ダンジョン攻略! ②
ダンジョンも思ったより簡単だったが、奥が深いようだ。
地下五階まで来ているのだがボスに到達する様子は全くと言っていいほどなく、私たちはセーフティエリアで一休みしている。
「一体何階降りるんやろなぁ」
「知らん」
ナックルは干し肉というアイテムを食べている。
干し肉は現実で言うとジャーキーのようなもので本当に固い。水でふやかして食べているがそのままだと固くて食べれたものじゃない。
「そういやお前らも明日ミロクの誕生日パーティに来るのか?」
ナックルは私たちに聞いてくる。
が、私は誕生日パーティというのを知らない。
「ああ、うちはいくで。招待状も来たしなぁ」
「……誕生日パーティあるのか?」
私はそう尋ねると二人は目を丸くしていた。
「……招待状来とらんの?」
「あ、ああ。今日のポストには何も入ってなかったが……。それらしきものが届いたような感じもないしな」
「……ちょいミロクに聞いてみるわ」
キャトラがミロクにフレンドメッセージを送っているようだ。
「あのミロク様に限って送らねえってことねえだろ」
「いや、何も来てないぞ。来たのは免許更新のはがきくらいと、ほかの剣道仲間の中元くらいか」
「……嘘だろ?」
そういうようなものが来たためしはないな。
私だけ呼ばれないということか。そこまで信頼がなかったというのも少し悲しいが……。
「あ、なるほど。わかったわ」
「わかったって?」
「時系列的に言うとミツネを最後に誘ったらしいんよ。で、ミツネが入ると了承する前に関係者に送ったらしくてな。それでミツネがないんや」
「なるほど? だがナックルはもらっているだろう」
「俺は……前々から勧誘は受けていた。誕生日パーティをやるから来ないかという誘いも受けてたからな」
「……私はお前らがパーティで楽しんでる間一人でゲームやってればいいのか?」
「いや、そんなわけにもいかへんやろ! ミロクは名前を言うだけで参加できるように言っておくってゆうとるから……。まずは明日うちの家に来るんや。一緒に行こう」
ということらしい。
なるほど。最後に誘われたからなかったのか。というか、ミロクは明日が誕生日なんだな。初めて知った。誕生日プレゼントとやらを持っていったほうがいいのだろうか。
「……ミロクのやつ絶対今の今まで忘れてたんやろな。うちも忘れとったわ」
「まぁ、ミロク様は忙しい身だししょうがないだろう」
「まぁ、せやろうけど。さ、休憩は終わりにしようや。もうだいじょぶやろ!」
キャトラはそういって私たちをセーフティエリアから連れ出した。
私は立ち上がった……とき、なんだか視線を感じたのだった。私はその視線のほうを見てみるが人はいない。
「どうしたんや?…
「いや、なんか視線を感じてな」
「……視線?」
気のせいなのだろうか。
「見てきてやろうか?」
「いや、気のせいかもしれん。先へ急ぐとしよう」
ナックルは見てくるかといったがそれを拒否し私たちは先へ進むことにした。
先へ進み、階段を見つけて降りるとボスの部屋だったらしくボスはゴブリンキングといういかついゴブリンだった。
ただ弱かったのですぐ終わったが。




