぐに手続きを済まします」
それはそれでよいか、この店主が言うのなら間違わないだろう。その結果に成っても俺が潤ったりしないが。
「注意をしっかりな。短期罰でも営業が止められる事案だ。軽く考えるな」
「わっ、解っておりまする。今後は十分に配慮しますので」
試作品・・ゴミだな。それは馬に?お腹壊さないよね?信じるからね。
「・・米か。このレシピはメンドセイ侯爵領の肝入りで、商業ギルドに掲げる事に成ったものだ。それを危ない遣り方で手を出すとは」
「・・まっ、誠で!なっ、何卒のご配慮を」
おっ?今ので5割は削ったな。その精神疲労が演技だったら俺は何を遣っても勝てないよ。その前は3割程度に見えたから、やっとビックセールに追い込めた。この辺で飴でもくれるか?おばちゃん得意のあめちゃん・・大阪のおばんが得意だったか?
「食べれる神髄を教えてやろう。失敗して終わったままにすると、この地域が破壊されそうだからな。貴族御用達に近い宿屋が無くなったら、領主も寿命が縮むだろうから」
うん、色々なゴリ押しでこのまま突っ切ろう。この領でも米料理が広まれば、メンドセイ侯爵領にも恩恵が及ぶ。彼等には調理の仕方まで教えきれなかったからな。その先の米炊きなんて、何年で会得出来るのやら。ついでと言うと言葉が悪いが、その浮浪者未満の子供共も貰って行こう。この宿でひもじい思いをするのは、目に見えているからな。食わせる側の料理人がアレだもの。
そんな細々な事は御座なりに一法的に決める、ここでの仕出かしは無罪にするからだ。それにまともな物が作れない料理人に、尻尾を振る子はいないぞ。さっきの<糖餡入りパン>だけで、この子達はとっくに従順状態だ。サナー君、それはシナモンロールっぽい奴だ。原種のカシアはニッキの上を行く強烈な奴だったから、味より臭いに負けて顔がバッテンに成ってたじゃない。色々と忙しくて改良されてないよ。サナーには無理っぽかったからその子供達に出したんだよ、睨まないで。リーリェは問題なく嬉しそうに食べてるけど、もう直ぐ夕飯だからな。後・・ロールって言ったけどロールしてない。形はネジれのウ〇コっぽい。横ロールのイメージだったけど、ネジるのは間違いだ。正しくは渦巻だな、コーヒーロールも中は渦だったよ。横や縦のロールは髪型のイメージか。ドリルとコロネ・・チョコウ〇コの名で売れたりしないしな。
※お米のリゾット 必ず米殻の殻を剥き、精製済みを使って料理する。
一 精製された米を鉄板でソテーする。米に熱を通してソテーをしていき、芯が半透明にまで成ったら調味料で味を調える。
二 調理米を一旦火から遠ざけ、具材等を大き目の鍋に入れて同じ様にソテーする。
三 ソテーが終った具材を鉄鍋で煮込む。程良いまでに灰汁取りしたら味の調整(必要以上の水分は取り除く)
四 具材の入った鉄鍋にソテーが終わってる米を入れる、それから味を調えながら不要な水分を煮詰める。
伍 水分が滴らない程度まで煮込んだら完成。終わらせる前の味見は必ずする事
今回の調理法はこれだ!レシピと変わったけど、ヘタッピな料理人に同時進行は無理だと判断したのさ。ここで不足な格上げの料理の仕方は、各々で切磋琢磨を繰り返して欲しい。味の決め手もサシスに辛みって感じかな。セの醤油やソの味噌も無いし。ドレミも怪しいがいろは何て通じる気がしない。
あとこっちの米って脱粒性は悪くない。これは生産者か販売業者の利点なるから、米殻を精製させた物を作らせ売ればいいのだよ。その時に出る殻は廃棄しないで飼料に回せは、精製の手間賃は稼げると思う。どのみち茎や葉は飼料へと転売されるから、その流れに組み込み易いだろうが。他にトウモロコシも飼料用途に変更して半育成で出せば、中の身を剥く手間も無くなるのでその行程が他に運用出来る。万々歳で儲かるぞ!この領が儲かっても俺に得は無いけどな。
次回の投稿予定は1月22日を目指します。





