霊水晶探し
私たちは屋敷の前に立つ。
キャトラは「怖くない怖くない」とぶつぶつ呟きながら来ていた。
私は扉を開ける。
その時だった。
先頭で歩いていた私とクロロにシャンデリアが落ちてきた。私は刀で……と思い体を動かそうとするがなぜか動かない。
ギルはこちらに近づこうとしているが来れないようでそのまま私たちにシャンデリアが落ちてきたのだった。
私の視界は暗転する。そして数十秒後、目を覚ました。
死んだ……のだろうか。だがしかしリスポーンエリアではない。
と、下を見ると私のアバターがあった。
「どういうことだ?」
私は首を捻る。
すると。
「ぎいやああああああ!?!? ミツネのゆーれいが出たああああああ!?」
「うわっぷ」
と、キャトラがギルに抱きついていた。
「あー、あー、もしかして幽霊なのか?」
私の体を見てみる。
ふわりと浮いており、足がなかった。
隣ではクロロも同じような感じになっており驚いている。
すると、私たちの前に執事らしき霊が現れた。
「我が屋敷にいらっしゃりありがとうございます。この屋敷では、片方が幽霊となり探索してもらいます。幽霊となったおふたりは壁のすり抜けなどが可能で、内側から鍵を開けれますが、物には触れられません。二人が協力し、霊水晶を手に入れてくださいませ。では」
そういって消える。
どうやら幽霊となったのは予定調和らしい。私はキャトラに近づきぶつかるように歩くとキャトラの体をすり抜けた。
「キャトラ」
「ミツネ……?」
「ばあ」
「ぎいやあああああああ!?!?」
怖がりすぎだろう。
キャトラはその場から一歩も動けてなかった。この屋敷は二人一組で探索しなくてはならないらしく、キャトラが動かない場合探索できない。
しょうがない。
「ギル、クロロ。先行ってくれ。私はキャトラをなんとかする」
「わ、わかった」
ギルがキャトラから離れるとキャトラはギルの腕を掴んだ。
そして、べったりと離れずそのまま歩き始める。
「…………」
「ギル、役得だな」
「やめろ。弱ってる女性にそう思うほど落ちぶれてねえよ」
「本当は?」
「ドキドキしてる」
素直でよろしい。
私は物で塞がってるところをすり抜け探してみる。中には白装束の幽霊だけで特には何もいなかった。
私は二人のそばに戻る。
「ちょ、無視すんなし!」
「ぎいやあああああ!?」
「うぷっ」
キャトラはギルに抱きつく。ギルの顔がめちゃくちゃ赤くなってる。
「お前ら!二人で探してくれ! 早く終わらせないと俺の理性が吹っ飛ぶ!」
「しょうがない。探してきてやろう」
「わかった」
私とクロロは、あらゆる部屋をすり抜け探してみる。
すると、地下に繋がるであろう階段があり、私は降りてみると、そこには美しい紫色の水晶があった。
これが霊水晶だろう。私は階段を登り、二人がいるフロントに戻る。
「見つけたぞ」
「よし、案内してくれ」
私は二人を案内したのだった。
ギルが霊水晶に触れる。すると、その時私たちの体は霊水晶に吸い込まれていくのだった。
「クリアおめでとうございます」
その声が聞こえて。




