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星を巡る竜  作者: 夢想紬
第一章
26/227

25 崩壊

 揺れ続ける大空洞ではリュウがようやくエレベーターに乗り込み、上階を目指していた。


「で、コアはどうなった訳?」

「今は直径約四センチ、厚さ五ミリの球体で包み込んでいる状態です」

「直径三センチの空間にコアは浮いている状態ですね」

「ほえ~」


 ミルクとココアの説明にリュウが間の抜けた感嘆を漏らしている。

 それはミルクが体を制御しているが故にリュウが痛みを感じていないだけであり、ミルクとココアが並列処理で今も懸命に損傷に対応しているお蔭であった。

 そうしている間にエレベーターが上階に到着し、ミルクが操るリュウは先程よりも速い足取りで観測室に入った。


「アイス!」

「リュウ……良かった、無事で……」


 もう既に天井が半分程崩れている観測室の床に一人ぼっちで倒れていたアイスは、リュウに抱え上げられて安堵を口にするが、その声は弱々しい。


「待ってろって言ったのに、どこか痛めたか? さっき叩きつけられたろ?」

「ううん。リュウが父さまの竜珠を掛けてくれてたから、怪我は大丈夫だよ。でも、力が無くて少ししんどいだけ……」

「立つ事も出来ないのに、少しな訳ないだろ? とりあえず、しっかり掴まってろ。ここから出なきゃ、やばそうだ……」


 心配するリュウにアイスは大丈夫と言いたかったが、その身を蝕むような倦怠感はさすがに隠し様が無かった。

 アインダークの説明もあって、アイスの状態が怪我によるものではないと分かったリュウはアイスが左腕に掴まるのを見て、安堵からほっと息を吐く。


「うん。リュウ、ありがとう。そうだ、竜珠はリュウが掛けて」

「いいのか?」

「うん。本当に怪我は無いから」

「そっか、サンキュ」


 そうしてアイスの勧めでリュウが治癒の竜珠を自身の首に掛けると、竜珠が燦然と輝き出し、リュウの体を癒し始める。


「お~、綺麗だな! すごい輝いてる……」

「凄いです、これなら細胞が足りない部分も時間を掛ければ治ります!」

「今、治療してる所も予想よりだいぶ早く治りそうです!」


 単純に綺麗と喜ぶリュウだが、竜珠が凄く輝くという事がそれだけ怪我をしているからだとは気付いていない。

 ミルクとココアは治療が随分楽になり、竜珠の凄さを理解する。


「アイスの父ちゃんに感謝だな~」

「父ちゃん……あはは」


 ミルクとココアの様子から竜珠の凄さを漠然と理解したリュウが、アインダークに後でお礼を言わないと、とアイスに話し掛けながら思うが、アイスは自分と違う父の呼び方が面白かった様だ。

 アイスが笑った事でリュウも笑顔になり、いよいよ脱出しようとしたその時、再び大きな揺れが施設を揺らした。


「やべえ、マジ急がないと……ロダ少佐とドクターとも合流しなきゃ」

「はい。ココア、回収は?」

「もう少しと言いたいですけど、キリが無いですね。当面は大丈夫かと」


 ほんわかした雰囲気から一転、慌ててロダ少佐達との合流を急ぐリュウ。

 同意するミルクは観測室の機械を分解、回収していたココアの返事を待って行動を開始する。

 そして竜珠を輝かせたまま崩れた瓦礫を何とか乗り越え、彼らの待つと言っていた場所に辿り着くリュウだったが、二人の姿は無い。


「む~、どこか安全な所まで退避してんのかな?」

「ヨルグヘイムはもう此処には居ないのですから、呼ばれてみては?」

「あ、そっか。少佐ー! ドクター! どこですかー?」


 リュウは通路を探索しながら幾度となく叫んでみたが二人の返事は無く、リュウは次第に不安になっていく。


「嘘だろ……どこかですれ違って、先に洞窟から出たとか無いよな? まさか、潰れたエレベーターシャフト上がったのか?」

「すれ違う事は無いはずです。シャフトの方も可能性はかなり低いかと……」

「可能性ゼロじゃないなら行くだけ行ってみよう。それで駄目なら俺達だけでも脱出するしか無いよな……」

「はい、では急ぎますね」


 そしてエレベーターシャフトまで来たリュウだが、そこは人が入る事など不可能な状態に破壊されていた。


「二人共どこ行ったんだよ?」

「分かりません。この辺は崩落個所も増えてませんし、生き埋めの可能性も無さそうです。ですが、これ以上探索するのは危険です。速やかに洞窟側に向かいましょう」


 アイスも居る状況で、リュウもこれ以上時間を掛けられないとミルクの提案に従うしかなく、引き返そうとした時だった。


 ――ゴゴゴゴゴゴ


 腹に響く様な地鳴りが聞こえ、続いてこれまで以上の揺れがリュウを襲った。


「うおっ!?」

「うわあ!!」


 立つ事も出来ない揺れに、ミルクが制御するリュウは胸に抱いた驚き叫ぶアイスを庇う様に、その場に片膝をついて丸くなる。

 壁に亀裂が無数に走り、天井が音を立てて崩れ出すが、リュウは動く事はおろか、そのままの姿勢を保つのも困難な状況に陥ってしまっていた。


「やべえ、マジやべえ! ミルク! 揺れが収まったら全力で逃げるぞ!」

「はい! ご主人様!」

「アイス! 絶対守るから、しっかり掴まってるんだぞ!」

「うん! 絶対離さないよ! リュウ、気を付――」

「うわっ!!」


 揺れが収まったら、そんなリュウの願いは崩れた天井に掻き消されてしまった。


「ご、ご主人様っ! ココア! 頭部と背中を!」

「はい! 姉さま!」

「ご主人様! 体を制御する余裕がありません! 我慢して下さい!」


 崩れた天井が蹲るリュウに直撃し、その圧力はまだ完全に治っていないリュウの傷を再び出血させた。

 ミルクは瓦礫が直撃した頭部と背中をココアに任せ、主人が激痛を感じる事になるのも構わずに体の制御を手放し、再び裂けてしまった腹部の修復に全力を上げた。

 それ程にリュウの体はダメージを負ってしまったのだ。

 ココアも即座に新たに負傷し出血した頭部と背中の治療に当たる。


「リュウ! リュウッ!? 大丈夫!?」

「ぐぅ……あ……」


 リュウが覆い被さっていた為、奇跡的に無傷だったアイスが必死に叫ぶ。

 リュウを襲った衝撃が、普通じゃないと分かったからだ。

 そしてリュウは頭部に直撃を受けたにも関わらず意識を保ってはいたが、ミルクが体の制御を手放した為に再び激痛の中に放り込まれ、アイスの呼び掛けに応じる事はできなかった。


「リュウ! 父さま、母さま、早く来て!」

「う……ぎぃ……」

「ご主人様!? 駄目です! 動かないで!」

「ご主人様! 危険です! 出血を止めるまで待ってください!」


 答えられないリュウに、アイスはリュウが相当深刻な状態なのだ、と思わず両親に助けを求めた。

 ミルクとココアは危険な状態にも関わらず動こうとする主人を諫めようと、必死に呼びかける。

 だがリュウは頭部の衝撃で正常な判断を下せないのか、それとも更なる事態の悪化から逃れようとしているのか、頬や首筋を真っ赤に染めながらブルブルと震える足で立ち上がり、よろよろと歩き始めたのだ。


「ご主人様! お願いです、止まって下さい! お願いですからっ!」

『姉さま、手が足りません! 説得はお任せします!』


 崩落の危険も理解してはいるが、今動く方が遥かに主人が危険だ、と主人を必死に止めようとするミルク。

 ココアは説得にリソースを割くのも惜しい状況なのかミルクに説得を任せ、治療に専念し始めた。


「リュウ! ミルクの言う事聞いて! リュウ!」

「だ……めだ……」


 アイスの言葉に、ようやくリュウが言葉を返した。

 そしてリュウの言う事が正しいと言わんばかりに、通路のあちこちが崩れ始める。


「リュウいっぱい血が出てるんだよ! リュウが死んだら嫌だよ!」

「ミル……クとコ……コア……が居る……から、だい……じょ……ぶ」

「ご……主人……様ぁ……ひっく……うっく……」

『姉さま!?』

「な……くな……がん……ば……れ……」


 アイスが涙声で叫ぶものの、リュウは応急措置された左手でアイスをぎゅっと抱きしめ、右手で壁に手を突きながらよろよろと進む。

 そんな主人に信頼を寄せられて、ミルクの新システムがシステムの枠組みを超えてミルクの根幹にどっかりと根を張り出し、ミルクは遂に堪えきれずに泣きだした。

 ココアはミルクが泣きだした事に困惑していた。

 自分にはそんなシステムは無く、コピー元であるミルクが自分とは違うシステムを有しているなどとは思えなかったからだ。


 そしてリュウは、自分が無茶をしている自覚もあって、泣かせてしまったミルクに疑問など抱かず、謝る代わりに励ました。

 ミルクが頑張ってくれないと自身が動けなくなるから。

 動けなくなったらアイスを助けられないから。


 崩れ塞がった通路を、今のリュウではよじ登る事が出来ない。

 その為、少しでも崩落の少ない方へとリュウは少しずつ移動していく。

 凄まじい崩落音がリュウの後方で起こるが、リュウは振り向きなどしない。

 いや、振り向く余裕など無いのだ。


 頭部に受けたダメージが、ぐわんぐわんと音を立ててリュウの視界を歪める。

 少しでも足を止めたらもう歩けない様な気がする。

 さっきまで聞こえていたアイスの声が聞こえない。

 そればかりか、脳内で会話できるはずのミルクとココアの声も聞こえない。


 リュウに聞こえるのは、ぐわんぐわんと鳴り続ける頭の音と、やたらと大きな凄い早さの鼓動だけだ。

 歪んで見える前方を睨みつけながら、リュウはその歩みを止めない。


「リュウ! リュウ! 聞こえないの!?」

「アイス様、ご主人様はもう意識が……」

「ひっく……ミルクの……せいで……ご主人……様が……ひっく……」


 アイス達から見るリュウは目の焦点が合っていないにも関わらず、左手でしっかりアイスを抱き留め、頑固な程に歩みを止めようとしない。

 その呼吸は痛みのせいか、アイスには「うー……うー……」としか聞こえない。

 朦朧とする意識の中で、リュウはただひたすらにアイスを守ろうとしていた。


 そんな中、ミルクは溢れだした感情に飲み込まれてしまっていた。

 主人に泣くなと言われたのに泣き止む事ができず、自分があの場でしゃがまなければ、あの時こうしていたら、と良くない思考の渦に囚われていたのだ。


「姉さま、しっかりして! どうして泣いているの!? 応急処置は済んだの!?」

「ッ!! す、済んでる……」

「だったら、他に細胞を回して! ご主人様を死なせたいの!?」

「そ、そんな訳ない!」


 だがそんなミルクをココアが叱咤し、ミルクの思考を強引に現実に引き戻す。

 ココアにしてみれば、泣きだすミルクが理解できずにバグでもあるのかと思った事だろう。

 それでもココアは自分だけでは到底手が足りず、ミルクの力を頼る他ない。

 そしてミルクもこんな事ではいけない、と再び治療に集中していく。


「リュウ、頑張って! ミルクもココアも頑張って!」

「は、はい! アイス様!」

「お任せ下さい! アイス様!」


 アイスもまた泣きそうだった。

 竜力が枯渇し、あまりに無力で、ただ守られるだけの自分に。

 だがミルクとココアのやり取りを聞いて、無力でちっぽけな自分でも何かできないか、と声を振り絞った。

 今のリュウには聞こえないかも知れないが、そうせずにはいられなかった。


挿絵(By みてみん)


 戦闘停止中の政府軍とレジスタンスの兵士達は、皆がエルナ山から離れ、その崩れゆく様を呆然と見つめていた。

 山頂が陥没し、亀裂が走るエルナ山の麓では、研究施設の救助に当たっていた政府守備隊も、今はその活動を一時中止して避難する以外に無かった。


「お、おい! あれ!」


 たまたま空を見上げた兵士の一人が声を上げた。

 そこには遥か上空から急速に降下してくる、真紅の竜の姿があった。


「あなた! アイス達を!」


 アインダークの漆黒の力が地上に及ばぬ様に上空で待機していたエルシャンドラは、アインダークの姿を見るとエルナ山の出て来た穴に向かった。

 その過分に緊張を含んだ声色が、エルナ山が深刻な状況だと告げている。

 アインダークは山頂付近まで一気に降りてくると、その身を輝かせ人化する。

 そしてエルシャンドラを伴い、崩落するエルナ山の内部に再びその身を投じた。


「エルシャ、こっちだ!」


 大空洞から観測室へと降り立ち、自身の展開する光の中にエルシャンドラを伴ったアインダークは、迷う事無く崩れた通路を進んで行く。

 コアを二つ有するアインダークの強大な力は、アイスの位置を捉えていたのだ。

 一方のエルシャンドラはヨルグヘイムとの戦闘で相当な量の力を減らし、アイスの位置が掴めずにいた。


 アインダークの纏う光は崩落した瓦礫や土砂を触れる傍から塵に変え、彼らを遅滞なくアイスの下へと向かわせる。


「もうこんなに崩落が……あなた……」

「うむ、急ぐぞエルシャ」


 エルシャンドラが内部の惨状に不安を募らせ、アインダークは竜力を枯渇させ動けないはずのアイスが観測室に居なかった事から、リュウがアイスを連れ出して逃げてくれているのだろうと思い、激しい揺れを物ともせず、その足を早める。










 崩落する通路に押し出される様に、アイスを抱えるリュウは空間にせり出した通路上でその歩みを止めていた。


「う……ぐ……ち……くしょ……」


 右手で手すりを強く握り締めるリュウは、揺れ続けるその空間が行き止まりなのに気付き、臍を噛む思いだった。


「ご主人様! 意識が戻ったのですか!?」

「ミ……ルク……」


 リュウの呟きに、ミルクが逸早く反応する。

 そして名前を呼ばれただけで、また泣きそうになってしまった。


「リュウ、少し休もう? リュウはいっぱい頑張ったよ! だから……」

「アイ……ス、ごめ……ん」


 アイスに労いの言葉を掛けられたリュウは、アイスがこの状況に最後を悟ったのだと思い、自分の不甲斐なさを謝ってその場に座り込む。


「ううん! リュウ、ありがとう。い、いつもアイスを助けてくれて……」


 アイスは出会ってからずっと助けてくれたリュウにたくさんお礼を言いたかったが、涙が溢れてきて言葉にならなかった。

 その間にも揺れ続ける通路はギシギシと嫌な音を立て、天井に大きく亀裂が走ってパラパラと破片が落ちてきている。


「ミル……ク、コ……コア、あ……りが……と……」

「そ、そん……な……」

「ご主人様……」


 最後を悟ったのか、リュウがこれまでずっと助け続けてくれたミルクとココアに、精一杯の感謝を込めて礼を言った。


「ッ!」


 遂に通路が傾き、アイスを抱えたまま滑り落ちるリュウは、手すりの支柱を咄嗟に右手で掴む。


「ぐうっ! うっ、く……」

「ご、ご主人……様……」


 右腕一本に全体重が掛かるのを、歯を食い縛って耐えるリュウ。

 ぼろぼろの左腕と違って損傷を受けていない右腕だが、十数キロもある人工細胞とアイスを抱えるリュウの体力は限界で、どこにそんな力が残っているのかとミルクが息を呑み、アイスとココアも目を見張る。

 下方に目を向けるリュウは、数メートル下に天井から落ちる破片を次々と飲み込む大きな池に気付いた。

 これなら落ちても大丈夫か、とリュウがぼんやりと思ったその時だった――


「アイスッ! リュウッ!」

「ッ! 父さまっ!」


 通路の入口から響いた父の力強い声にアイスが即座に反応するが、アインダークが姿を現すよりも早く通路の入口の天井を破壊して巨大な岩塊が現れ、そのまま入口を押し潰していく。


「むうっ!」


 通路を塞がせまいとアインダークがその身を割り込ませ、岩塊を押し留める。

 そしてその背後からリュウ達の姿を目にしたエルシャンドラは、あまりにも凄惨な光景に息を呑んだ。

 そこには大きく傾く通路の手すりを右手で掴み、真紅に輝く竜珠の光の中、左手でアイスを抱えてぶら下がる血塗れのリュウの姿があった。

 そしてその下に有るのは、三枚の石板を輝かせる転移装置。


「アイスっ! リュウっ!」


 狭い入口で巨大な岩塊を押し留めるアインダークの背後からではリュウ達を助けに行けないエルシャンドラは、残りの竜力を右手に集める。


「リュウっ! 受け取りなさいっ!」


 エルシャンドラは、あらん限りの声でリュウに呼び掛けながら右手を振るう。

 放たれた濃紺の輝き、それは帰還の竜珠だ。


「コ、ココアっ!」

「はいっ!」


 右手でぶら下がるリュウの体力は限界に達して、否、既に通り越していた。

 だがエルシャンドラに呼ばれたリュウはその一瞬、体の痛みも忘れて叫び、右手を放した。

 そしてココアは主人の右手を制御下に置くと、エルシャンドラから放たれた濃紺の輝きに右手を伸ばし、落下しながらも見事にネックレスのチェーンを掴む。


 一際大きな破片が転移装置の石板の一枚に落ち、輝く石板に亀裂が入る。

 竜力を使い果たしたエルシャンドラは肩で息をしながらも、右手を放して落下するリュウが見事に竜珠を掴んで転移装置に落ちていく瞬間を、スローモーションの様に捉えていた。

 これでリュウとアイスがどこかへ飛ばされたとしても、すぐに会える。

 そう安堵するエルシャンドラの瞳が、大きく見開かれる。

 石板が輝きを失っていくのだ。


 転移装置に消えていく、ネックレスを掴んだ真上に伸ばされたリュウの右手。

 その手が沈み込むと同時に石板が輝きを失い、「キイン」と音を立ててチェーンが切れ、転移装置の上に濃紺の輝きが転がった。


「い、嫌ぁぁぁ! アイスっ! アイスーーー!」

「いかん、エルシャ! 来るのだ!」

「あなた! 放してっ! アイスが! わああぁぁぁぁぁ……」


 目を疑う光景に絶叫し、よろよろと転移装置に向かおうとするエルシャンドラ。

 岩塊を押し留めながら片手でエルシャンドラの腕を取り、アインダークはこれ以上この場に留まるのはエルシャンドラが危険だ、と叫ぶエルシャンドラを連れて一気に竜力を解放し脱出する。


 そして支えを失った巨大な岩塊は、転移装置を押し潰してしまった。

 更に数分後には崩壊するエネルギーを支えきれず大空洞は完全に潰れ、研究施設もその大半が瓦礫の下に埋まってしまうのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ココアがミルクの二番煎じではなく、物語の重要な役割を振られているのが良いですね。
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