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2-14 転生した少年は通路を駆ける


「早く行こう」

「う、うん」


 アテルの手を取り、牢屋から抜け出す。

 部屋から出るといきなり左右に分かれていた。

 さて、どっちに行けば良いのか・・・・・・


「おい、音がしたぞ」

「何かあったのか?」


 左側から会話が聞こえてくる。

 先程の破壊音に反応しているのだろう。

 流石にバレるわけにはいかないので、右側に移動する。

 曲がり角に隠れていると、二人の男達がやってくる。

 そして、部屋の中に入っていく。


「ガキ共がいないぞ」

「これ、壊したのか?」


 牢屋に僕たちがいないことに気づかれる。

 できる限り早く逃げないといけない。

 時間が経つほど、捕まる可能性が高まる。


「俺は報告に行く。お前はあっちを探せ」

「ああ」


 一人が来た道を戻り、もう一人が僕たちのいる方に向かう。

 ここで別れてくれるのはありがたい。


「あのあたりにいてくれるか?」

「え? わかったわ」


 アテルに指示を出し、少し奥にいるように頼む。

 相手が曲がったら見つかるが、遠くてすぐには捕まらない位置である。

 彼女が移動したのを確認し、僕も準備をする。


「お、こんなところにいたか?」

「ひっ⁉」


 男がアテルに気づき、嫌な笑みを浮かべる。

 本来の目的である彼女がいたことで、僕の存在を忘れているのかもしれない。

 それはありがたい。


(ヒュッ)

「なっ⁉」


 天井から男の首に飛びつく。

 アテルに集中していた男の死角からの攻撃に気づかなかったようだ。

 だが、流石に飛びつかれればどうにか外そうともがく。


(バキッ)

「ぐえっ」


 思いっきり首を捻る。

 男は奇妙な声を漏らし、そのまま力なく倒れる。

 【身体強化】を使えば、大人でも倒すことは可能である。


「し、死んだの?」


 倒れた男を見て、恐る恐る話しかけてくる。

 敵の心配をするなんて、彼女の心根は優しいのだろう。


「いや、呼吸はできてるから死んではいないよ。僕も人を殺したくはないからね」


 倒れた男が生きていることを確認する。

 いくら悪人とはいえ、この手で命を奪うのに抵抗がある。

 僕の答えにアテルはほっと胸をなで下ろす。


「じゃあ、行こうか」

「うん」


 彼女を連れて、通路を進んでいく。

 出口がわからないので、とりあえず進むしかなかった。

 幸い、そこまで広い場所ではないようで、すぐに上に向かう階段を見つける。

 扉を開くと──


「おいたはいけませんね、アテルお嬢様」

「っ⁉」


──ベテランメイドに待ち伏せされていた。

 彼女の周りには屋敷で戦ったフードの男達もいた。

 正確に言うと、先程倒した一人分減っていたが・・・・・・







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