【リクエスト・ギャラリー】第43回 「むっくん」
キャラクター名:「むっくん」
作品名:『拝啓、腎臓殿』
作者様名:XI様
【あらすじ】
私はむっくんだ。黒猫だ。飼い主はさつきさんというまだ若い女性で、彼女が夫と住む古民家には、私のほかに猫が二匹いる。トラ猫のトラとぶち猫のハナだ。オスばかりである。私たち三匹は秋になると決まって近所の公園にくり出す。猫だって、もみじ狩りを楽しんだりするのだ。しかし、永遠に続くものなどなく、猫にだって命の終わりは訪れる。
◆◆◆
むっくんは意識高い系のとっても賢い黒猫さん。しかも、同居猫のトラとハナとを引き連れて、紅葉狩りまで楽しんじゃう風流さも併せ持つ、とってもスマートな猫さんです。物知りで、思慮深くて、それでいてとっても飼い主思い。そんなむっくんは優しい飼い主さんの元で、ささやかだけれど、穏やかで幸せな時間を過ごしていました。
ですけど、穏やかな毎日に少しずつ翳りが見え始めます。最初はやんちゃなトラ、そしておっとりしているハナが次々と「とあること」で元気を失っていくのです。そして、その「とあること」は「猫の腎臓」には「よくあること」ではありましたが、同居猫や飼い主にとっては「よくあること」では済ませられない重大なことでもありました。
人間だって、猫だって、同じように生きているし、同じようにいつかは死んでいく。
ひらりひらりと頼りなさげな様子は、まるで風まかせに舞い降りる紅葉のひとひらのよう。
そして、むっくんは舞い降りる紅葉を見つけた青空を見上げ、とあるお願いを天に託すのです。彼のお願いの中身は……是非に作品内にて見届けてみてください。そのあまりの高潔さに、ウルウルしちゃう事でしょう。
優しさと憂い、そして気高さが表現できるように、凛とした横顔の猫さんに挑戦してみました。ちょっぴり風流な感じも出そうと絵葉書風を目指したつもりなのです。
1)見上げたポーズな猫さんを描き描き。瞳を上に配置し、瞳孔を横向きにすることで、目線が上寄りであることを強調します。
2)紅葉を追加。
むっくんに直接紅葉を描き込んだのは、黒を際立たせるためと、洒落た感じを出そうとした結果です。
3)ここからはむっくんを塗っていきます。
黒猫さんという事で、綺麗な毛並みを表現しようと、今回は薄い色から塗っていきます。
まずは黄色。
次に繋ぎでアッシュブルー。
黒で毛並みを細かく塗っていきます。
アッシュブルーで馴染ませつつ、バランスを見ながら影部分は黒で塗りつぶします。
首上はこんな感じなのです。
4)むっくんまで塗り終わりました。
5)最後に青空を加えて完成なのです!
なお……毎度のことながら、空を塗るときはフリーハンドでざっくりとやってます。
なんとなーくグラデーションを作ったあとは、雲を気まぐれに描いているだけだったりします。
別に凝ったことをしなくても、グラデさえうまく塗れればそれっぽく見せられますよ。




