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転生ですか?面倒なので能力は召喚対応でお願いします。  作者: 飛友翔 
第三章第二部 マグサヤ領へと駆ける風雲
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マグサヤ子爵領 ご当地のあれこれ④死神の生贄

本日の投稿分です、宜しくお願い致します。


※マグサヤ子爵領領主邸?


 未だ着席等の案内・・俺たち剣をむけ、勝手な方便を叫ぶ無頼な者がマグサヤ子爵の子息を囲んでいる。そんな奴等が大きくない威圧感を浴びせてだ。しかしこいつ等の目的を俺が推察する・・囲まれて護衛された形に収まっていた真ん中のオカバクは、ここでいきなり背から剣が突き刺された。その衝撃映像はこちら!って位に自分は目を凝らしてしまった。


 まさに在り得ない・・刃幅15センチ前後の両刃剣に、それ程の貫通を期待出来ないからだ。そっちかよ!気に成ったのさ。目を凝らし過ぎて解った事だが、両刃剣とレイピアの中間程の細剣が使われたのだ。この行動こそが確信犯の原理であり用意周到と褒めたい。


「?!オ、オカバク!助けろ!直ぐにだ!何をも」

俺には受け入れられない忌避しそうな言葉を、マグサヤ子爵が声を荒げ怒鳴った。その言葉は、マグサヤ子爵の護衛に就いてる3人の騎士にむかってのものだ。敵は抜剣のまま構えている6人のうち、背後から刺されたオカバクを除けば、敵対姿勢に変化も無かったからな。倒れ込んだオカバクの救護に入るのは、余程の勇気が必要だと思い直される。


 この反逆者達は予定に合った腹案を実行し、他者から敵対者に制裁を受けさせる行為は諦めたらしい。ならば自らが成敗に手を染めるのだと。ミグサ領主を陰謀に落とせず苦渋を舐めたのだ、ここでも領主家を取り潰す陰謀が成就しないのなら問答無用に剣を振り下ろす。子息と領主の息の根を止める事が、その先の結果に繋がる事を願って。









※マグサヤ子爵領領主邸?パート2


 はい、仕切り直しです。パーティションがあったら簡単だったけど、俺のボケには誰も突っ込めない・・先程の騒動が簡単に収拾される筈も無く、取り敢えずお引き取り宜しく俺は宿に逃げ帰った。騒動だけで無く、子息の不幸を受けた領主の心境も鑑みれば仕事の継続は良かれと思わなかったからだ。そこは有り体でなくても、空気読めって感じで執事に促された。うん、俺の用事を優先しようとしたのに却下な奴だな。だから彼等は言葉少なに俺を馬車へと追いやり、そこから泊まっている宿屋に戻った。収拾が早めに収められたら、再度のお迎えをよこすと言われたから納得したけど、最初は自発で行ったのだが。


 宿では悲壮感を纏わせた俺の同行の者達が、諦めつつ宿での昼食を取ろうとしていた。食べとけよ!声には出せなかったが、そんな心境を持ったよ。そこは定番にあるように宿代に昼食代は含まれない。同じ金を払うのなら、失敗は覚悟の上で別の場所で昼食を取りたかったのだろう。俺の帰宅が早ければだが。中々戻らない俺を待ち侘びてたが、そのまま放置で宿から離れる選択肢は無かったらしい。最終までの状況を聞き取った俺は、部屋の方で食事を・・持参品のサンドイッチを振る舞う。往路での提供物ではない復路用の一品さ。


 それは何回もの試作を繰り返し、そこそこの満足が出たクロワッサンパンをベースにした奴だ。なんちゃってが半端ないけど、ミルフィーユばりに何回も生地を折りたたんで丁寧に焼いている。こっちに来てから直ぐに、安直にクレープに挑戦して敗れ去ったあの時が懐かしい。バターが臭いとか牛乳が臭いとか酵母が行方不明状態でも、生地の折りたたんだ回数を幾度も変え下火しかない釜も上部に熱々鉄板で対応した。生地の間に鉄板を挟んで五平餅風に焼けば?そこの最後の砦に立たずに済んで良かったよ。


 そんな感慨に耽っているとコウーテスが「・・ぱりっぱりだね」そうね。もっちりとかフワフワ感は最初から無いからな。そっちの食感は<米粉パン>で得られたから、こっちは真逆の方向性さ。それはそのままパイ生地に以降させ、行く行くはタルトを完成させたい。ベリーも来ているからな。俺の好みで言うならそのまんまアップルパイなんだが、見た目との格差をサナーに届けるのならタルト一択だろう。顔にパッテンを付けながらかぶりつき、衝撃の甘味に目を見開く的な。瞬時の右ストレートはいらないよ!歯を傷めるのは虫歯の特権だ。


 兎に角最初に話たようにここで仕切り直す、マグサヤ子爵の執事だと再度名乗り・・宿に迎えに来た時にも名乗った奴だ。俺の感覚からすると、名乗りを上げて来る奴はそこでフラグを立てる傾向にあるから、そんな事は知らぬとばかりに覚えないのだ。相手が勝手に無かった事にしているが気にし無い。因みに迎えの馬車の件だが、朝も途中から乗ってたな。色々と在り過ぎて忘れとった。この迎えで俺達一同は一緒に来ている。ここでの騒動の話も昼食の時に済ませたから、兎に角サナーが同行厳守を訴えていた。俺に1人の時間が不要に成ったので、それで全く構わなかったが。


 それとこの執事の話の流れは、ここで起こった経緯の内容を箇条に上げただけである。頼りない叩き台としか言いようがないが、こんな予期せぬ事態を事細かに把握していたらこんな事は起こらなかった。焦燥を隠せない表情で、子息のオカバクが延命出来なかった事も伝えられる。今にマグサヤ子爵領主がこの場に居合わせないのも、そこが一番の理由だった。彼は後程にここへ顔を出すのだと。解っている事は、俺が居た時に部屋に襲撃を掛けた者達はすでに処分されている。そこは故意に処分を優先するつもりは無かったが、極力生かして捕縛したかったけど天命が尽きるまで抵抗したのだと。自ら事の推移を断ったのか。あの時に機を見切った騎士達が、一気呵成に動いた時に彼等は押し出された。残された俺達にその後の事を知る機会は無かった・・特に俺な。






「・・この様な物が・・合ったのか・・」

「はい。こちらの2通の書簡が届けられました。その1通ですが」

顔を見せたマグサヤ子爵に渡した俺が自由に思い描ける書簡、これが結構な面倒に成る事は解っていたが。これを素早くこちらに届けて、例の娘のリーリェを俺が捕獲してしまえば、色々な分岐の未来に以降したかも知れない。それであのオカバクがすんなり諦めたかは当人次第だったが、それも今は解り様がない。死人が何かを言う事が有ったとしても、未来に過ぎなければ曖昧でしかないのだ。ここでの俺の保身も含めたなら、その娘の将来を鑑みた状況からこちらを見せたのだと。


 幾度も俺の判断が優先されるを伝えながら、先程に亡くなったオカバク関連の話も混ぜる。オカバクの刺殺に関わった者達の7人は既に処分されたが、ミグサ領にて捕縛されたにも関わらず速やかにこちらへ移動出来た事。こちらでも捕縛されているが直ぐに襲撃体制で現れた・・それならどっちにもまだ沢山の関係者がいそうじゃない?それを引き続き捜索しなければ、今度は領主当人・・マグサヤ子爵が狙われるのだから。


 その推移の初頭に見え隠れするのは、娘の知り合いであるマコトケイが浮き彫りに成る。彼が今回の事にどの様に関わったかは知る芳も無いが、両親と共に転領した隣のヌケタケナ領・・そこはとても有名な貧乏男爵領だ。王国が推進する小領革新が、今でも全く機能を成せない領なのだ。陰口では無くなる程の無能な領主と囁かれ、そこの領民は今でも疲弊を突き進んでいる。


 元の王国推進の小領革新は各領の代官を減らし、領主の目が届く政策で民衆を豊かに導く事だ。小領の域でしかない領地でも、隣接した領と二人三脚で高見を目指さなければ成らない。それが成就されていない理由、隣接するこっちの領とは多いに不仲なのだろう。ヌケタケナ領の南東から北東までが、マグサヤ領とミグサ領に隣接する。では反対の西側は何処か?デバガリ伯爵領でありその男爵領が、そこへ何かをお願い出来たりしない。そこには民衆と貴族程の格差が存在したからだ。


 ヌケタケナ領の者達がどうあがいても隣接領と手を握る事は無かったが、そこにここの領主の弱みが舞い込んだ。転領者の受け入れだけなら職人の負担しかなかったが、弱みの関係者がここの領主の子息に嫁入りするのだ。その利用価値は多岐に渡る。ただそれを悠長に待てる時間が無くなって、今回の愚作に飛びついたのだろう。


 ここの領主が、マコトケイの親族を纏めて転領させるに当たって、その面倒はヌケタケナ領に押し付けた。この話の流れでいけば仲違いの領に何が頼める?ならばと適当な商会と商業ギルドに丸投げした。ここで登場して来るのが、当時の領では2番目の商会・・現在のリーリェの住まう商会だ。その名はバーアッソゥ商会であり、自領での販路に弱かったが隣のヌケタケナ領に伝手を広げていたのだ。それでも名の通った貧乏領だったから、良い思いも全く無いに等しかったが。


 当のリーリェの実家であったカゴイク商会に何をしたかは明確でないが、現状はその商会は潰れて娘のリーリェを引き受けている。それ以上に何を?この領の商業ギルドを素早く査察し、広がっている根を把握に努めなければ。この辺を伝えた頃にはここの執事が手早く指示を飛ばして、あちらこちらへ兵か何かを送り出している。まあ、ガンバレ!


 俺もまだまだ遣り残しがある、色々な情報提供の見返りを貰わなければ困るのだ。さらになるべく早く帰りたい。先程我が家に残っいている<エスセス>から、念話が届いて問題が発生しそうだと。

≪・・主様が闊歩するだけで功労が増えています。レマイア伯爵様が王都と調整を図るとこちらに連絡がありました。ここの伯爵領の男爵位を与えるのは難しく、王国貴族の男爵位では転領させられるとか≫

おい!話についていけねえよ。どこから叙爵なんて事に成ったのやら。


≪功労はこの度の使者を踏まえていますから、領を跨ぐたびに重なっております。そこへ両家・・スーリェス公爵家とメンドセイ侯爵家が我が関係者と押しまくっているとか≫


・・ヤバい奴等が突貫してないか?弱き者の為に遠慮を覚えて欲しい。兎に角、現状を聞かされても俺には何も出来ないから、穏便な運びをお願いと期待でお任せするしかない。先に優先したいツノの動向は特に変化なし、俺はとっても寂しいけど。


 ならばの頑張りをここで遣る、最優先事項を伝えてその恩を返却させるのだ。口先男と恨んでもいい、口しか出していないのも事実だから。この現実問題を掲げてリーリェの婚約は破棄させる・・平民相手に婚約を定め、それを破棄するのは貴族の威信に関わる。それは到底認められるものではないが、リーリェの未来を考えれば必要な事だ。今回の様な特例で相手を失っても、通常の流れなら旦那不在の嫁入りが進むのだ。その結果が幽閉と変わりなくとも。


 そんな貴族の面倒はさておき、リーリェの身を連れ領から出るのだから・・無形なままこっそり連れ出しても構わない。ここは最大の目標を掲げておき、後から譲歩を提示する事で穏便な状態で立ち去ろう。1人相撲と言わないで。


 フハハハハハ!精神崩壊中のマグサヤ子爵は、何でも言う事を聞く良い感じの人に成ってた。ここに残す必要のない、2枚目の書簡に追加で書き添えして貰う。これでリーリェの転領の許可が加えられる。それとは別に、今回の婚約破棄の書簡も領主の名の元に作って貰った。こっちの書簡は俺達を送るついでに、執事がバーアッソゥ商会へ持ち込む事に成る。折角なので一緒に同行しよう。そこではっきりと掲げながら、当人のリーリェも預かって来る。荷物?纏めて俺が預かるよ。家ごとでも楽勝さ。


 うんうん、商業ギルドに査察が入ったのなら、バーアッソゥ商会の何かが出ても困る。その後にでもなれば、リーリェを確保するのが難しくなるからだ。何かの疑惑を解明する為の捜査なんて、最低でも数日を要する事だもの。そんな暇は俺には無い、特に今はな。急がないと俺の居場所が・・そんな気分です。


次回の投稿予定は12月21日を目指します。

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