表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改造人間の異生物狩り  作者: 七刀 しろ
16/50

戦い中に先生が現れて森に行くことになったで

「あちゃー。真友、ただの模擬戦闘でセカンド出しちゃうかー。ユっちゃん、一撃が重くて抉れるけど当たらなければいい話だから。頑張って」


 この妹はそんな物騒な物を出しちゃった的な感じで頭を添え、俺を応援してくれた優真は刃が欠けた大鎌を一振りしておどけて見せた。


「すごーくゴツイのきた!」

「ヒェッ!」


 ドスンっと揺れていると錯覚する音を聞くだけで、高一の華奢な女の子どころか大人の男性がやっと引きずれるぐらいの重さに思える。腕に軽く当たったら抉れるどころか一本消え飛ぶだろう。

 そんな凶悪過ぎる武器を持つ彼女がとんでもないバーサーカーに見えて、しゃぐ月希や怯える周を尻目に頬から胸にかけて冷たい汗が落ちる。


「落ち着いて話せばわかるって、だからそんな物騒な物を置いてさ、話し会おうよ」

「そうだよ。真友、ただパンツを見られたぐらいいいじゃない。女の子同士なんだしさ」


 すみません。体が女の子でも中身は男です。後、鉄球をドスンドスンするの怖くて周が怯えるのでやめてもらえませんか?


「パンツぐらい?パンツを見られた私の気持ちが分からないおねぇは黙っててっ‼」


 奇声を上げた真友は鉄球を振り回して優真をなぎ倒そうとして優真に当たる寸前に鉄球を光包み止めさせた。


「姉妹喧嘩なんかウンザリだし、お遊びはここまでにして本気出すとしますか」


 俺はさっきまでは怒った真友にビビっていたが姉妹喧嘩なんてもう永遠に見たくはなかったし、そんなウンザリな思い出を頭の片隅に置き、両腕に力を込める。徐々に右腕は金色の金属に、左腕は白く透き通った光に変わり始める

 その光景を見て喧嘩していた二人が目が飛び出る程驚いていた。


「おー、急にユっちゃんが凄いの出し始めた」


 いつの間にか、大鎌から左右に刃がついている大斧に変えたのか。それを優真は嬉しそうに回している。


「おねぇ、なんだか様子がおかしいよ。もしかしてこれがユっちゃんのセカンドなんじゃ」


 怒っていた真友は俺の変わりようにビビりながら鉄球の鎖を強く握り直した。


 調子に乗って更に金と光できた小さな球体を作り出して漂わせる。無駄に漂わせている球体が光が金を照らしている光景が一つ一つの太陽と星のようでとてつもなくファンタジックに見えて自分でも見惚れてしまう。


「うわー。綺麗」

「おー、綺麗。ユっちゃん。これでイルミネーションでも見せてくれるのかな」


 周と月希の二人は目を絶景を見ているかのようにキラキラさせながら球体の動きを追っているが見ているだけで二人は球体に触れようとしない。これで何を仕掛けるのか分からないからだろう。


 いつの間にか後ろには雹が構えていた。

 ちなみに雹は刃が金と光の小刀を双剣ように握り、呑気な声を漏らした月希はアサルトライフルを抱き、周が月希の影に隠れてファイティングポーズを取っていた。


「おねぇ、これ何なの?すごく綺麗だけどあの変態が出しているの?」


 スカートを捲っただけで変態ときましたか。これはこれで結構傷つくな。こんなファンタジックな物見せているんだからスカート捲ったこと一応女の子同士なんだから忘れてくださいよ。もう。


「私だってそんなことわからないよ。ただでさえユっちゃんこと自体、極秘事項だったんだからさ、やっと一夜先生から能力で金を出せることしか聞き出せなかったんだからしょうがないでしょ。真友」

「だけど光なんて形が無くてイメージしにくい物を生成するなんて聞いたことがないよ」

「私だって聞いたことがないって、それに前例として今までだって炎とか風とかを出せる魔法タイプの人がいたんだからユッちゃんみたいのはいても不思議じゃないよ」

「でもユッちゃんは二種類だよ。金と光。こんなすごい人今まで聞いたことある?普通の魔法タイプは1つまでしか能力的にあり得ないのに」

「聞いたことがないけど先生達より上の偉い人達がそれほど騒いでないからユッちゃんみたい人が他にもいたかも知れないよ」


 それは違うと思う。先生達は俺達の身を守るために上へ連絡していないだけで、普段なら上司に連絡しているそうだが、何故か先生達は俺達のことを隠している。

 それはそうでいい。俺も人体実験の被験者にはなりたくないから。この体を含めていろいろ探られて喜ぶ変態じゃないが先生達は俺達のことを報告しなくて大丈夫なのか。自分達の立ち位置が危うくならないのだろうか?


 それに先生達は二人にある程度信頼しているから俺が金の魔法タイプだと漏らしたのだろうけどこの二人から流した情報が漏れることも考えているだろうか?

 とりあえず二人は信頼できそうだ。何か困ったことがあったら野須原姉妹に頼らせてもらう。


「だったらさぁ、何故小さい頃からハンターだった私たちが噂すら知らないのはなんでよ!」

「昔からやっていても、私達ってずっと下っ端じゃん?上が下っ端の私達に大切な情報をリークすると思ってる?私達みたいな下っ端に流れてくる情報は討伐目標のメテオがどういう特徴ぐらいだよ」

「もう!」


 真友が光の球体を叩き割ろうと武器を振り下ろすが俺の出した光はただの光だから実体がないから鉄球が擦り抜ける。

 この球体はゆままゆ姉妹の喧嘩を止める為に作り出した物で、特にこの球体で二人を攻撃をするつもりはない。寂しい部屋に浮かぶ鮮やかで丸いオブジェと思って欲しい。

 困惑している姉妹が球体でいろいろやっていると突如壁に扉が現れ、扉から一夜先生が出てきていきなり。


「模擬戦闘はここまでだ。流桜市内の山でメテオの反応が確認された。お前らにはそのメテオを討伐してもらう」

「げっ。化け物退治ですか」

「どうした?水泡、そんなに化け物退治が嬉しいのか?」


 そんなわけない。俺達は十分模擬戦闘してお疲れですから今回の話はは無かったらことにしてもらえませんか?

 いや、本当にくたくたに疲れていますから。

 ほら、野須原姉妹からも言ってくださいって。


「先生!私達はまだ終わってません。ハントなら暇している生徒に任せればいいじゃないですか!」


 野須原妹も山へ討伐に行きたかないようだ。姉もウンウンと頷いてる。


「ほう、お前達は出撃したくないんだな?野須原達にはハンターの先輩として同行してもらう予定だったが野須原達が行きたくないなら水泡達だけで行ってもらう」


 えー。しかも俺達だけで行くんですか。


「やったー。山にピクニックだってユッちゃん。こんなことならお弁当用意しとけば良かったね」

「月希さん、ピクニックじゃありませんよ。これから行くのは昨日はみたいなモンスターを倒しに行くんですよ」

「そうだね。アマネン、これから行くところはすごく楽しそうだよね」

「ダメですね。ゆきさーん、月希さんが話しを全然聞いてませんよ」

「ゆきくんは私が守るから安心して」


 俺達の内、2名は行く気でいるようだ。ただ一人だけベクトルがおかしい方向に向いているが。

 この二人だけ行かせたらまともに戦えないでやられてしまう。

 しかし、俺達は左石がわからない新米。とても俺達だけでは荷が重い。


「そう不安そうにするな。討伐と言っても所詮は雑魚が群れだけの対象だ。しかも今回は別働隊がいるらしい。討伐が出来ないならその別働隊に任せてお前らは安全なところで別働隊がメテオを討伐しているところを観察するだけでいいぞ」


 先生も俺達には荷が重いと思ったのか素晴らしい情報をくれた。それに討伐を別働隊に任せてもいいとまで言った。

 俺達はその別働隊とやらが化け物を倒すまでどこに隠れていようか。


「初討伐頑張ってきてね」


 お気楽に手を振る野須原姉に見送られ視界が歪んだ。


「なんだか遠足みたいだね」

「月希、はしゃぐ気持ちは分からくもないがそのうち転ぶぞ」

 晴天の下、月希が小学生の遠足気分ですごくはしゃいでいる。

「本当、ここはどこなんでしょうか?さっきまで私たち学園にいましたよね」


 周が俺の右腕を不安そうに強く抱き締めてそれなりにある胸を腕に押し付けている。

 普段の男子高生なら泣いて喜ぶシチュエーションなのだが今の俺はそんなに嬉しくないなんだって俺の胸は彼女の胸より大きいからだ。

 それに反対側は腕を無言で雹が胸壁を押し付けられている。こっちは俺より雹の方が高いのでアンバランスで歩きにくいことを考えているのか腕を緩めにホールドをしている。その上、嫌がらせかと思うぐらい耳に吐息を吹きかけて楽しんでいるのか知らないがウザったいから少しイライラする。


 俺達四人は今、訳も分からず森の中を歩いている。

 なんで俺達が森の中を歩いているのかって?そんなもんこっちが聞きたい。

 つい先ほどゆままゆ姉妹と模擬戦闘をやっているところに一夜先生が現れ、突然この森に一瞬で飛ばされたわけだ。細かい説明は少しだけ聞いていたが何も準備しないまま気づけばこの森にいた。


 少し驚いたところで雹が「とりあえず歩きましょう」と提案され、今に至って歩いている。

 目的地がないのに森の中を歩くとか完全に迷うだろと思うが「きっと後から指示や地図が送られてくるよ」と無邪気に月希が言う。


 何せ俺達の制服のポケットの中にはカードフォンが入っているから地図などが贈られてくるのなら一安心だ。これが科学の進歩。

 邪魔な雹が抱いている左腕で胸元のポケットにしまっていたカードフォンを取り出して確認の為、一応カードフォンを起動させてメールボックスを開いて見るとそこには一通のメールが一夜先生から送られていた。

 早速、俺はそのメールを開く。


『流桜町から西に離れた山にある農村がメテオの群に襲撃されたという報告を受けた。お前らにそのメテオの群を討伐してもらうために農村近くの森に送ったが、ただ農村を襲っているのは巣に餌を持ち帰るだけの小物だ』


 まるで働きアリみたいだなと感想を抱き読み続ける。


『雑魚の方は学園で選んだ別働隊が農民の救助と一緒に片付ける。それでお前らには巣にいると思われるボスと残りの雑魚を討伐してもらいたい』


 と書かれていた。

 俺は雑に要点だけを書かれたメールを閉じた。

 目的は分かったがメテオの巣の場所がどこにあるのか書いていない。それどころか地図すらない。


 そもそも、さっきの話と違う。別働隊の仕事は村人の救助と雑魚の片付けだけだ。何と羨ましくことだろう。ベテランのセンパイ方は簡単なお仕事で新米の俺らは化け物共の巣の排除ということか。


 巣に関しては自分らで探せということなのだろうか。

 もしそういうことならメテオの巣はどこにあるのだろう。アリみたいに地面に穴を掘って作るわけではないだろうし。鳥みたいに枝を集めて高い場所に作るのも違う気がする。


 俺的にはメテオは空間をいじれそうなことができそうな気がする。アリが地面に巣を作るみたいにメテオの巣も空間に穴を空けて作り出していると思う。


 これはあくまで俺の予想だが鉄球スライムも瞬間移動的なことが出来ていたからこういった巣の作り方もできそうな気がする。

 このまま歩いていれば何か見つかるかもしれない。

 そもそもなんで俺らがこんなことをしなきゃならないんだ。この力に目覚めて数日しか経っていないのに新人に化物を討伐なんて先生方の頭が腐っているに違いない。


「雪さん、メールを見ていたようですけど何か分かりましたか?」


 必死に俺の腕を抱きしめている周がメールを読み終えたことを確認したところで問いかける。


「ああ、この場所は流桜町から西行ったところに農村近くの森らしい」


 三人にメールの内容を全て説明した。


「まずは巣を探せばいいんだね。終わったら枕買いに行こうね!」

「そうね。早く済ませて雪君と買い物に行きたいわ」

「また、昨日の鉄の塊みたいな化物と戦うんですね。でも雪さんとの楽しいショッピングの為なら」


 三者三様それぞれの反応を示す。

 君たち今朝のこと忘れていなかったのですか。そんなに行きたいならいいですけど。


「てかこの状況まるでホラー映画みたいだな。森に迷い込んだ若者が次々にモンスターに食い殺される系のあの映画に似ている」


 この後、一人一人と消えていって後からモンスターに食い荒らされた死体で見つかってパニックに陥りるシーンが思い浮かぶ。


「そうだね。ユっちゃんがこの間勧めてきた映画のシーンによく似ているね」

「ん?言った通り面白かっただろ?特に一度、主人公を見捨てた恋人が主人公を庇ってモンスターに殺されるシーンは」

「あのシーンはちょっと感動して泣いきゃったけど、あの映画は全体的に酷過ぎるよ。モンスターの捕食シーンとかさ気持ち悪過ぎるからあまり見たくないな」

「雪さんと月希さんそんなこと言わないで下さいよ。私怖いの本当に苦手なんですから変な想像しちゃったじゃないですか」


 ガサガサ


「ッヒ!」


 風で揺れた枝に驚いて周が短い悲鳴を上げる。


「そして私たちは誰一人この森から生きて帰ることができなかった」


 雹がさらに周を怖がらせる。

 化物に襲われるだろうなとフラグめいたことを想像していたら本当に来ちゃったよ。ゾンビかな、悪霊かな、それともメテオで超進化した生物かな。これが一番可能性が高い。

 メテオが出る森なんだからメテオが出て当然なんだけど。

 俺の目には茂みから犬みたいな生き物が跳びかかる光景が映った。


 グルルル


「危ない!」


 犬の唸り声と雹の叫び声が耳に響いて咄嗟に金を生成させ、犬との間に光の壁をイメージして約1mぐらいの正方形を作った。

 犬を押し返す様に弾いた。


 その犬はただの犬ではなかった。

 最初はこんな森にいる犬は野犬ぐらいだろうと思っていたがこんな生き物がいるとは思わなかった。

 姿に目を疑った。


 体中が白黒模様でメタリック塗装した様に光沢があり、大きさと体の黒白模様がダルメシアンな特徴でとても普通の生きた犬とは思えない。ダルメシアンをモデルにした物体と説明した方が分かりやすいだろう。

 メテオで超進化した生物はそこまで異常な姿だった。


 そいつは素早く、襲い掛かってくる。


「雪さん!」

「雪くん!」

「ユっちゃん!」


 異常な光景に棒立ちしていた俺は戦闘体制に入った三人の少女の声が聞こえた。


 そうだ。戦はなくちゃいけない。


 そう思い意識を両腕に集中して腕が金と光に変わる。

 気がつくと月希がアサルトライフルを抱き、雹が刃が光になっている刀を構え、雪は両手に金と光を混ぜ合わせた様なガントレットでファイティングポーズとっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ