おもちゃのまち
私たちは平原に立っていた。
ライドンバードを呼び出し、走る。そして、第二エリアの境界線を抜けたのだった。第二エリアをひたすら走っていると大きな町が見えてくる。
私たちは街の入り口でライドンバードから降りた。
「うわ、すっごい」
「そうだな」
私たちは街の家を見てそうこぼす。
というのも、家の色が本当にすごかった。壁の色が緑で赤い屋根とかほんとにカラフルな壁で、目に映る色の移り変わりが激しい。
街の外から見る景色は割と普通だったのだが……。
「ここが娯楽街……」
「なんかおもちゃって感じがするな」
おもちゃみたいな装飾もちらほら見かける。
あそこには木馬があり子供たちが乗って遊んでいる。あの家と家の間の壁にはブランコがあり子供が乗ってゆらゆら揺れている。
おもちゃのまちというコンセプトなのだろうか。
「あ、お兄様方旅人さんですね? この街の名物憎々しい肉肉バーガーはいかがですか!」
「なにそれめちゃ気になる」
「買うか?」
「せやね。憎々しい肉肉バーガーっちゅうもんが気になるわ……」
ということで私たちは声をかけてきた女の子に案内されて建物の中に入る。
どうやらジャンクフードを専門的に売っている店らしくハンバーガーのほかにフライドチキン、ナゲットなどチープでジャンクなものばかりだ。
私以外はその憎々しい肉肉バーガーを頼み、私は骨付き肉というのを頼んでみる。
数分後、料理が運ばれてくると私たちは言葉を失った。
「ほんっとに肉の量がやばいやん……。カロリーすごそうや」
「ミツネのもすごいな。漫画の中の肉じゃねえか」
「これ脂とかすごそう。アスリートの僕としては現実じゃまず食べたくないね」
「いただきます」
私は骨付き肉の骨を持ち肉にかぶりつく。
うん、柔らかい。外の皮はカリッとした食感なのに対し身はほぐれて普通に噛み切れるくらいに柔らかい。中も半生という感じで肉の味とスパイスの味がマッチしている。
これは予想以上に手が進むな。
「わっ、すっげえジューシー」
「普通にうまいやん……。脂もそんなくどくあらへんし」
「肉の味がすごいね。めっちゃ優しい味」
これはうまい。
店内にはほかにもプレイヤーがおり、その人たちも本当に驚きながらもがっついて食べている。
「こりゃうまいな。だが野菜も欲しいが……」
「ならこの野菜ジュースはどうだ? うまそうだぞ」
「頼んでみよう」
「うちものむー」
「僕も飲んでみよ」
私たちは店員に野菜ジュースを頼むと数分後に持ってきた。
野菜ジュースの色は濃い赤色をしている。野菜ジュースというよりかはトマトジュースに近いような色をしている。
私は一口飲んでみる。
「うおっ、すごい強烈ある味。肉の味と負けてないくらい味が強い。美味いな」
「これおいしいわ! 野菜ジュースそんな好きじゃあらへんかったけどこれなら毎日イケるで」
「うん、美味しい」
「この街に来たときはなんだここと思っていたが……この味が食えるなら気にならなくなるな。それにしても、どういう街なんだろうなここは。普通の街ではないが……」
「そうだね。調べてみようか。といってもシラトリが先に来て調べたって言ったし聞いてみようよ」
「そうだな。シラトリの奴そういう行動早いからな。宿屋で合流だよな?」
「そうだ。この先まっすぐ歩くと”玩具の遊戯亭”という宿があるからそこにいるとかいっている」
宿屋もおもちゃなのだろうか。




