プロローグ 生き残るために修行の日々を送る
新作です!
異世界転生ものですが、おそらく予想外の展開も多くなります。
読んでいただけると幸いです。
第一章が終了しました。
現在、第二章を書いています。
第一章を最後まで読んでいただき、評価していただけると幸いです。
面白ければ、続きも読んでいただけたらと思います。
「うわあああああああっ」
盛大な叫び声を上げる。
全力で走りながらよくこんな声を出せるものである。
(ゴロゴロゴロッ)
背後から巨大な岩が転がってくる。
坂道になっており、かなりのスピードである。
しかも、俺の2倍近い大きさなので、ぶつかれば確実に命を落とすだろう。
「おい、いつまでも逃げるな」
遠くから声が聞こえてくる。
その声に甘さはなく、厳しい叱責だった。
「こんなの、どうにもできないよ」
「できなければ死ぬだけだ。生きるためにどうにかしろ」
「くそっ」
弱音を吐くが、相手はまったく意に介さない。
助けを期待するだけ無駄だろう。
(ザッ)
地面を削りながらスピードを殺す。
そのまま背後に振り向く。
真正面から見ると、勢いよく近づいてくる岩はかなり威圧感がある。
逃げたい気持ちで一杯だが、そんなことは求められていないだろう。
(ボウッ)
右脚にオーラが纏う。
そのまま大きく上げ、一気に振り下ろす。
(ドンッ)
勢いよく踏み抜く。
その衝撃で地面が隆起する。
(シュッ)
隆起した地面に乗り、転がる岩は宙に浮かぶ。
そのまま俺の頭を越え、少し離れたところに着地する。
「はぁ」
自分の無事を確認し、その場に座り込む。
緊張の糸が切れたのか、力が入らない。
そんな俺の近くに先程の声の主がやってきた。
「ふむ、及第点だな」
「及第点? 完璧な合格じゃないのか?」
厳しい採点に文句を言ってしまう。
無事にやり過ごしたのだから、もっと高い評価をされたい。
「あの程度の岩なら真正面から壊せ。それができなければ、合格点はやれない」
「ちっ」
思わず舌打ちをしてしまう。
だが、同時に納得もしてしまう。
今の俺に必要なのは危険から逃れる手段ではない。
危険に真正面から立ち向かう力である、と。
「次の修行をするぞ。先程よりも厳しくなるから覚悟しろ」
「わかったよ」
気合いを入れてその場から立ち上がる。
これは俺にとって大事な修行である。
この世界で生き残るために、大事な人を護るために必要なことだ。
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