マグサヤ子爵領 ご当地のあれこれ②ヒーローは拒絶が基本です
本日の投稿分です、宜しくお願い致します。
※マグサヤ子爵領 滞在中の宿屋
順調?に夕食の途中から飲み会へと移行する。そんな畏まった場作りをする訳じゃ無く、各々が食べ終えた空き容器等は下げて貰うだけだ。そこへ代わりに追加のお好きな酒・・エール酒やワインが届いた。この宿の食事メニューの中に酒の肴などもあり、その辺も頼んでおく。俺は自前の肴を持っているが、今暫くは宿の物で良いだろうと。
先程までコウーテスに話た内容が、彼女にとっては些か解り難かったらしい。彼女はこの領が行っている農政策で、優劣がどうなのかを知りたいのだろう。それには期間や生産量など多岐に渡った内容を把握しなければ、その結果からの是非は問えない。ただ現状だけに視点を当てたなら、この生産物を差異互換品に転換可能にすれば何とか成りそうである。
「領の政策である形であればだよ、他領へ輸出しないと外貨を獲得出来ない所は解るよね?領内だけで食物連鎖を続けても、領が欲している資金は循環分しか動かないから。領民の消費金額が穀物か果実かに変わっても、そこで2倍や3倍は消費出来ないもの。だから消費する食い扶持を増やすのに、果実の輸出を積極的に行うしかない。それに穀物の輸出も視野には入れらるけど、鉱山領や海運領などの特殊な地域でなければ穀物生産は独自に行っているからね。隣接領から伝手を使って果実を売り捌く事になるけど、ここからは運搬費が経費として負担を掛けて来る。その運搬費や鮮度の問題も大きく負担が掛かるから、それだけの付加価値を受け入れる者がどれ程いるかになるよね」
それが長期に保存できる加工品ならまだしもと補足したい所だが、今は生産された生物の話しだから余計な事は言わない。俺の性格はドライだから、ドライフルーツに関わるつもりもない。駅前留学なんて以ての外だ。
「ここが名物領に成って特産品を販売する観光化が出来れば、旅程人が訪れてそこで消費の促進があるかもだけど。色々と領制度に厳しい制約があるから、民衆が旅程に出るのは簡単じゃないから。穀物の小麦や米は納税に使われるけど、飼料の廃棄の茎や葉から紙を作る事も出来るよ」
「・・紙?あの薄茶色な感じのやつが出来るんですか?」
「薄茶色の紙は木の皮から精製しいるけど、植物の茎や葉で作る紙は薄青色の物になるんだよ。この地域では大森林までがそれなりの距離に成るでしょ?自領で生産している穀物の茎や葉を利用した方が色々とお得だよね。混ぜられる物を使って量を増やして生産すれば、安い元手から収入が得られていいんじゃない?農業とは違うから土地の融通もつくし」
「それなら他の領・・ああ、大森林に近い領は木の処分を優先してるから、そっちにしてるんだ」
そうなのだよコウーテス君。その大森林に隣接している領は、とにかくその木の伐採を優先する。放置すれば、あっという間に呑み込まれそうな程に押し寄せてくるのだ。建築資材に困らないなんて言ってられない、伐採した木材の輸送が出来ないとかに成ったら洒落にならないから。
「・・・・・と、何処で聞いても近々の話題に成っているのが、オカバク・マグサヤって息子の結婚でして」
雷鉄のリーダーであるカマセィが、仲間達と集めた情報の高位がモンドウク・マグサヤ子爵の嫡子、オカバク・マグサヤの結婚話だった。その話の中身は多様で統率などないが、結婚相手のリーリェと言う娘の境遇を語った者も多いらしい。こんな田舎異世界に事実を正確に伝える術は無いが、噂が100もあればかなり近いかも知れない。それがあまりにも他と差異がが無ければ、出どこは同じかとも思ってしまう。その事実確認が出来るのは本人に聞いての事だろう。真実が語られるかは定かじゃないが。
話の中に出て来たリーリェの実家は、今はもう現存していないカゴイク商会という所だ。その商会が2年程前の頃に、不当な商売を行ったとして商会諸共を潰されている。その罪はかなり曖昧に伝わっているが、そこの就労者のアベットという者が罪状を認めて商会も罪に問われた訳だ。その事件からそう日が立たない頃に、投獄されていたアベットは不審死を遂げている。その死の判定は自決に成ったが、そいつの生活環境には罪に苛まれる家族は無いから不審と思う者が多い。
リーリェの両親であるカゴイク商会の親族は、最後まで冤罪を訴えていたらしい。最終には商会は潰され、そこに合った財の全ては没収された。そこで両親は犯罪奴隷となり、娘のリーリェは親戚のバーアッソゥ商会に引き取られた。そんなバーアッソゥ商会は、同じこの領で商いをしている。当時の事で比べた商会の力関係では、彼女の実家のカゴイク商会が上だったと。
モンドウク・マグサヤ子爵の子息の結婚話が広められると、その相手のリーリェに関連する噂話も広がった。その2人はその前に出会っている、その時期はリーリェが10歳の折でそこから6年程が経ち今に至る。当時のリーリェがどの様な風体だったかは解らないが、年齢を慮ればロリ犯罪の臭いがプンプンする。んぐぅ!サナー君、大事な話を聞いてる時に俺の口に食べ物を突っ込むの・・あっ、これね。酒の肴だから塩気の濃いオムレツだよ。焼き菓子とか思った?見た目はキッシュっぽいけど、小麦粉も米粉も使わないオムレツだから。丸っと柔らかい・・焼き菓子は直ぐ出します。最初からお腹の隙間を開けて置くのはどうかと思うの。
えっ?続けていいですかって?はい、お願いします。
「・・その娘と交友を持っていた少年が居たんですが、その少年の噂は人によって真逆だったりでさあ。その親は飾り職人なんですが、暫くすると転領を受けて燐領に越してます。それはかなり可笑しい話なんですが、領主から許可は受けたんでしょうね。その親はどうでも良いですが、転領を相当嫌がったらしい少年が,越す時には馴染みの子を連れ立った・・転領先で見かけた者もいるらしく、そこは事実だと言う奴も」
何だがグチャグチャで解り難い、まさに嘘を隠すなら嘘だらけの場所って感じなのか?信じれば有そうであり、疑えば全て嘘臭く感じる。これって・・イベント的にクエストを盛ったゲームクリエイターは、幾つものストーリーを混同させるシナリオも作ったのかな・・
≪そうではない≫
(おふぅ・・)神様降臨しちゃった・・
≪オムレツの味が濃かったのは酒の肴だったか・・確かにサブヒロインのクエストストーリーは幾つかあった。作者の思惑は良く解らないが、その少年に関するストーリーはバットエンドばかりだ。一番悲惨だったのは2人で駆け落ちをしたが、行く先々で借金を増やし最後は借金奴隷に落ちた。娘の方は不憫に思われて良い主人に拾われるが、少年は見るに堪えない底へ落ちる≫
(仲睦まじくは僅かばかりですか・・)
≪それも無かった。その時の設定では領主の息子を毛嫌いしていたから、その少年の上手い口車に載せられただけだ。娘の両親は正面から領主親族に反発が出来なかったので、遠地に連れられて行く娘を陰ながら支援する形を取った。少年の両親とその辺を上手く遣り取りしていたが、出来が悪くも馴染みが合った少年しか選べなかった。良い方向へと思わせつつ落胆が直ぐにある話だな≫
(性格わる!)
≪お前の気に入らない類の物だ≫
(それってどのルートもそうなるんですか?)
≪ああ。だが見方は人それぞれだ。烏合の民から見れば棚ぼたに違いない。それを望んでもまず叶わないからな。納得しない者達は少数派に成らないか≫
(それでも俺は嫌ですよ。そんなシンデレラストーリーに関わる事にも)
≪ほう・・何処にだ?≫
(先程言ってましたもの。そのサブヒロインのクエストは、避けようが無いのでしょ?なんでここでサブヒロインが来ますか・・俺のハーレム回避ストーリーがなし崩しに成ってません?)
≪そんな事はない。ここで恩情は与えるが、何処か遠くに放逐する手もある≫
(・・無理くりな設定じゃないですか・・骨は拾って下さいね)
≪解った。そうだな、動ける題材は追加で用意しよう。その場凌ぎの書簡を追加するから、必要な文面を思い浮かべればそれに書き込められる。それを使う事で不要な災いは避けられる。もう1つに、ここでの禍根を絶て。根を残すと厄介な事を招くから、戸惑わずに必ず絶つのだ。お前の世界でも根深い怨は有害だった筈だ≫
ええ、解りました。その辺はほんと厄介に極まるので、がっちりと遣ります。そんな俺の返事を聞いた神様は、またなと言い残すと戻って行った。戻ったよ!だって、周りからの音が聞こえて来たからね。閑静を打ち破り会話のボリームが上がりつつある。
しかしだ、俺の思った文言が書かれるのは丸投げじゃないかな?現場での臨機応変は最善だと思うけど、俺の能力にそんな便利な回答を期待されても困る。本当の本当で、現場で頑張る事に成るな。あーキャラメイキングも必須か?俺が書いたのが丸解りの文章に成ったら、さらに面倒になるし。格好・・この辺はお父様から指定された物を着て行くから、貴族の格式を恥ずす事もないからな。そこは伯爵様の含蓄が火を吹く訳さ。顔はお母様似だけど。
後はその娘な、どんな子が全く解らんのに放逐すれば不幸へ直行は確定っぽい。どんだけ不幸体質なんだと言いたい。凶子とかの名じゃないよね?名をリーリェって聞いてたわ。あ・・ゆり?その辺の花だとゆりより月下美人を思い出すな。何かっていうと使われる題材で、一般的なゆりより月下美人を上に使ってる感じだ。まあ、俺はゆりの花の方が好きだけど。ポケ子もそっちじゃない?あれの新ヒロインがリーリェで、金髪ツインテールを横ロールで決めてたわ。しかもポニテの時の髪が多過ぎで、ハゲ親父に喧嘩売ってたな。バランスとしてはおかしい量の髪だから、作者もハゲ散らかしていたんじゃないかと。マメに掃除しろ。抜け毛の銀髪に、何度も嫌がらせを受けた思い出があるよ。湯船に浮いていて絡まるとか。
そして今夜は何事も無く更けて行く・・何て無いし!ここは宴会アルアルで、俺が飲んでいたワインの器を握りしめたサナーが、その少年・・話に出たマコトケイって奴を憎々しく罵り、その娘を救い出す事が天命やら何やらと騒いだ。うん、サナーはアルコールにそれ程強くないから、泥酔女子へ一直線では無かろうか?翌朝には不機嫌な顔でアイタタタって頭を抱える奴。
その前にサナーの現状が、顔の回りにオムレツの残骸が・・彼女は口が小さいから、大抵の食べ物がぱっくりとは行けない。そんな観察は程々に口の回りを優しく拭き取ってから、生活魔法の{洗浄}で綺麗にする。これは順番が大事、いきなり{洗浄}でも綺麗に出来るけど俺は好感度を優先する。滅多にないチャンスに優しさアピールを示さなきゃ。酔っぱに期待は無理かな?
でも大丈夫、彼女はお持ち帰り予定だから俺がしっかりケアしよう。例え覆いかぶさって来て上から吐かれても・・とっても不味いフラグな事を言っちゃったよ。その瞬間がもし来たら、俺の全力で{洗浄}しまくるしかない。だが想像はしない・・いやしたくない。その絵面はヤバいもの。
次回の投稿予定は12月14日を目指します。





