決戦に向けて④
1.これで一々下半身を気にしなくて済むわけだな
早いものでもう七月。マッハで過ぎ去って行く時間に一言物申したい。
狭い日本(葦原)そんなに急いでどこに行く。
一応、予定通りに決戦の準備は進んでいるけど偉い奴らは皆、過労死寸前だよ。
年末の決戦に向けてやれるだけのことはやっておかなきゃいけないからとブラック業務から抜け出せない。
報告とかは一々京都まで出向かせるのも可哀想だから術を使ってリモートでやってんだけどさ。
みーんなげっそりやつれちゃって、目の下にもすんげえ隈がついてんの。泣けて来るわ。
「大丈夫大丈夫。死にそうになったら派遣した術師が無理矢理生かしますよって」
過労死という逃げ道すら塞がれるのか。
「まあ世知辛い事情はさておきだ。わざわざ俺を呼び出して何の用なんだ?」
俺も忙しいがそれ以上に幽羅のが忙しい。
陰陽寮の術師も総動員して決戦の準備を整えているが幽羅でなければ不可能な術式の構築は数多い。
詳しくは知らんが関ヶ原の霊脈を強化するために他の土地の霊脈にも手を入れているらしく葦原全土を飛び回っている。
そんな幽羅が式神ではなく本体で京に戻り御所ではなく自分の屋敷に俺を招いたのだ。まず間違いなく重要な案件だろう。
「…………カールはん、うちが本体やって気付いてはったん?」
驚いたような顔をする幽羅に何となくだと答える。
一日の大半を殺し合いに費やしているお陰か、ここ最近、感覚が冴えまくってるんだよな。
「俺のことは良いんだよ。さっさと本題に入ってくれ」
「そう焦らんでも。うちも今日一日、時間を確保出来るよう予定を前倒しにしてますし。とりあえずこれを」
幽羅は脇に置いていた風呂敷を俺に差し出した。
開けても? と目で問うと頷いたので遠慮なく中身を開くと、
「………………服?」
俺の心のように染み一つない白のワイシャツ、黒のベストに同じく黒のスラックス。
ようは久しく袖を通していなかった俺の仕事着だ。
「何で?」
ちょっと意図が分からない。何で洋服渡されたの?
「決戦用の装束――の試作品ですわ」
「は~?」
いや俺のバトルスタイルを考えると鎧冑持って来られても困るけどさ。
だからってこれは……。
「論より証拠。カールはん、ちょっとその服に攻撃してくれません?」
「攻撃って……」
何か特殊な繊維とかで作られてるのか?
いやでも肌触り普通の布なんだけど……こう、特に何も感じないし。
「ええからええから」
促され俺は戸惑いつつもシャツに手刀を繰り出すとギィン、と甲高い音が鳴り響く。
振り落ろした手の方が痺れるほどの硬度。だと言うのに普通に触れる分には布の感触。
これはどういうことだ? 特殊な代物だってのはもう分かったが、それならそれで何も感じなかったのはおかしいし……。
「うちの真贋さえ看破する感覚を以ってしても普通の服にしか思えん、か。調整は上手いこと言っとるみたいやね」
曰く、この服は女術師の毛髪を始めとする特殊な素材によって編まれたものだと言う。
違和感を覚えないのは幽羅が文字通り俺の身体の一部と誤認するほどに服を調整したからだとか。
「でも何のために?」
そこまで馴染ませる必要があるのか?
別段、服を着ているという感覚が足枷になった記憶はないんだがな。
「カールはんと極限まで同期させることで装束自体も治癒の恩恵も受けられるようになるんですわ」
「つまり下半身を消し飛ばされて再生してもマッパになる心配はないってことか」
「……いやまあ、それもその通りやけど」
「冗談だよ冗談」
自動修復機能つきの防具って考えると普通にありがたいな。
守りを捨てた特攻スタイルと言ってもダメージが軽くなるのは悪いことじゃないし。
「まあ自動修復機能だけなら別に同期させる必要もないんやけどカールはんの気を通すことを考えたらなあ」
ああ、なるほどな。
手に持った武器なんかに気を纏わせることも出来るが一番やり易くて効果が高いのは自分の肉体だからな。
この服が袖を通した瞬間から俺の身体の一部になるってんなら強化の度合いも跳ね上がるだろう。
「とりあえずデータ取りたいんでこれからはそれ着て鍛錬してくれはると助かります」
「分かった」
「完成品にはうちの髪も使いますさかい出来は更に良うなると思いますわ」
「おう」
それじゃ早速、使ってみるかと服を手に立ち上がったところで幽羅が待ったをかける。
まだ本題に入ってないんだから帰るな、と。
言われて気付く。確かにこの服渡すだけならわざわざ屋敷に呼び出す必要はないもんな。
「そろそろ、話とこうかなと思いまして」
「何を?」
「――――うちが八俣遠呂智を憎む理由」
「ほう」
気にならないと言えば嘘になる。だがその憎しみが本物であれば十分。
わざわざ問い詰めるほどのことでもないと放置してたが、まさか幽羅から切り出すとはな。
「どういう風の吹き回しだ?」
「誰かに聞いて欲しい言うんもありますし義理を通しとかなってのもあるし……一口にこうとは言えませんわ」
決戦が近付いて来てセンチになってるのかね?
大きな戦いの前に過去バナとか死亡フラグ臭いけど――まあ良いか。
死亡フラグ立つとしてもそれは俺じゃなくて幽羅だし。
「うちは元々、捨て子やったんですわ。かれこれ……五百年は経つかなぁ」
懐かしむように目を細め幽羅は語り始める。
「お父はん――保名、言うんですけどね。赤子の頃、保名に拾われて安部家の養子になりましてん」
「やすなって何か女の名前みたいだな」
「もう死んどるさかいええけど、お父はんの前で言うてたら殺されてましたえ? 保名が男の名前で何が悪いんだ!? 俺は男だよ!! って」
怖っ。名前一つでそこまでキレんのかよ。おっかねえな陰陽師。
しかし……ふむ、親子関係は良好だったらしいな。
養父を語る幽羅の顔はとても楽しそうだ。
「っと、話がずれましたわ。うちは拾われ子やったわけやけど小さい頃は保名をほんまのお父はんや思てました」
「まあ、親もわざわざお前は実の子じゃないとは言わんだろうしな」
子の心も慮れない奴なら幽羅が慕うこともないし、そもそも子供を拾いすらせんだろう。
そういう意味で幽羅は人の縁に恵まれていたと言えるな。
「疑問に思うたのは陰陽術を齧り始めてからのことです。
保名はしがらみの多い術師になるより普通に嫁に行って幸せに暮らして欲しかったみたいやけど……ほら、ね?
自分で言うのは恥ずかしいけど……その、うち俗に言うお父さん子やったから」
「術師になって親父さんの役に立ちたいと思ったわけだ」
照れくさそうに幽羅は頷いた。
自分を見せない語りたがらないコイツが素の自分を晒しているのは実に新鮮だ。
「そんなわけでお父はんを助けたろて健気に頑張っとった晴明ちゃん九歳はふと気付きました。あれ? うちの母親おかしくね? と」
「ふむ?」
「それまでは頭に獣耳生やしてケツから尻尾出しとるんも、どう考えても初潮来てないやろって外見も特に気にしてなかったんやけど」
ケモロリたぁ……保名、中々に業の深い漢だったようだな。
是非とも一度、酒を酌み交わしてみたかったぜ。
「術を知ったことで直ぐ気付きました。お母はん式神やんけ、と。
週六で夜中にニャンニャンしとったし愛し合っとったのは確かですわ。夫婦というのは間違いない」
週六かよ。ラブラブじゃねえか。
「せやけど、どない頑張っても式神を孕ますんは不可能や。
一から作ったものやのうて既に存在しとる命を式神にするんでも同じ。
術を刻み込んだ時点で生殖能力は失われるからな。ほならうちは誰の子や?」
「式神になる前に孕ませたとは考えなかったのか?」
それなら理屈は通るだろう。
「それはありえへん。だってお母はん、式神になる前は普通の狐やもん」
狐を孕ますのは……うん、無理だね。
いやだが何で式神になる前が普通の狐だって分かったんだ?
「式神としての格を見ればそれぐらいは察せますよって。
まあそれでお父はんを四六時中問い詰めてようやくうちが拾い子やってことが判明しました」
四六時中って……親父もたまったもんじゃねえな。
でもデリカシーがないと幽羅を責めるのは酷か。子供ならしょうがないわ。
「東北のとある合戦場にある遺棄された死体の山ん中に埋もれとったんですわ。
それを土地の浄化に来たお父はんが見つけてくれて、うちは運良く生き延びられた」
ん? 合戦場? それなら捨て子とは断定出来ないんじゃないか?
ひょっとしたらその死体の山の中に幽羅の親父かお袋さんが居た可能性もあるし。
「お父はんが言うには後からうちを埋めた形跡があったそうで」
……わざわざ言うとは思えないし、トコトンまで問い詰めたんだろうな。
「正直な話。捨てた親に多少思うところはあれども今は幸せに暮らしとるわけでしょ?
その時はそうやったんかと一人で納得して話は終わったんですわ」
転機が訪れたのは二十歳の頃。
既に当代一の腕前を備えていた幽羅に父親から陰陽頭にならないかと打診が来たのだと言う。
「敬愛するお父はんの後釜や。受けん理由もないし二つ返事で承諾しましたわ。
したらお父はんが陰陽頭になればこれまでよりも忙しくなるから言うて半年ほど休みをくれましてん」
まあ、二十歳と言えば遊び盛りだからな。
話を聞くに小さい頃からずーっと術師として修行して来たみたいだし親としては思うところがあったのだろう。
俺が保名の立場でもそうしていたと思う。
幾ら好きでやってることだからってうら若い娘が修行の日々って……ないわー。
「こない長いお休み頂いたんは初めてで正直、戸惑いましたわ。
休みの間は修行もなしや言われてどうしたもんかなと家でごろごろしとる時、ふと思いました。
陰陽頭になって京と帝の守護に人生を捧げる――これは一つの大きな区切りや。
心に刺さった棘を抜いて過去と訣別するええ機会なんやないかってな」
そして諸国漫遊がてら自分が捨てられていた地を訪れることにしたのだと言う。
「二十年近く前のことやし既に浄化も終わっとる。面影を感じさせるものはなーんもありませんでしたわ」
「だろうな」
「そこで終わっとったら良かったんやけどなあ」
幽羅が苦笑する。
自覚はないが実の親に捨てられたという事実は自分で思う以上に大きかったらしい。
「その場で土地の記憶を閲覧する術を編み出したんですわ」
「……その、即興で作れるもんなの?」
「そこはほら、うち天才ですから。五百年も陰陽頭務めとるんはうち以上の術師が生まれてないからでもあるんですよ?」
カーッ! 自信満々で羨ましいこった!
日々を謙虚に生きてるツラ良し、性格良しな俺とは大違いだぜ!
「話を戻しましょか。術を使うて過去を覗き見たら……」
「見たら?」
「まったくの見当違いやった」
激しい雨が降りしきる夜の中。
無造作に遺棄された屍の山に満身創痍の男が赤子を抱いてやって来たのだと言う。
「『ごめん、ごめんな幽羅。俺がもっと強ければお前を守ってあげられたのに……』
大の男が涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら何度も何度も謝っとった」
まあ、予想はついていた。
幽羅は疎まれたから捨てられたわけではない。やむを得ぬ事情があったのだ。
話の流れからそうだろうなとは思ってたが……ああ、この先の展開も大体分かっちまったよ。
ホント、胸糞悪いなぁ。
「『術を使って保護すれば彼奴らに気取られる。だからこのままお前をここに隠す。
二日……二日、頑張って生き延びてくれ。そうすれば土地の浄化のため陰陽寮の術師がやって来る。
そいつがお前を見つけてくれたなら、そいつが良識を持った大人なら……お前はきっと自由に……幸せになれる』」
忸怩たる思いだったのだろう。
あまりにも不確定要素が多過ぎる。何なら赤子の幽羅がくたばる可能性の方がずっと大きかったはずだ。
それでも名も知らぬ男はか細い可能性にかけるしかなかった。
「愛してる、どうか幸せに。男は一度、うちを強く抱き締めた後で屍の中にうちを埋めて近くの山に逃げて行きました」
追跡者の目を屍の山から逸らすため、か。
分の悪い博打に打って出るとは思わなかったんだろうな。
「それに少し遅れて、男とうちを追っていたであろう連中が屍の山に辿り着いて同じように山ん中へ。
正直、混乱しましたわ。どないなっとるんや、うちは一体何を見たんやってな」
「当然、調べたんだろ?」
土地の記憶を見れるってんなら男の末路も辿れるはずだ。
幽羅は頷き、その顛末を語った。
「逃げて逃げて最期は追跡者の目の前で谷底に身を投げました。赤子を抱いたように見せかけて、な」
追跡者に幽羅も一緒に死んだと思わせるためか。
「酷い頭痛と眩暈にふらつきながらも、うちは取り憑かれたように男の足跡を追いました。
そんで男が流れ着いた場所まで辿り着いた時、そこには無念の鎖で縛られた霊魂が一つ。
血涙を垂れ流しながら幽羅、幽羅、幽羅とうわ言のように繰り返しとった。
磨耗し切っとるのは一目瞭然、そやのにうちを見た途端、ぴたりと正気を取り戻して言いました」
幽羅か? と。
その時、コイツは一体何を想ったのだろう……他人の俺にはとても推し量れやしない。
「そこでお前は知ったわけだ、自分が櫛灘の血族であることを」
「はは、カールはんはホンマ、察しがよろしおすなあ」
「話を聞いてりゃ嫌でも分かるよ」
「……男は、うちのホンマのお父はんやった」
櫛灘の家に生まれたと言っても次代の姫ではなく姫に万が一があった場合のスペア。
幽羅の母と父は生まれたばかりの我が子を見て、せめてこの子だけでもと思い行動に移したのだと言う。
だが直ぐに補足されてしまったらしい。それでも父親は必死に逃げて逃げて……淡々と語る幽羅だがその瞳には隠し切れない憎悪が滲んでいた。
「うちは、話ました。お父はんのお陰で幸せに暮らしとることを……そして次の陰陽頭になることも。なあ、カールはん」
「何だ?」
「お父はん、何て言ったと思います?」
察せられないことはないが……。
「『そうか、それは良かった。これからも身体に気をつけて長生きするんだぞ』やって」
おかしくておかしくてたまらないと言わんばかりに幽羅が身体を揺らす。
「ッ――おかしいやろ!? 何でや! 頼めばええやろ!!うちの立場を使って櫛灘の血族を保護してくれって!!」
言えるわけがない。
幽羅だけでもと、長女の犠牲を許容したんだ。どの口でそんなことを頼める? 他にも理由はある。
まだ守人の一族に力があった頃のことだ。
京と帝の守護を第一とする陰陽寮のトップが私情で連中と事を構えるような真似をすれば幽羅の立場は間違いなく悪いものになる。
受け入れられるわけがない。妻を、娘を切り捨ててまで幸せを願った我が子が苦難に見舞われるなど認められるものか。
「ああ、分かっとる! 分かっとるよ!! 仮に頼まれたとしても即答は出来んかった!!」
ここまで自分を愛し、育てて来てくれた親も居るのだ。
そう簡単に決断を下せるわけがない。
「それでも……それでも……ッ……」
息を荒げながら幽羅は謝罪した。取り乱してすまない、と。
何を謝る必要がある。こんな話、冷静に出来るわけがないだろ。
それから半日ほど、幽羅は何も言わず俯いていた。
そして夜がどっぷり深まった頃、再度口を開く。
「……京に戻った後は全部を忘れたつもりで仕事に打ち込みました」
実の父の想いを無碍にしないために。
育ての父に報いるために。
そうせざるを得なかったのだろう。何ともまあ、しんどい話だ。俺ならとてもじゃないが耐えられない。必ずどこかで暴発する。
「せやけど、一度生まれた感情をなかったことには出来ません。
ふとした瞬間、実のお父はんの顔が頭をよぎるし櫛灘の血族についても考えてまう」
「で、それを気付かれたわけか」
「ええまあ……周りに気取られんよう振舞っとったつもりなんやけど」
「当然だよ」
例え血が繋がっていなくても自分の子供が苦しんでたら親は気付く。気付けるから親なんだ。
「『何を悩んでいるか知らないが、お前の好きにすれば良い。私のことは気にするな』やって」
簡単に言ってくれると幽羅は苦笑いを浮かべる。
「カールはんやったらどないします?」
「とりあえず秘密裏に屑どもを皆殺しにして一族を保護するかな」
最終的に八俣遠呂智を殺すとしても、まあまずはそこからだろう。
「割り切り早いなあ。うちなんか百年も二百年もうじうじしとったのに」
「そこは性格だろう」
どうもコイツ、根っこの部分は真面目ちゃんぽいしな。
尊敬する父親から受け継いだ立場もあったしそう簡単に答えを出せなかったのだろう。
「しかし、そうやって考え抜いた末の結論が八俣遠呂智の封印を解くことなのか?」
幽羅の当初の計画だと葦原は滅ぶ。それは陰陽頭としての責任を放棄するのと同義だ。
加えて屑どもにも櫛灘の血族にもノータッチで八俣遠呂智をってのも腑に落ちない。
「カールはんみたいに即断出来とったらまた違う答えやったかもしれんけど……なあ?」
「ああ、そういう……」
悩んでいる間も時間は止まってくれない。
幽羅の姉も、その子供も皆生贄に捧げられてしまった。
何とか出来る立場に居たのに何もしなかったのなら理由があったとしても見捨てたのと同じだ。
そんな自分がどのツラ下げて……って思ったんだろうな。
陰陽頭としての立場もそう。優劣のつけられない二つがあったのに片方を捨ててしまった。
ならばもう片方を大事に抱え続ける資格は自分にはない。両方を選べないなら両方を捨てる。
それでもせめて捨てたものが無駄ではなかったと証明したいと、
「そう思ったから八俣遠呂智を殺そうと思ったわけだ」
「そういうことですわ。まあ結局うちの計画は御破算になったわけやけど」
俺がジャーシンの頭を潰しちゃったからな。
つっても俺に後悔はないがね。幽羅の事情なんて俺には関係ないもん。
「いや別にカールはんを責めてませんよ? むしろ、感謝しとります」
「ほう?」
「神が相手でも微塵も臆さず我欲のまま本気で殺しにかかるような人間に出会えるなんて……ふふ」
褒めてんの? 貶してんの?
「そら当然、褒めてます。カールはんのお陰でうちが望んだ以上の結果を得られる可能性が見えたんやから」
本当にありがとう、そう言おうとする幽羅だが気が早いにもほどがある。
俺は言葉を遮るように茶菓子として出されてすっかりぱさぱさになってしまった饅頭を押し付ける。
「気が早いぜ。まだ何一つ成し遂げちゃいないんだからな」
「んぐ……ごほっ……ふぅ……ふふ、そやね。カールはんの言う通りですわ」
「ま、お互い頑張ろうぜ」
「ええ」
しかし何だ。ますます死亡フラグ臭くなって来たな……コイツ、決戦で死ぬんじゃねえの……?
主人公を下半身丸出しで戦わせるのは流石にどうかと思ったのでこういう形にしました。




