一線を超えるタブーを侵したか?
同性愛のような表現あります。苦手な方はバック!
私は一糸まとわぬ姿で寝ていた。隣に寝ているミケも一糸まとわぬ姿だった。
「……はぁ」
私は昨日の出来事を思い返してみる。
昨日、ミケの部屋に遅く帰ってきて寝ようと思ったらミケが突然やってきて私を脱がせたのだ。そして、そのままベッドに押し込まれる形で一緒に眠ったという。
隣に眠るミケもうぅん…と声を出し起き上がる。
「あれ……おはよーさん……」
「ああ、おはよう」
「……さむっ、えっ、なんでうち裸なん!? 幽音もなんで裸なん!?」
「知らん。服を着よう……ってそういや私の服は……」
昨日、私だって服を脱がされるのを抵抗した。
だがしかし、破かれたのだ。残ったのは下着類だけであり着てきた服は木っ端みじんに破かれていた。もうこいつには酒飲ませないと思ったな……。
「あ、頭痛い……。うち昨日パーティに出て、なにしとったんやっけ……」
「間違えてウーロンハイを飲んでからの酔って家に帰り、私が帰ってくると私をひん剥き一緒のベッドで寝させたな」
「うちがひん剥いたの!? すまん!」
「気にするな」
私は昨日のパーティに出た和服をまた着ることになった。
和服のほうを破られなくて本当によかったよ。ただ、これは本当に催しなどに呼ばれた際だけに着るようなものだからそこまで着たくはないんだが。
この着物、本当に高いしな。
「くしゅんっ」
「服を着たほうがいいぞ。昨日は楽しかったな」
「……ふぇっ!? うちらもしかして一線超えちゃった感じなん!?」
「さぁ?」
「はぐらかすなやーーーー!」
私はトイレに立てこもった。
このくらいの意地悪は許してくれるだろう。
私はミケの家で朝食を食べていた。
「いや、うち女同士でもええ、そういうのに忌避感あらへんしそういう世界もあるやろ。うん、だからうちが仮に超えてたとしても……」
「何ぶつくさ言っている。ん、この味噌汁美味いな」
「な、なんか新婚みたいな感じやね……?」
「ぶっ」
私は思わず吹き出してしまった。
新婚ってなんだ。私が夫役なのか。確かにこの光景は私が男なら本当に新婚っぽい感じはするが。何言ってるんだこいつは。
「もー、汚いなぁ」
「ミケがそんなこと言うからだろう……」
「いや……その、一線、超えたんやろ? 責任はちゃんと取ってもらわな……」
「いや、まず女性同士でっていうのは……」
「海外じゃよくあることや」
「日本ではないぞ」
頬を赤らめるな頬を。
関西人特有のノリなのか?
「ま、じょーだんはさておき……その、本当に超えたん?」
「そこはまだ疑ってるのか」
「だ、だって……二人が裸っていうことは、そうやん?」
「たしかにな」
私は味噌汁を飲み干した。
しょうがない、ネタばらししてやろう。こうもじもじされると調子が狂う。
「安心しろ。そんな事実はない。お前は私をひん剥いてベッドに押し込んだ後自分で脱いで、写真撮った後寝た」
私はありのままの事実を伝える。
ミケは目を丸くした後、椅子に腰深く座った。そして、大きなため息をつく。
「一線超えてたわけじゃなかったんや……。よかったぁ」
「女同士はまず無理だろうよ」
「無理ではないと思うんやが……。ほんと心臓に悪い冗談やめてーな……」
朝から疲れ切った顔をしているミケ。
ここまで心配させたというのは意地悪成功といったところか。
「とりあえず私は朝ごはん食べたら電車で帰ることにする。泊めてくれて感謝する」
「ええよええよ。また泊まりにきてな。その、今度は酒飲まんから」
「ああ、もうお前には飲ませたくない」
昨日で懲りた。
「ん? そういやさっき聞き逃してたんやが写真撮ってた?」
「ああ。写真撮って何か操作していたが」
ミケは携帯を開く。写真のところには裸の写真があった。
「うわぁ……って、なんか弥勒から連絡来たわ。なんて写真を送るんだって言ってるけどなんかおくったん? 見てみよ」
そういってミケは携帯でメールを開いた瞬間。
「……うきゃああああああああああああ!!!!」
鋭い悲鳴を上げた。
限りなくアウトに近いセーフだと思いたい。
運営から注意されたら消します。




