【リクエスト・ギャラリー】第11回 「メイカ」
常連様が今回も気前よく、キャラクター案(生贄とも言う)を貸してくださったのです!
しかも、シーズンもバッチリな冬の童話からのチョイスなのです。
悲しくも、清らかな世界観を演出できるよう、頑張ってみましたよ。
キャラクター名:「メイカ」
作品名:『灰色の空に祈るとき』
作者様名:七海 糸様
【あらすじ】
孤児であるメイカは死んだ仲間を埋葬するたびに鐘の音が鳴り響くのを不思議に感じつつ、淡々と日々を過ごしていた。
ある秋の朝、一人残されたメイカは自らの墓穴を掘り、厳しい冬を迎えようとするが……。
◆◆◆
こちらの物語の主役は「孤児の女の子」。生まれた時から親もなく、頼る当てもなく。他の孤児達と身を寄せ合って暮らしていたメイカ。町の大人達は孤児達の面倒を見る事もなければ、弔う事もありません。町には教会がいくつもあって、神様に祈りを捧げる手はあるのに、誰も子供達に手を伸べようともしないのです。メイカはそんな薄情な町の中で、ひっそりと生きていましたが……ある時に、不思議な現象に気付かされるのです。
それは、タイミングよくどこからともなく響く、「鐘の音」。仲間達とのお別れの時に響く「鐘の音」は、最初は「気のせい」だと思っていたメイカ。しかし「悲しい別れ」を積み重ねる度に、その清らかな「鐘の音」が、決して偶然ではない事に気付かされますが……。
結末は是非に、あなたの目でご確認いただきたいのです。ウルッとくると同時に、何かが浄化されること、間違いなしなのです。このおばちゃんですら、心洗われましたからね。お陰で、今日は禁酒できそうです(えっ?)。
それでは、そんなピュアな世界観を壊さないように、細心の注意を払いつつ。作品の作成工程を紹介していきますよ〜。
1)ラストシーンをイメージして、ちょっと難しめの構図に挑戦です。
メイカちゃんを「見下ろす」感じを意識していきます。
線画はこんな感じです。
ボロボロのワンピースに、手元にあどけなさをプラスしたつもりでありまする。
2)頭から塗っていきます。
影にはグレーをチョイス。
目は紺碧色に塗りつつ、髪の毛は柔らかな色味でまとめます。
なお、今回は「黒」と「赤茶色」は一切使わず、テーマカラーでもあるグレーを中心の配色にしました。
ポイントカラーとして暖色もある程度使いますが、冬の厳しさを演出するため、基本的に寒色でまとめていきます。
顔と髪の毛を塗り終わりました。
3)ワンピースを塗っていきます。
灰色のワンピースとのことですが、ただグレーに塗るのも面白くない(オイ)。
と、いうことで、必要以上に暗い感じにならないよう、パープルとブルーも足してみます。
また、手元に強めの赤を入れることで、痛ましさを強調します。
全体的に色白で血色も抑え気味ですが、皮膚の薄い部分や、傷の部分に赤みを差すことでちょっぴり生々しさも表現したつもりなのです。
4)ワンピースの全体をグレーで馴染ませ、最後に雪を足します。
完成なのです!
次回はキャラクターの「全身を描く」事に主眼を置きつつ……「パース」的なものに「見せかけて」、「誤魔化す」手段を紹介予定です。
作者の技量の範囲内なので、そんなに難しい内容にはならないと思いますです。




