【リクエスト・ギャラリー】第9回 「時坂二葉」
暑苦しい筋肉の後は、爽やかな淑女の微笑みで癒されたい。
今回は作者の勝手に付き合わせてしまうのが、恐れ多いくらいにたおやかなご婦人が来てくれました。
では、早速ご紹介と参りましょう!
キャラクター名:「時坂二葉」
作品名:『時計館奇譚』
作者様名:京泉様
【あらすじ】
時計に囲まれたその店の名は「時計館」。
その店は時に喫茶店、時にBARの姿で必要とする人の前に扉を開く。
これは不思議な時計館に誘われた人達が描くお話。
◆◆◆
ミステリでありながら、ヒューマンドラマでもある、不思議な雰囲気と余韻に浸れるこの作品。
忽然と「必要としている人」の前に姿を現す、その店の名は「時計館」。
忘れたいこと、ダメにしてしまったこと。
時に身を委ねて、「なかったことに」してしまいたい。
時計の針を戻すように、時間さえも戻すことができたなら。
そんな儚い望みを抱いた人が扉を潜れば、忙しなくも優しい時計達の「カッチコッチ」という鼓動が、彼らを確かに迎え入れてくれます。
「時計館」の主人・マスターの過去と「時計館」が「時計だらけになってしまった理由」の鍵を握るのが、今回ご紹介する「時坂二葉」さんでありまして。「始まりの時計」に登場する、大正時代に生きた女性であります。
では、今回はそんなロマン溢れる時代に想いを馳せつつ。
二葉さんの「理由」をイメージして、イラストを描いていきますよ〜。
1)今回は色塗りの行程が多いので、線画は出来上がりから紹介です。
2)顔に色味を差します。
3)大正時代の女性ということもあり、「綺麗な黒髪」を目指しました。
それで、非常に申し訳ないことではあるのですが、この機会についでに黒髪の塗り方を紹介するです。
まずはベースの黒を塗ります。
毛束感と輝きを損なわないように注意しますです。
黒髪の枕詞といえば「射干玉」。
一般的に「桧扇の実」を指す言葉でして、ブルーベリーっぽい色味をしています。
なので、繋ぎには紺色をチョイスします。
艶感を損なわないように気をつけながら、灰色で馴染ませます。
なお、髪の毛の塗り方は薄い方から塗った方がいいパターンもあります。
塗り易い順番と色の組み合わせを是非に、模索してみて下さいまし。
4)着物の柄を描いていきますよ。
「二葉」というお名前から、ベースは緑にしようと思っていましたが、柄にも作品のイメージを混ぜ込むことにしました。
今回柄として選んだのは、「トケイソウ」という花でして。開花した姿が時計に見えるから、このように呼ばれるようですね。なお、トケイソウは英名「パッションフラワー」、果実は「パッションフルーツ」でありんす。こちらの「パッション」の意味は「情熱」ではなく、「受難」の方ですのでお間違いなく。
と、前置きが長くなりましたが、ダイジェストで工程をご紹介します。
まずは大枠を緑で描き描き。
トケイソウらしさを出すため、花弁部分(中央)に紫を追加。
影を入れつつ……
ベースの萌葱色で馴染ませます。
着物を塗り終わったところ。
5)次はイメージ画像として描いてしまった、時計らしきものを塗っていきます。
木枠はアンティーク感を出すため、焦げ茶とワインレッドをベースにします。
二葉さんのイメージカラーである、緑を文字盤のポイントに。
文字盤の凸凹感を出すため、色塗りもボコボコさせてみます。
ここも萌葱色で馴染ませます。
文字盤の外枠はこんな感じ。
内側はこっくりとしたブラウン系で塗っていきます。
6)細かい装飾を塗り、線を入れ直します。
完成なのです!
うふふ。
今回も素敵な作品とキャラクターをご紹介できて、満たされちゃったのです。
さてさて、次のゲストは誰かな〜?
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
【1月17日追記 左手人差し指が小指にも見えそうだったので、ちょっと修正しました。画像差し替え済みです】




