ミロク中心の騒ぎ
ギルとクロロは満面の笑みでグリードさん宅を後にした。
私たちはハヤテの背に乗り、そのまま街へと向かう。街に入る少し前にハヤテから降りて私たちは街へと入ることにした。
街へ入ると少し騒がしい。何やら人だかりができているようだった。
「なんや?」
「見てみよう」
私たちは人だかりを抜け前に行く。
すると、なにやら戦いが起きているようだった。狩人らしき女性と剣士の女性が対峙している。その横には困った顔のミロクがいた。
ミロクは嫌そうな顔をして騒ぎを見ており、ナックルたちの姿も見える。
「ミロク様は渡さないんだから! 捧げるポイントをよこしなさい!」
「ふんっ! 誰があんたなんかに!」
ミロクが喧嘩の原因らしい。
私は刀を引き抜いた。
「キャトラ」
「わかった」
私は片方の女に近づき、刀で斬りつける。片方の女には矢が刺さり、倒れたのだった。もう一人のほうも私は切り捨てる。キャトラのほうも終わったようだった。
私は刀をしまう。
「ほら、次はどいつだ? やるんだろう? かかってこい」
「なるべく逃げたほうがええで? こいつバカ強いから」
そういうと、自信がないというようにほとんどが逃げ帰っていく。残ったのはごく少数だった。
私は刀を引き抜こうとするとミロクが近づいてくる。
「なんだ、ミロクが相手か? 手加減はしないぞ」
「やらん。ありがとな。騒ぎをおさめてくれて。俺特に何もしてねえんだが勝手に始めやがってよ。逃げようとしたら人だかりができてな。逃げるに逃げれなかった」
「そうか。ま、モテる男はつらいってことだな」
「笑い事じゃねえよ俺にとっては」
ミロクは呆れたように声を出す。
「すごかったっす。刀さばき。さすがミツネさんっすね」
「これほどまでとはな。今度俺と勝負しようぜ? 剣道とボクシングの異種格闘技戦として」
「やめときなよ……。防具は硬いから……」
リュウがそういうとナックルは残念そうにしている。
たしかにな。顔は面で隠されてるし殴ったとしても鉄を殴ってるのと同じだからな。やめておいたほうがいいだろう。
それに、剣道は相手が防具つけてないと割と危ない。私は防具つけないでも相手するときもあるがそれは一太刀も受けないという自信があるからだ。それに、防具をつけないでやるときのほうが私は強くなる。
「よし、じゃ、今戦ってみるか? お前らポイントは持ってるだろう? 戦って奪ってやろうか」
「俺らはパス。勝てない勝負はしない」
「俺らもパスするぜ。俺は別にいいがこいつがな」
「俺そんなに弱いっすか?」
「今のと比べてみると段違いだろうが。ミツネは素人目で見てもすごいうまいぜ」
「今の引き合いに出されると嫌なんすけど」
どうやら戦ってくれないらしい。
「なんだ、戦ってくれないのか。残念だ」
私は刀をしまう。
すると、突然影が私たちを包み込んだ。上空を見てみると、ハヤテが上を飛んでいる。ビルにギリギリ当たりそうな感じだ。
ナックルたちは身構える。
「キエエエエ!」
「ハヤテ、待ちくたびれたのか?」
「ハヤテ?」
ハヤテは地面に降り立った。
私に顔を近づけてくる。私はなでてやるとハヤテの目が細められ、気持ちよさそうにしていた。
「ミツネ? なんだそれは」
「テイムした。アイアンイーグル。名前はハヤテという。いい名前だろう? 鋼と語呂が似てるからそういう名前にした」
「まぁ鋼とハヤテって母音が同じだからな……。いや、俺が求めてる説明はそうであってそうじゃないんだが……。そんな強そうな魔物、どうやってテイムを?」
「そりゃ……戦って勝って認められてだろう?」
そういうと、四人は唖然としていた。
「もう強さも運もバケモンやでミツネ……」
キャトラは呆れながらミロクたちにそういっていた。




