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りょうおねえたん、あいがと~!

日中がかなり暑くなってきていますが…

反面、夜は結構涼しい今日この頃。


割と窓を開けているだけで、涼しく感じてしまうくらいです。

なので、自宅にいる時はそこまで暑さを感じない、今日この頃です。

「それでは部長、今日は本当にありがとうございました」


食事も終え、一通り寛いだ後…

時間もそろそろということで、修介と香澄の一家がおいとますることとなった。


玄関まで出てきたところで、修介が改めて上司である翔羽にお礼の言葉を述べる。


本当に、自分にとっても香澄にとっても素敵で…

心が洗われるかのような、ゆったりとした団欒の時間をもらえて…

非常にご満悦の様子と表情になっている修介。


「ははは、いやなに。喜んでもらえたなら、なによりだ」


そんな修介を見て、翔羽の方もわざわざここに招待した甲斐があったと、頬を緩める。


早くに最愛の妻を失い、母親を知らない不憫な子供達の為に日々頑張っている二人の父親。

そんな境遇が、お互いの結びつき、そして信頼関係を強固なものとしていく。


「涼羽君…今日は美味しい料理を食べさせてくれて…さらには香澄のことを目一杯可愛がってくれて…本当にありがとうございました」


最愛の娘である香澄の面倒をずっと見てくれて…

さらには、目一杯の愛情で可愛がってくれた涼羽。


さらには、その手料理を振舞ってくれて…

後片付けも全てしてくれて…


もう、至れり尽くせりな甲斐甲斐しさで、自分と娘を目一杯もてなしてくれた涼羽。


その涼羽に、本当に心の底から、といった感じでお礼を言う修介。


「い、いえ…そんな…」


そんな修介のお礼の言葉が照れくさいのか…

真っ直ぐに自分に向けてくる視線が、じっと見つめられているようで恥ずかしいこともあり…


その頬をほんのりと朱色に染めて、少し俯いて恥ずかしがってしまう涼羽。


そんな涼羽の仕草も本当に可愛らしく…

真正面から涼羽を見つめている修介も…

そのそばで、そんな息子を脇から覗き込むかのように見ている翔羽も…

兄、涼羽の右腕を抱きしめるように、べったりと涼羽に抱きついている羽月も…

さらには、父親である修介の腕の中に抱かれながら、大好きな涼羽を見つめている香澄も…


涼羽を見ている全員が、思わずといった感じで頬を緩めている。


「羽月ちゃん…今日は香澄といっぱい遊んでくれて、本当にありがとうございました」


そして、兄、涼羽を巡っての部分でひともんちゃくがあったものの…

最終的には香澄のことを目一杯可愛がってくれた羽月。


一度は振り払うように突き飛ばされて…

床にその幼い身体を叩きつけられて、痛くて悲しい思いをしてしまった香澄も…

最終的には目一杯歩み寄って、可愛がってくれる羽月に笑顔で懐いてしまい…

まるで本当の姉妹のように、二人できゃっきゃとしながら楽しそうに遊んでいたのだ。


さらには、本当に息ぴったりな感じで、二人して涼羽にうんと甘えてくる始末。


もう本当に、見ているだけでずっと頬が緩んでしまうほどの可愛らしいやりとりを見せ続けてくれていた。


そんな羽月にも、心の底からといった感じでお礼を言う修介。


「えへへ♪…香澄ちゃん可愛いし…すごくいい子だから、わたしも遊んでて楽しかったです」


そんな修介に、満面の笑みを浮かべて言葉を返す羽月。


羽月自身も、香澄との触れ合いは本当に楽しいものであり…

まるで、自分に本当に妹ができたみたいで、なんだか嬉しかったのだ。


しかも、自分と一緒に兄、涼羽に甘えてべったりと抱きつく香澄が…

途中からは本当に可愛く思えて…

ついつい、可愛がってしまっていたのだ。


一度はあんなひどいことをしてしまったこともあり、大きな罪悪感が心に満ちていたものの…

当の香澄が、それを癒してくれるかのように自分にべったりと懐いてきてくれて…

さらには、こんな自分を『大好き』といってくれたことが、本当に嬉しくて…


羽月にとっても、香澄は本当に可愛い妹のような存在に、なってしまっている。


「しょうのおじたん、あいがと~!」


そして、修介の腕の中にいる香澄も、舌足らずな可愛らしい声で、翔羽にお礼を言う。


天真爛漫で無邪気な、本当に可愛らしい笑顔を惜しげもなく見せながら。


「ははは。香澄ちゃんが喜んでくれて、よかったよ」


そんな香澄が可愛くて、翔羽も頬を緩めてしまう。


自分の子供である涼羽、そして羽月と非常に仲良く触れ合っていた香澄。

その仲睦まじい様子が、翔羽から見ても本当に幸せと思えるほどだったのだ。


あまりに可愛らしいやりとりの三人に、何度その心をメロメロにされてしまったことか、と。


翔羽にとっても、香澄はすっかり可愛い娘のような存在となってしまっていた。


「りょうおねえたん、あいがと~!」


そして、次は大好きで大好きでたまらないお姉ちゃんである涼羽に、お礼の言葉を贈る香澄。


その天使のような笑顔を、惜しげもなく披露しながら。


「ふふ。どういたしまして」


涼羽にとっては、もう香澄は可愛い妹のような存在となってしまっている。


慈愛と母性に満ち溢れた、女神のような笑顔が、涼羽の顔から絶えることはなく…

その笑顔を香澄に向けて、優しくその頭を撫でる涼羽。


「えへへ~♪」


そんな涼羽の優しい撫で撫でが嬉しくて、香澄の笑顔がさらに綻んでいく。


「りょうおねえたん、らあ~いしゅき!」


幼い子供らしい、本当に素直で純真無垢な香澄の大好き発言。

そんな香澄が可愛くて、涼羽の笑顔もさらに綻んでいく。


「はじゅきおねえたん、あいがと~!」


そして、兄である涼羽にべったりとくっついたままの羽月にも、お礼の言葉を贈る香澄。

天真爛漫なにこにこ笑顔で、そんなことを言ってくれる香澄が可愛くて、羽月の顔にもにこにこ笑顔が浮かんでくる。


「香澄ちゃん、また遊ぼうね」

「うん!はじゅきおねえたんも、らあ~いしゅき!」

「えへへ♪」


一度は香澄のことを拒絶し、思いっきり突き飛ばしてしまった羽月。

しかし、そんな羽月に対して、こんなにも好意を表してくれている香澄。


そんな香澄が可愛くてたまらず、兄である涼羽と同じように、香澄の頭を優しく撫で撫でする羽月。


もうすっかり、少し歳の離れた仲良し姉妹のような雰囲気をかもし出しており…

羽月と香澄のそんなやりとりに、男親コンビである翔羽と修介は思わず顔が緩んでしまい…

二人の母親代わりであり、兄である涼羽の顔も、優しい笑顔が絶えることがなかった。


「では…名残惜しいですけど、時間なので…」

「ああ、そうだな」

「部長…そして、涼羽君に羽月ちゃん、本当にありがとうございました」

「いえ…そんな…」

「えへへ…」

「それでは、これで失礼します」

「ああ、お休み」

「お休みなさい」

「お休みなさ~い」


夜も更けて、さすがに帰宅を迫られる時間となっている修介。

言葉の通り、本当に名残惜しいという雰囲気を見せながら…

高宮家の面々にそれぞれ、改めてお礼の言葉を贈る。


「ばいば~い!!」


そんな父、修介の腕の中から、元気に小さな手を振って…

可愛らしさ満点の笑顔で、さよならの言葉を音にする香澄。


「はは、お休み。香澄ちゃん」

「お休みなさい。香澄ちゃん」

「お休み~。香澄ちゃ~ん」


そんな香澄に、同じように手を振って応える高宮家の面々。


父、翔羽は香澄の可愛らしさに思わず頬が緩んでしまい…

兄、涼羽は香澄が可愛くて慈愛に満ちた笑顔が浮かんでおり…

妹、羽月はまた香澄と会えるのを楽しみに、可愛らしい笑顔を浮かべている。


静かに、ゆっくりと…

父と娘二人、和気藹々としながら帰路を歩いていく修介と香澄。


そんな二人を、その姿が見えなくなるまで…

翔羽も、涼羽も、羽月も三人揃って、見送っていた。




――――




「お兄ちゃん!」

「え?……!わっ!」


佐々木親子を見送って、家の中へと戻ってきた三人。


そして、リビングまで戻ってきたところで…

羽月がいつもの甘えん坊モードに入ってしまい…

大好きで大好きでたまらない兄、涼羽の胸の中にべったりと抱きついてきたのだ。


いきなりな羽月の行動に驚きながらも、しっかりと妹の身体を受け止め…

もはやいつもの習慣となっているためか、優しく抱きしめてしまう涼羽。


「は、羽月…どうしたのいきなり」

「え~…だってお兄ちゃんにぎゅうってして、なでなでしてほしかったんだもん」


香澄との触れあいで、少しは甘えん坊から脱却できたのかと思えば…

結局は、全然そんなことはなかった羽月。


もう今は、香澄が涼羽にひたすら甘えていたのと同じように…

目一杯、兄、涼羽の胸に抱かれて、思う存分甘えようとしている。


「もう…香澄ちゃんと遊んでた時は、あんなにお姉ちゃんしてたのに」

「それはそれ~、これはこれ~、なの!お兄ちゃん♪」


実際の年齢よりもかなり幼く見える羽月。

その羽月に、こんな風に可愛らしく甘えられると…

やはり、どうしても邪険にはできず…

うんと甘えさせたくなってしまう涼羽。


もうすでに、その手が妹、羽月の頭を優しく撫で始めており…

慈愛と母性に満ち溢れた、優しい笑顔を浮かべて…

とろけるような優しさで、妹を包み込んでいる。


「…もう…羽月ったら、本当に可愛いんだから…」

「えへへ♪お兄ちゃんが可愛いって言ってくれた~♪」

「いつまでもこんなに甘えん坊じゃ、だめなんだよ?」

「や。お兄ちゃんに甘えられなくなるなんて、絶対にや~」


兄、涼羽が甘えん坊な妹、羽月にたしなめるような言葉を紡ぐも…

当の羽月はまるでそんなこともお構いなしに、兄、涼羽に甘えてくる。


そして、まさにお兄ちゃんは自分だけの、と言わんばかりに…

涼羽の華奢な身体にべったりと抱きついて…

その胸に顔を埋めて、ぐりぐりと頬ずりまでして…


そんな妹、羽月に少々あきれたような感じになりつつも…

それでも、決して妹を邪険にするということはなく…


むしろ、甘えてくれるのが嬉しいのか…

その優しげな手つきの撫で撫でが、止まることなく続いている。


「涼羽!羽月!」

「!わっ!…お、お父さん…」

「えへへ♪お父さんも来た~♪」


そんな風に、可愛らしさ満点のやりとりをしている息子と娘のところに…

自分も混ぜてくれ、と言わんばかりに飛び込んできて…


べったりと兄、涼羽に抱きついている羽月もろとも…

涼羽のことをその腕の中にすっぽりと包み込み…

もう絶対に離さん、と言わんばかりにぎゅうっと抱きしめる父、翔羽。


この辺のやりとりも、もう普段からお馴染みとなってはいるのだが…

涼羽の方はこういうやりとりが苦手なのか…

未だに慣れない、初心な反応を見せてしまう。


一方の羽月の方は、大好きで大好きでたまらない兄に包まれるだけでなく…

自分にいつも優しくしてくれる大好きな父、翔羽にまで包まれることが嬉しくて…

天真爛漫な可愛らしい笑顔を絶やすことなく、喜んでいる。


「あ~…本当にお前達は可愛いな~」


涼羽の背中側から自分の腕の中に収めるように二人を抱きしめている翔羽。


いつも通り、涼羽のさらりとした、瑞々しい髪を堪能するかのように顔を埋め…

その頭を、小さい子供にするかのように優しく撫で始める。


「お…お父さん…俺、そんな小さな子供じゃないんだから…」


そして、涼羽の方もいつも通りと言った感じで…

どうしてもこんな風に可愛がられることに抵抗感を隠せず…

少しツンツンとした反応になってしまう。


「俺にとっては、お前は可愛くてたまらない大事な息子なんだ。だから、いいだろ?」


そんなツンツンとした息子も可愛すぎてたまらない、といった様子の翔羽。

一緒に過ごした期間よりも、離れて過ごしていた期間の方がずっと長かったこともあり…

どうしても、幼い子供に接する感じになってしまう父、翔羽。


最愛の妻、水月との愛の結晶であり、その水月の忘れ形見である涼羽。

だからこそ、もう今年で十八歳の男子高校生になるのにも関わらず…

これまでずっと会えなかったことで、その愛情は天井知らずに膨れ上がっており…

その暴発するかのような愛情を、目一杯息子に注いでしまうのだ。


「…もう…お父さんったら…」


そんな父の愛情を感じてしまっているからこそ…

表面上はツンツンとした態度になってしまうが、結局のところは無下にすることもできない涼羽。


涼羽自身も、決してこんな風に父、翔羽に包み込まれることが嫌、というわけではないのもあり…

最終的には、翔羽のやりたいようにさせてしまうのだ。


「あ~…羽月も、可愛くてたまらんな~…」


そして、そんな父の愛情の矛先は当然、息子である涼羽だけではなく…

娘である羽月の方にもいってしまう。


可愛らしさ満点の娘、羽月の身体を涼羽の身体ごとぎゅうっと抱きしめ…

その頭を、涼羽の頭と一緒に、優しく撫で撫でする。


羽月の場合は、普段から子供っぽい感じが強いこともあり…

余計に小さな子供にするかのようにしてしまう。


「えへへ~♪お父さんが撫で撫でしてくれてる~♪」


もともとが甘えん坊で、こんな風に可愛がられることが大好きな羽月。


この世で一番大好きな、まさに最愛の存在である兄、涼羽に抱きしめられ…

さらには、その頭を撫で撫でしてもらえるだけでなく…


自分のことを目一杯の愛情で可愛がってくれる、大好きな父、翔羽にも抱きしめられ…

涼羽と一緒に頭を撫で撫でしてもらえているのだ。


その幼さの色濃い、童顔な美少女顔には心底幸せそうな笑顔が浮かんでおり…

にこにこと、本当に嬉しそうにされるがままとなっている。


「あ~…こんなにも可愛い息子と娘がいてくれて…俺は世界一の幸せ者だ~…」


もう、本当に可愛すぎる息子と娘に、とろけてしまうかのようにデレデレの父、翔羽。


どんなに仕事で疲れて帰ってきても…

この最愛の子供達の可愛い笑顔を見るだけで…

この最愛の子供達とこんな風に触れ合えるだけで…


すぐに、そんな疲れも吹っ飛んでしまう。


自宅に帰ってきたら、すぐにお出迎えをしてくれる涼羽と羽月。


二人共、出迎えてくれる時の嬉しそうな顔の、なんと可愛らしいこと。

会社で子煩悩と噂されるほどの子供激ラブなお父さんが、そんな子供達の笑顔に耐えられるはずもなく…

もう、すぐに二人まとめてぎゅうっと抱きしめてしまうほどなのだ。


少しツンツンとした感じで、恥ずかしがってしまう涼羽の、なんと可愛らしいこと。

心底嬉しそうな笑顔で、喜んでくれる羽月の、なんと可愛らしいこと。


こんなにも可愛い子供達がいてくれるだけで、本当に幸せ者だと、本気で思えてしまう翔羽。


だからこそ、その愛情表現も真っ直ぐで分かりやすいものとなってしまう。


「えへへ♪お兄ちゃんも、お父さんも、だあ~い好き♪」


羽月にとっては、大好きで大好きでたまらない兄、涼羽。

そして、父、翔羽。


甘えん坊で、こんな風に甘えさせてくれるのが本当に大好きな羽月にとって…

いつも、自分の欲しいものをくれる父と兄。


特に、歳の近い兄でありながら、母親代わりまでしてくれる涼羽のことは本当に大好きで…

年頃の兄妹としては、危なすぎるのではないかと、思えてしまうほどに…


兄、涼羽のことはこの世で一番愛してる、と真っ直ぐに言えるほどに最愛なのだ。


そして、その次、といっては語弊が生じるが…

男嫌いの傾向がある羽月が、兄、涼羽以外で本当に大好きと思える父、翔羽。


いつもいつもこんな風に優しく可愛がってもらえるから…


父、翔羽のことも本当に大好きな羽月なのであった。


「おお、お父さんだって、涼羽のことも、羽月のことも大好きで大好きでたまらないんだぞ~?」

「わたしも~!お兄ちゃんも、お父さんも、大好き!」

「そうかそうか~。羽月にそんな風に言ってもらえて、お父さんは幸せだ~」

「わたしも~。お父さんが大好きって言ってくれて、嬉しい~」


涼羽を挟んで、本当に仲睦まじい様子の父と娘。


そんな父、翔羽と妹、羽月に挟まれながらべったりと抱きつかれている涼羽。

その涼羽に、そんな二人の愛情が向けられてくる。


「えへへ♪お兄ちゃん、世界で一番だあ~い好き♪」

「ああ~、涼羽…お父さんも、涼羽が大好きで大好きでたまらないんだぞ~」


そういって、羽月はよりべったりと抱きついて、兄の胸に顔を埋めて頬ずりしながら甘え…

翔羽も、その愛おしさを表すかのようによりぎゅうっと、息子の身体を抱きしめ、よりべったりとくっついてくる。


「ふ…二人共…恥ずかしいよ…」


こんな感じで愛情表現が真っ直ぐな二人に対し…

どうしても、こんな真っ直ぐな愛情を向けられることに、恥じらいと抵抗を感じてしまう涼羽。


その可愛らしい、童顔な美少女顔を真っ赤に染めて…

そんな顔を見られたくない、と言わんばかりに俯いてしまう。


「お兄ちゃん…ほんとに可愛い~!」

「ああ~…涼羽、お前は本当に可愛いな~!」


そんな感じでひたすらに恥らう様子の涼羽が本当に可愛くて…

父、翔羽はデレデレとしたしまりのない笑顔で、より息子である涼羽のことをぎゅうっと抱きしめる。

妹、羽月は可愛すぎる兄のことを離したくなくて、もっと涼羽にぎゅうっと抱きついてしまう。


そんな父と妹の真っ直ぐな愛情表現が恥ずかしくて…

だけど、無下にはできなくて…


結局、どうしたらいいか分からなくなってしまい…


後はひたすら、そんな可愛すぎる息子にメロメロな父と…

そんな可愛すぎる兄にメロメロな妹に…

思う存分、愛されて可愛がられてしまう、いつもの涼羽なのであった。




――――




「んっ…は、はづき…」

「ん~…ちゅうっ…」


そして、夜も更けて就寝の頃合となり…

家族それぞれで風呂に入って、一日の汚れと疲れを落としてから…

それぞれの部屋に入って眠りについた。


そのはずだったのだが…


こと、兄の涼羽に対しては筋金入りの甘えん坊である妹、羽月が…

この日、まだしていなかった日課に取り組もうと…

現在、兄である涼羽の部屋に入り込み…

涼羽の布団に潜り込んで、涼羽を押し倒すようなポジションになると…

寝巻き用のジャージの前を開いて、インナーのシャツをめくり上げ…

露になった素肌の胸に顔を埋め、一心不乱にいつも吸い付いているそこを、口に含んだのだ。


生まれたての赤ん坊が行うこの行為。

この世に生まれてすぐに、それをしてもらえる機会を永遠に失ってしまった羽月。


それを、兄である涼羽に求めることとなってしまい…

日に一回は必ず、これをしないと収まらなくなってしまっているのだ。


「ひゃあっ…」


男である自分が、まさか母親となった女性のように…

それも、歳の近い妹である羽月にこんなことをされる…

その事実が、本当に恥ずかしくて…

しかも、吸い付かれると、非常に敏感なそこから、身体全体をびくりと震わせてしまうその感覚が…

余計に、涼羽の羞恥心を煽ることとなってしまう。


でも、初めて妹にこの行為を求められて…

最終的にはそのお願いに、首を縦に振ってしまったのは他でもない自分なのだから。


そう、自身に言い聞かせ…

母親との触れあいを全くできなかったこの不憫な妹に、擬似的にでもそんな触れあいをさせてあげたい…

そんな想いから、どうしても羽月のこの行為を拒めずにいる涼羽。


こんな風に、自分のことを求めてべったりと甘えてくる妹、羽月が本当に可愛く思えて…

背筋をなぞられるかのようなその感覚と、仲から爆発しそうなその羞恥に耐えながらも…

妹の小さな身体を優しく抱きしめ…

その頭を優しく撫で撫でして…

目一杯の母性と愛情で包み込んで、可愛がってしまうのだ。


「(えへへ♪お兄ちゃん、すっごく可愛くて、すっごくお母さんみたいで…だあい好き♪)」


兄の絹のようになめらかですべすべな肌に触れながら…

兄の以前よりも明らかに大きく、非常に敏感になっているそこに吸い付く羽月。


女の子としては、うらやましくなってしまうほどにスリムで…

無駄のない、なぜかくびれたウエストや…

華奢で、本当に男のような骨ばった固い感じのない、まろやかな兄のボディライン。


家族だが、異性である自分には決して肌を見せようとしてくれない、貞淑で慎ましやかな性格の兄。

そんな兄の肌を、思う存分に見ることができるのも、この行為の時だけ。


兄の肌に直に触れることが本当に心地よくて…

そんな心地よさの中、兄の胸に吸い付くのが本当に嬉しくて…

さらには、ものすごく恥ずかしがっているものの、それでもその恥ずかしさに耐え…

妹である自分を目一杯に包み込んでくれる兄が本当に可愛くて…


初めにお願いして、受け入れてもらってからずっとこの行為を欠かしたことはなく…

日々、兄の全てを堪能するかのように、この赤ん坊のような行為を繰り返し続けているのだ。


もうすでに、この行為を始めてから結構な期間が経ってはいるのだが…

それをされる側である、肝心の兄、涼羽の方に、この行為に慣れる気配が全く見られることがなく…

常に、初々しさに満ち溢れた、恥じらいに頬を染める可愛らしい兄を見られることも…

妹、羽月にとっては嬉しくて楽しくてたまらない。


「んんっ!……やっ!……」


必死に声を押し殺そうとしても、どうしても漏れ出てしまう、涼羽の甘い声。


そんな声を出してしまっていることも、余計に涼羽の羞恥心を刺激してしまう。

妹に赤ちゃんのように胸に吸い付かれて、そんな反応を見せてしまっていることが…

恥ずかしすぎて、いつまで経っても慣れない涼羽。


それでも、結局は妹のこの行為を拒むことなどできるはずもなく…

その溢れかえる羞恥に必死に耐えながら、妹のやりたいようにさせてしまっている兄、涼羽なのであった。

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