見習い卒業とギルドに入りたい男
キャトラは弓を構える。
目の前にはゴブリンの集団がおり、こちらに気づいている様子はない。キャトラは狙いを定め、矢を引く。
そして、キャトラは矢を放った。
矢は一直線に一匹のゴブリンめがけて飛んでいった。ゴブリンの頭に当たり、そのままゴブリンは倒れる。
「一発とは! お主なかなかやるのぅ! 合格じゃ!」
「そか。ま、ほかのゴブリンに気づかれたし殲滅はしとこうや」
「わかった」
私は茂みから身を出しゴブリンめがけて走る。
ゴブリンは棍棒を持ちこちらに走ってくる。私は刀で次々となぎ倒していく。レベルは30を超えているということもあり一発で死ぬようだ。
私は刀で斬り、キャトラは矢でゴブリンを倒す。
数分後にはゴブリンたちの死体の中で私一人が突っ立っていた。私は刀をしまいドロップしたものを拾う。
ドロップしたものはゴブリンのこん棒だったり心臓だったりなどそこまでレアリティが高くないものばかり。
「ま、こんなものだろう」
「ミツネー、お疲れさんや」
キャトラはこちらに駆け寄ってくる。
「オン爺、これでええやろ? うちを狩人として認めてくれるやんな?」
「ああ! 文句なしの合格じゃ! お前は今日から見習いじゃなく狩人じゃ!」
「やったぁ! 見習い卒業や!」
「これからも励むようにのぉ。狩人としての実績をつめば上位職に転職できるからのぅ。その時が来たらまたわしのところに来るがよい。わしは獲物を少し狩ってから帰るかのぅ。おぬしらも気をつけて帰るんじゃぞ。ま、おぬしらほどの実力を殺せる奴なんてこの王都の近くにはおらんじゃろうがな」
そういってオン爺は森の中に消えていく。
私たちはとりあえず王都に戻ることになった。
王都の門をくぐるとリュウと出くわした。
リュウはでかい荷物を抱えており後ろにはおばあさんがついてきている。
「なにしてるんだ?」
「クエストだよ。おばあちゃんの荷物を運んであげろっていうね。こういう、細かなクエストも受けて行こうって思ってさ」
「そーゆークエストもあるねんなぁ。あ、せや。リュウ、まだミロクは拠点におるか?」
「多分いると思うよ」
リュウはそういうので私たちは拠点に戻るとする。
キャトラが見習い卒業したということを報告に行くためだ。私たちは拠点に続く道を歩いていると拠点の前で坊主頭の男性が頭を下げており、ミロクがイライラしているような顔をする。不機嫌さが顔に現れていた。
「どしたん?」
「俺をギルドに入れてくださいっす!」
私は理解した。
男はギルドに入りたいのだ。
「断ると何度も言っているだろう。俺はむやみやたらに入れるつもりはない」
「そこをなんとか!」
「しつこいぞ」
男は何度も頭を下げてはミロクに断られている。
「どしたん?」
「ああ、キャトラとミツネか。この男がしつこいだけだ」
「俺、これでも強いんす! ギルドの人たちに勝ったら入れてもらってもいいでしょうか!」
そういうとミロクはにやりと笑う。
「わかった。許可しよう。ミツネ、相手をしてくれ」
「承知した」
私は刀を引き抜いた。




