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1-13 転生した少年は森の中を駆ける


(タタタッ)


 森の中に入ってから30分ほど経った。

 軽快に森の中を進んでいく。

 【身体強化】で脚力を強化しているおかげか、悪路も気にせずに走ることができた。


「これで魔法が使えたらな」


 思わずそんなことを愚痴ってしまう。

 魔力を使っているので【身体強化】も魔法の一種だと思うが、この世界では【無属性】は魔法ではない。

 一般的な魔法も使ってみたかった。

 ないものねだりではあるが・・・・・・


「ん?」


 あることに気がつき、その場に立ち止まる。

 順調に進んでいるつもりだったが、このままでは目的達成が難しいことに気がつく。


「魔力の減りが早い?」


 体内の魔力が思ったより少なくなっていた。

 想定では2割程度しか使っていないつもりだが、その倍近く減っているようだ。


「もしかして、この悪路のせいか?」


 すぐに理由が判明する。

 いくら人が通れるとはいえ、森の道はかなりでこぼこしている。

 時折、木の根や岩がはみ出しており、避けたり飛び越えたりしないといけない。

 そういう悪路を進んでいるせいで、想定より魔力量が多いのだろう。


「これに気づいて、魔力量を調整するのも試験の内容かな?」


 爺ちゃんもなかなか意地悪な試験を出すな。

 可愛い孫だから甘やかしてくると思っていたが、こういう落とし穴を用意しているとは思わなかった。

 いや、これぐらいなら気づくだろうと評価しているのだろうか?


「まあ、この程度なら問題はないな」


 僕は再び進み始める。

 あのペースで進んでいたら、魔力が足りずにクリアできなかっただろう。

 だが、今からでも魔力を調整すれば問題は無い。

 スピードは落ちるが、先程までスムーズに進んでいたおかげで目標時間には間に合う計算である。

 ついでに魔力消費量を抑えるため、悪路の中でも通りやすいルートを進む。


(ザザッ)

「ん?」


 近くの草が揺れたことに気がつき、再び足を止める。

 風で揺れたのならまだしも、明らかに不自然な動きだった。

 音のした方に向くと、草むらから小さな黒い影が飛び出してきた。


「きゅうっ」


 1羽の兎だった。

 といっても、ただの兎ではない。

 大きさは僕の知っているものより少し大きい程度だが、その額には30cm近い角が生えていた。


「ホーンラビットか」


 本を読んでいたおかげか、知識として知っていた。

 前世の兎と同じ草食動物であり、角で狩りは行わない。

 では、何のために角があるのかというと、もちろん戦闘を行うためである。

 番を見つけて他の雄と争うとき、外敵に襲われたときなどだ。


(ヒュッ)

「くっ⁉」


 ホーンラビットが突進してきたが、回避することに成功した。

 だが、わりとギリギリだった。

 草食動物だと舐めていたが、かなりスピードがある。

 突進されて角が刺されば、大怪我は免れない。


「何が安心だよ、爺ちゃん」


 思わず祖父に文句を言ってしまう。

 まさか戦闘になるとは思わなかった。







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