妖精の鎮魂歌 ②
私たちは階段を下りていく。
目を閉じながら私は進んでいくと、弱い反応とその周りに一体の強い反応があることを確認できたのだった。
きっとこの強い反応は敵なのだろう。
「すごい……」
私たちは階段を降り切った。すると、目の前には何かの液体の中に閉じ込められている妖精の姿が見える。
何かの装置なのか力を未だに絞られており、生きてるのかどうかもわからない。案内してくれた妖精は囚われている妖精の装置の前に行く。
「みんなっ!」
妖精は呼びかけるが返事がない。
「胸糞悪い真似しやがるなうちの先祖は……。これじゃ妖精王の怒りを買うじゃねえかよ。どこかに魔道具を操作する魔石かなんかがあるはずだ! 手あたり次第探せ! 見つけられなかったらお前らは減給処分だからな!」
「「「「はっ!!」」」」
騎士たちは散らばり、捜索を始めようとした時だった。
奥に行った兵士が突然こちらめがけて飛んでくる。
「なっ、なんだっ!?」
「来たな」
リビルドは兵士が飛んできた方向を見る。
私たちもそちらに目を向けると、大男がそこには立っていた。頭にはネジが刺さっており、瞳孔がなく真っ白な瞳でこちらを見ている。
その大男は見覚えがあるよう感じだった。というのも、物語に出てくる……。
「フランケンシュタイン……」
「侵入者。おで、オマエラころす」
フランケンシュタインはそのでかい拳をリビルドめがけて振り下ろそうとしたので、私はその腕を刀で斬りつける。
フランケンシュタインは思わず手を引っ込めていた。
「イデエ」
「ここからは私たちが相手してやろう。巻き込まれないよう注意しておけ」
「わ、わかった!」
キャトラもすでに戦闘態勢を整えていた。
私はフランケンシュタインのほうを見る。フランケンシュタインは私をぎろりとにらみつける。
「オマエ、おでの邪魔をする悪いヤツ! おで、お前をまずコロス!」
「そう簡単に殺されるようなタマではないぞ。フランケンシュタインよ」
「フンガアアアアア!」
フランケンシュタインは地面を砕き、瓦礫を私めがけて投げつけてくる。
私はそれを躱すと、また瓦礫を投げつけてきた。私はすぐに距離を詰め、そのまま刀で斬りつける。
フランケンシュタインはそのまま私めがけて拳を振り下ろそうとすると腕に矢が突き刺さった。
「まだ邪魔するヤツいる!」
「隙ありだ」
私はまた刀を振る。
「ナイスアシストだキャトラ」
「話してる暇ないでえ! そりゃ!」
キャトラは矢を放った。
フランケンシュタインの腕に突き刺さるもひるむことなく私めがけて拳を振り下ろす。私は刀で受け止めた。
だがしかし、はじくことは無理そうだ。力が強すぎる。
「キングヒグマと同じくらい力あるな……。このまま正面で打ち合うのは無謀かもしれんな」
私は刀身を傾け横にずらす。
私はいったんその場を離れた。攻撃を受け止めるのも厳しい相手というのは本当に難しい。フランケンシュタインはパワーで押し斬ろうとするやつだからな。力負けするのは当然。
一発で決めたほうがいいが、一発じゃまず無理か。となると、ヒットアンドアウェイというのがいいのかもしれんな。
「リビルド様! 魔石がありましたぁ!」
と、騎士が大きな声で叫んだ。
その瞬間、フランケンシュタインは私たちではなく、魔石を見つけた騎士のほうに向く。
「ちっ!」
突然攻撃するヤツを変えやがった。
魔石を手にしている騎士めがけて拳を放っている。私は、そのまま騎士をかばうように刀で拳を受け止めた。
「大事なモノカエセエエエエエ!」
「ひっ」
フランケンシュタインは何度も殴りつけてくる。騎士は驚いて腰を抜かしてるようだった。
剣でいなしてはいるが守りながらというのは苦手なんだ。いつ崩されるかわからん。すぐに逃げて欲しいが逃げられないようだ。
「……ちっ」
私は舌打ちをして、後ろで腰を抜かしてる騎士をつかむ。そして、私はジャイアントフルスイングのように振り回し、リビルドのほうめがけて飛ばした。
その瞬間、私にフランケンシュタインの拳がぶち当たったのだった。
「ミツネぇ!」




