老舗の業界も悩み事は尽きない。
本日の投稿分です。ここにきて急に涼しくなりました。コロナも風邪程度と言われはじめましたが、利権絡みの悪質治療にお気を付け下さい。まともな医療現場ではコロナ患者を見ないという不思議があったりします。
※レマイア領中央冒険者ギルド
「はい。承りました」
この冒険者ギルドで割と多めに担当して貰っているラーレルが、ちょうど良く手が空いたので今回の護衛担当の雷鉄パーティに打ち合わせの日取りをお願いする。
その雷鉄パーティが現在に何に関わっているかと言うと、好き勝手に休養中だった・・俺の冒険者への思い入れは簡単に踏みにじられた。
つまり苦渋を携えているそんな俺の横で、サナーがとても残念な子・・俺を覗き込んている。俺の持っていた幻想はBランクパーティには重過ぎのかも。バイトくらいはしとけよ。
「・・それでセブレスさんは、他領で冒険者の活動予定もあるのでしょうか?」
「今回は依頼中の範囲しか行動しませんので、活動するつもりはありません。何かあるのですか?」
「いえ特にはありません。移動が依頼行動なのは承知しています。ただ、急遽の依頼が発生した場合には、現地のギルドにはその場の所在を提示して欲しいのです。各々の依頼が達成されても評価に繋がらないのは損でしかありませんから」
なるほどなるほど、ラーレルさんが言いたいのは当人の照合が難しくなり、あっちのセブレスが新規の評価では俺の損にしかならないと。こっちのセブレスがドジを踏んでも誤魔化せる手段を知った訳だが、遠くない時間でそれはバレるだろう。
「急ぎにこちらに戻って依頼の報告もしないといけませんから、途中で携わるのは不慮の避けれなかった敵対くらいですね。最近は殆ど聞かなくなった盗賊関係や、流れのはぐれ魔物くらいに襲われるとか」
在り得えそうな状況をすんなりと口にされてしまったが、俺の妄想フラグがビンビンと跳ねよった。いやいや可笑しな流れじゃね?誰かの意図的な誘導で口走るなんて。突飛な発想から振ったフラグなら本人の回収義務も解るけど、言わされた感が半端ないよ。
「突発した討伐はその後の報告で問題ありませんが、数日に跨った依頼はギルドの管理内で処理が出来ます様に諮って貰いたいのです。ギルドの預かり知らぬ依頼などが、その類の範疇に入ります」
そんな裏仕事に関わるのは避けたいし、それに関われば碌な事に成らないからな。冒険者に対してギルドの擁護が全く受けられない、そんなブラックな状況は最悪だ。
「・・執拗に説明しなければ成らなくなった原因が、いざこざやトラブルが増えているからです」
「冒険者同士のですか?」
この話題は非常に微妙な位置に成る、これから暫く冒険者に護衛を任せて移動する身としては、少なからずの忌避が必要だろう。
「いいえ、依頼人と冒険者の問題です。その飛び火はギルドにも及んでいますが、元は依頼を受けた冒険者が依頼人に会ってその内容を把握しなければ成りません。言った!聞いて無いっておかしくないですか?」
はいすいません。思わず謝りたくなる勢いじゃねーか。この人も相当溜まってるんじゃね?ちゃんとバンバンしなさいよ。
「ふぅー。最後に今更な感じでギルドに入る苦情は、依頼の斡旋時の説明不足をついてくるのです。ギルドとしては、簡略した依頼内容を適宜に紹介している形なんです。貼り出してる依頼書にも、事細かく書ける場所はありませんので」
「・・そうですね。依頼を受注したら依頼人との打ち合わせを行い、そこで納得しないと受けられませんからね」
「そう、それです。なのにです!依頼が終了する現地でその後の宿泊費用が誰持ちなのかとか、果てには依頼中の食事は付いてた筈じゃ?みたいな事でギルドに押し込んでくるんですよ。何の打ち合わせをしたの?こっちが知るか―!って」
「でっ、ですよねー」
こわ!いやほんと、ちゃんと打ち合わせをしてくれって事だ。俺もこないだの報酬額とか聞いてないけど。メンドセイ侯爵家の接待は心共に大変だった・・忘れられてないよね?
ギルドもなー・・貼り出される依頼書に書けるスペースに限りがあるから、重要事を優先に書かれると食事の話しや他の事は討ち合わせでお願いになる。その打ち合わせで言い忘れや聞き忘れは無きにしも非ず・・けっこう有るかも?えっ知ってるよね?当然の事だもの・・なんてどっちも勝手に思っちゃうか。
確かにギルドは冒険者に斡旋する前に、依頼人からは確認していても重要性の順位からすると、細かな事はそこでも忘れるなんであったりして。書き込みは無理な・・
「印を付けて置いて照合でもしますか」
「はい?」
ではラーレル君!説明しよう。と言っても特別なんてありませんが。そこで簡単なのは、食住サービスが付いてる依頼はここへ・・とか、張り付ける場所を決めて置くと楽に成る。ただ、その依頼書を剥がして、受付にて確認をするシステムなのでこれは出来ない。ならば印を付けた、チェックリストの形を使えば良い。④番の丸4つを受付で説明しながらチェックする。
それを幾つかの印を統一して依頼書に記入しておき、掲示版にも説明書を1枚掲示して置く。①は依頼中は食事と宿泊の全てが依頼人持ち。掲示と受け付けて2重のチェックを済ませられて、最後には依頼人がごり押し・・提示確認ですから。
「・・すばらしい・・提案ですね。早速その報告し採用させようと思います」
「けっこう乗り気ですね」
「つまらない苦情ばかりにちょっと疲れていまして」
「あー解ります。この様な決まりが有りますからと言っても、それを聞いている場で破っている人を商業ギルドで見ました。それも先程・・聞いてはいるみたいでしたが、理解しようとして無かったです。自分に不利益な事は理解したくないのでしょう」
「・・その様な者が最近は多いのです。少し前まで閉鎖されていた娼館が始まりましたので、移動が不要な警備職員を冒険者で補っていますから」
「それは又・・他に地域への、護衛の引率を嫌がる人が多く成っているのですか?」
「はい、定住のまま依頼を受ける警備は収入としては低いですが、依頼達成で空く期間も無しに働けますからそこまで差が開きません。討伐系を専門に受けていた人の中でも、その危険度を天秤に賭ける者も出ています」
「それですと大森林の中の、魔物や魔獣の間引きに支障を来したりしませんか?」
「・・セブレスさんの様な、狩りの成果を上げている人が殆どいませんので。あの・・出来るならば適度に討伐をお願いします。その時は素材を是非!ギルドの方へ」
へぇへぇへぇのタアン!タアン!タタアン!さよならバイビーって、逃げようとしたら捕まった。俺のへぇーボタンが・・藪蛇には即撤退の筈だったのに、提案書を作ったらそこに俺のサインが必要らしい。
・・・・・
俺の知らない何かが加速しているが、連れ込まれた談話室で女2人は嬉しそうに菓子を頬張っていた。提案書作れよ・・サナーも美味しいでしょ?って、ドヤ顔するのは違うと思う。作ったのは俺だから。
「魔物を狩っている冒険者が減っているのですか」
俺の気掛かりはそこであり、それがとの程度に優先されるのも知っておきたい。
「・・非常に微妙な感じに成りますね。冒険者達の報告によりますと、接敵する範囲が全体的に少し奥へ入ったみたいです。そうなっていますからその場所に辿り着くまでや、帰路を戻って来るのにも時間が増えています。その討伐で得ている報酬はそれ程変わりはしませんので、経費を換算すれば報酬の目減りになりますね」
「素材の確保に時間が掛れば、遠からずその手の素材も値が張っていきそうですね」
「この領だけで完結する問題でしたらそう成りますが、素材を欲している者達は遠方に多く存在していて、他の地域からの供給は減っておりません。そこに低級素材が過剰になりつつありまして」
「過剰・・ですか?」
「はい、低級素材で出来た武器や防具はあまり好まれませんから、どこでも余剰在庫で困っているとか」
「そんな余剰脱却には武器や防具の生産は止めて、その素材を魔道具や道具に回せはよいのに」
・・なんだろう、ラーレルさんの顔がとっても残念で呆れ顔に成っている。
「魔道具を作れる能力が無い者が多く、我先にと素材を食い潰す・・消費しているらしいです」
・・この話し、終わってない?こんなのもう売れないよって、誰かがストップさせないとダメじゃん。
「ああ・・あれは結構の数を見ましたよ。快眠や安眠が付与された魔道具。かなりの需要があったのでしょうね?」
「・・枕で良いと思います」
速攻否定ジャン!俺もそう思ったけど。どこまで寝付けない状況なのかさっぱり解らないが、そこそこの疲労が溜まれば直ぐに眠れるよね?俺の夜は疲労困憊だぞ。俺だけヒーローだけど。もしかの悪酔いか?薄めたり混ぜたりの酒が多いからな。
「それでこの提案書はこのギルド内だけでなく、他の地域のギルトへも回す事になるでしょう。ギルドの手続きは、各地で統一出来ないと問題に成りますから。そうなりますと大掛かりな変革になりますので、提案者にはギルドへの貢献の評価が付加されます。それに伴ったお知らせは致します」
おおっと、ちょっと良さげな話しになりそうじゃん。貢献の評価がどの位お得か解らんけど。別の評価枠だったら、新規のポイントじゃ期待出来ないし次の追加は粗無いけどな。だいたいポンポンと変更出来る事があったら、それまでの業務が全く信用できないもの。適当こき過ぎ業界はとっくに潰れ取るわ。
「そういえば、以前に連れ帰った魔物の様子はどうでしょうか?見世物目的で捕まえられた魔物は、暫くすると狂暴になる話しを聞きますが?」
「うちに居るツノは、それに当て嵌って居りません。最近はダラけている時間が長くなった気がしないでもありませんが、走り回りで競争する時は油断が出来ません」
それは違うんじゃないかな?サナーとの競争で本気の疲れが出てると思うよ。双方に加減を考えながら相手を思いやっていたら、そんな状況には成らないだろうから。何を遣ってんだろってラーレルさんは思っている筈だ、其れを見ている俺もたまに思うもん。楕円な形の我が家の庭の駆けっことなれば、体型的に小回りが利くツノが有利なんだが。直線での歩幅が逆転するから侮れたりしないが、一発勝負の池越えを使うツノもけっこう必死かも知れない。
部屋で魚の開きみたいに伸びているツノは、体力をカツカツにしていそうだ。もうちょっと餌を多く食べないと厳しいぞ。体重を増やせないのなら、肉食派の転向も視野に入れるとかだな。魔物は肉を食ってナンボだと思うが。
ガリガリのアスリートは長距離には強いが、瞬発力重視の体格を有効に活用しないとサナーには勝てない。太ももの育ちは伊達じゃないからな!
・・食事に不自由する事が無くなった今の環境なのに、魔物の本能にある食への貧困さが下がりつつある。ん?もしやと思う所も予想すれば、野生時代はもっと食事に困窮していたから現状は以前より十分に食べているとか・・無いな。体にお肉がついてふっくらしたとかなら、そっちにも考えられるけどそれが無い。今は思春期あけかも?少女から大人の女に代わる時は、体系のメリハリとか随分と印象が変わるし。
最近のツノを見ているとたまにトキメキを・・両の後ろ脚を持ち上げるスタイルが気にいっているツノはどうかと思うの。
次回の投稿予定は10月12日を目指します。宜しくお願い致します。





