676. 奮い立たせる声
拳を構えて猛進するリウチに対し、詠唱を終えていたエドヴィンが炎弾を見舞う。
その一撃を、リウチは風の術で薙ぎ払った。
防御術ではない。その場で弾ける、攻撃術の応用。
弾ける火を抱いた風が、にわかに両者の間を吹き抜ける。
「オワッ」
放ったことで制御を離れた火、それが生んだ熱気に怯んだエドヴィンへ対し、リウチは火の粉を浴びながらもまるで臆さず踏み込んだ。
火風に気を取られたエドヴィンの頬に、右の拳を見舞う。傾いだところへ左、さらに入れ替わりで右。
『おぉっ! リウチ選手、風の術でエドヴィン選手の炎を散らし、その余韻も消えぬうちに自ら突っ込んだ! 多少の火傷も厭わないつもりか、まるでお構いなしの強引さ!』
超接近戦の間合い。
互い、触れれば届く距離。
「オルァ!」
殴り返してきたエドヴィンの拳も、幾度となくリウチの頬を捉える。しかし歯を食いしばって耐え凌ぎ、反撃の拳を叩き込む。
リウチはレヴィンではない。この至近距離で、敵の攻撃を華麗に捌き切ることなどできはしない。
『あ、荒々しいまでの殴り合いだぁー! ま、まるで拳闘の試合です! 学院生同士の模擬戦であることを忘れてしまいそうです……!』
エフィの叫びに呼応するがごとく観客席も熱気を増すが、いくらか困惑の声も聞こえていた。
「な、なんだかリウチらしくないな……あんなに熱くなって」
「そうよね……いつもと別人みたい……」
そうだ。級友たちにもそう思われるぐらいに偽っていた。
とうに落ちこぼれていながら、けれど認めたくなくて、強がって。余裕そうに斜に構えて、取り繕って。
(……く、息が……――)
腕が重い。膝が揺れる。
まともに鍛錬を積まなくなってどれほど経つか。こんな消耗戦を仕掛けるには、明らかに体力が不足しているとリウチは自覚する。情けないことに、もう身体が音を上げようとしていた。
「ヘッ、終わりか!? オラァ!」
屈み気味になった体勢が災いした。打ち下ろす形となったエドヴィンの右拳が、リウチの左頬に突き刺さる。
たまらず膝を折ったリウチは、耐え切れず石畳の上で横倒しとなった。
「リウチ、打倒――ッ!」
ドーワ判定員の野太い叫びが耳朶を叩く。次いで、歓声が爆発した。朦朧とする意識に届くそれは耳鳴りのようだ。
『押し切ったのはエドヴィン選手――! リウチ選手、立てるか!?』
エフィの通信もどことなく遠くから聞こえる気がした。
「一、二!」
転がり、石造りの天井を呆と眺める。
「……が、はっ」
馬鹿臭い。俺は何をやっているんだ。こんな痛い思いをして。
残りの学院生活を適当に過ごし、その後の人生も自堕落に生きる。それでいいじゃないか。そのつもりだったじゃないか。
「三!」
熱くなって、頑張って何になる。どうせ俺は何者にもなれやしない……。
息巻いておきながら、こんな奴にやられる始末。
エドヴィンは勝ちを確信したのか、こちらへ背を向けて佇んでいる。先へ進む、とでもいうような。ここで止まる負け犬になど、これ以上構っていられないとでもいうような、堂々たる背中を見せつけて。
(……、)
ああ、もう好きにしてくれ。俺の負けで、い――
「リウチ――っ!」
そこで聞こえたのは、耳になじんで久しい声。
かすかに目だけを動かすと、
「リウチ! 私は知ってる! あんた、この程度で終わる奴じゃないでしょ! 底力見せなさいよ! レヴィン様に食いついていたあの頃みたいに!」
横手の観覧席で両手を振り上げて叫ぶ、システィアナの姿があった。その小さな肩では、白フクロウのオレオールが主を真似てか翼を広げている。
(……ったく、いつも好き勝手言ってくれる……)
買い被りだ。結局、俺なんてこの程度だ。
しかし、何という矛盾だろう。
格好悪い姿を晒したくなくて、自分を偽ってきた。
なのに――、そんなみっともない己を最も見せたくない相手こそが、システィアナこそが、本当のリウチ・ミルダ・ガンドショールを知っている。
どうしようもない負け犬野郎だと知ったうえで、今もまだ見放さずにいてくれる。
そんな彼女にせめて何か報いたい。
そう思ってここに立ったのだ。なら、
(…………まだ、寝るには……早い……か)
肘をついて、身を起こす。膝を奮い立たせる。
「六!」
全身が軋む。
「七、八!」
懐かしい苦しさだ。レヴィンと死に物狂いで訓練をしていた頃は、いつもこんなだった。何度も地を這い、しかし諦めずに立ち上がった。
ああ、そうだ。
あいつとの日々に比べれば、この程度……!
「九!」
限界の秒読みに、観客席が沸く。
両の足を地につけたリウチは、痛む口の中を押して言い放った。
「立ったぜ。まだやれる」
エドヴィンが振り返った。
「……ケッ。いいツラになったじゃねーかよ、お前」
心底嬉しそうに、凶暴な笑顔で。
「……は、顔は最初から一級品のつもりだがね」
「そーじゃねーよ。『厄介な奴』のツラをしてやがる。嫌いじゃねーぜ」
「矛盾してないかい、それ」
試合場の際からジッと見定めるような視線を向けてきたドーワが、短く一声。
「再開!」
直後、炸裂。
エドヴィンが放った炎の波と、リウチが放った風の渦。双方がぶつかり合い、双方の術者を弾き飛ばす。
「オワッ……」
「くっ……」
示し合わせたように、どちらもが尻をついて座り込む形となった。
「り、両方倒れたぞ!」
ワッと完成が巻き起こる中、二人を見比べたドーワ判定員が鋭く一声。
「滑倒!」
打倒ではないとの裁定。であれば、すぐに立たなければならない。いたずらに座り込んで遅延を狙えば警告を食らう。すでに一度注意されている以上、また宣告されればその時点で敗北だ。
(ったく、こっちは起き上がるだけでもしんどいっての……!)
全くの同時に立ち上がり、全くの同時に拳を構える。
そして全くの同時に、またも相手へ向かって突っ込んでいく。
『し、しかし先ほどから、ほぼ無手による殴り合い! 術をほとんど使わない展開が続きますが……!』
エフィの困惑には、同じ解説席に横並びで座るナスタディオ学院長が苦笑を滲ませた。
『使えないのよ。二人とも詠唱保持はできないし、近接戦闘をこなしながら裏で詠唱を進めるような技量もない。となれば、打倒なりで試合が一時中断された間ぐらいしか術を用意する時間は作れない』
『あっ、言われてみれば確かに……強めの術は、どちらかが打倒して再開された直後にしか使われていませんね……』
改めてつらつらと解説されれば情けない話だ、とリウチは自嘲する。
かつてレヴィンとともに歩むなどと息巻いていた自分は、足を止めたその頃から何も成長していない。する訳もない。無駄に年月だけが経過し、この身はただの凡庸となり果てた。
「シィッ……!」
踏み込んで繰り出す右拳が、虚しく空を切る。のけ反り気味に躱したエドヴィンが左腕でこちらの右腕を払いのけ、反撃の右を被せてくる。『カラテ』と呼ばれる異国の技巧らしい。
「ぐっ……、」
掲げた左手でどうにか防ぐも、体力が限界に近づいている。踏ん張って殴り返そうとしても、思うように手足が動かない。意思による命令を、肉体が拒絶している。
それはそうだ。長らく鍛錬も怠っていた身。こんな時だけ働けと鞭打ったとて、言うことなど聞くはずもない。自分で自分を裏切って生きてきたのだから。
(何から何まで……甘かった、ってことかねぇ……)
――赤みを帯びた目を爛々と輝かせ、この上なく楽しげに口角を吊り上げるエドヴィン・ガウル。
見るからに、裏通りの片隅でたむろしている悪童みたいな輩だと思った。
散々に夜の街を遊び歩いた身、そうした手合いとは幾度となく衝突している。そのたびに、拳や術で黙らせてきた。
幼少時とはいえ何年も嗜んだ拳打法、『喜面僧正』からも絶賛された神詠術の才覚。街のケンカ程度で負けるはずもなかった。
この相手だって同じ。そう思った。
だが。
『あーっ、ここでリウチ選手、エドヴィン選手の拳打を思いっきり被弾! 大きくぐらついたぁ!』
耳に届く男子の歓声と女子の悲鳴。思えば後者など、自らが作り上げてきた虚栄の結果そのものだ。常に余裕を演じ、大人の深みを含んでいると偽っていた自分。そんな見せかけだけの男に幻想を抱いた女子生徒たちの悲痛な声。
さぞかし、今の己の姿は彼女らに困惑と失望を与えているだろう……。
「リウチ、打倒ッ!」
『あーっとリウチ選手、堪え切れず跪いたぁ! 見るからに苦しい! これは苦しい! 立てるか!? それとも終わりか!?』
決着を予感してか、観覧席からの喝采も一層大きくなる。
「……、」
とっとと諦めてしまいたい。だが――どうにか息を整える中、雑多な賑わいに交ざって聞こえてくるのだ。その声が。
「リウチ――っ! あんた、こんなもんじゃないでしょ……! っでも、無理そうならもういい! そんなボロボロになってまで、頑張らなくていいから……!」
全く、どっちだよ。
思わず苦笑してしまい、吹き出した呼気が傷に障る。
もう、そちらを窺う余裕すらない。しかし見ずとも、彼女のことだ。必死になって腕を振り回して声を張り上げているのだろう。オレオールと一緒になって。
自分の試合までに疲れてしまうぞ、大人しくしておけ。
しかし不思議と、その声が……システィアナの叫びが、死に体となったこの身を奮い立たせる。
「四!」
密やかに用意した術は暴かれ、隠し種にして本命の拳打法でも倒し切れない。
とうに化けの皮は剥がれた。
このエドヴィン・ガウルが宣告した通りに剥がされた。
だというのに、
「六!」
立ち上がる。
「七!」
身構える。
「八!」
ここで気付く。先ほどの打倒時とは違い、エドヴィンはこちらに背を向けてはいなかった。
堂々と、見下ろしながら佇んでいた。待ちかねているように。こちらが立ってくることを確信していたかのように。
「…………ヘッ……、待たせたね。続けようじゃないか」
姑息な仕込みも露見して、必死で殴り合ってズタボロになって。
とうに格好なんてつかないのに、まだ格好をつけようとしている。
無様なところを見せたくない女が、すぐそこにいるから――。
『立ったぁ! リウチ選手、臨戦態勢! もはや、その男前が台なしなほど顔も腫れ上がっている! だが、男気ぃ! その目はまだ死んでいない! 鋭い光を放っているぞ! まだやれるか!? ドーワ判定員が鋭く顔色を窺う!』
「再開ッ!」
その言葉に半ば被せるがごとく。
灼熱と烈風が刹那にせめぎ合い、両者の間で爆ぜ消える。
火の粉を浴びたリウチが目を細め、荒ぶる大気に巻かれたエドヴィンが体勢を崩す。
『や、やはり再開直後に大きな一撃! そしてやはり、術のぶつかり合いではリウチ選手がやや勝っているように見えます!』
(そうさ……)
神詠術では上回っている。そして、
「シィッ……!」
即座に踏み込んで、ぐらついているエドヴィンに追撃。右の一打を叩き込む。
幼い頃に叩き込まれた拳打法による近接戦闘は、その辺の腕自慢など歯牙にもかけない。
標準以上の才による風術と、身に染みついた体術。総じて、並の学院生に後れなど取りもすまい要素が揃っている。
――はずだった。
「ドラァッ!」
確かな手応えの直後、エドヴィンの右拳がリウチの頬を押し抉る。
(……、こ、いつ……)
玉砕覚悟。
こちらが繰り出す拳打に対し、まるで臆さず。直撃を浴びながらも、お構いなしに打ち返してくる。
技術も何もない。遊撃兵の『カラテ』を多少真似ていようが、そんなものは所詮真似事にすぎない。
だというのに。
「オ……ルァッ!」
ほとんど前のめりになりながら、エドヴィンが追撃の左を振ってくる。
「っ……」
リウチはこれを後退して回避。
そんな場面が幾度となく続く。
(認めたくはないが……、体力に差があるな……!)
唯一、持久力だけは相手が上回っていた。
鍛錬を怠けていたツケが回ってきたか。一方で、この『狂犬』と呼ばれる男は積んできたのだ。見た目に似合わず、地道な研鑽を。
(ったく、厄介極まりないぜ……! ……、)
折を見て拳を差し込む。しかし、エドヴィンも確実に殴り返してくる。
『そしてまたも相打ちぃ! 両者、大きくぐらついたぁ! どうにか踏ん張りますが……、か、完全に動きが止まりました! お互い、手が出ません! 立ったまま、至近の間合いでただ睨み合う――!』
応酬が止んでなお、観客席の熱狂は最高潮を迎えようとしている。
予感しているのだ。決着を。
『ンフフ。全く、まるで拳闘の試合よねぇ』
『ふぉっふぉっ。しかし、悪くない。若人たるもの、こうであらねば』
両学院の長が苦笑し合う。
お眼鏡に適ったようで何よりだ。
『……、懐かしいです。あの頃を見ているようで』
穏やかな、それでいて静かに震えるレヴィンの声。
やめろって。恥ずかしいから。大体、何でちょっと泣きそうなんだよお前は。
『試合場の中央で繰り広げられていた殴り合いでしたが、被弾しようとお構いなしに前へ出続けるエドヴィン選手によって、リウチ選手は自然と押し込まれる形で後退! 両者はいつしか、石畳の縁近くへと移動しています! 優勢なのは、相手を後退させたエドヴィン選手と見るべきでしょうか! 模擬戦とは名ばかりの拳闘勝負、ついに決着の時か!?』
言葉多彩に盛り上げるエフィの傍ら、静かに声を響かせたのはレヴィンだった。
『しかし……それでもこれは、術者による「模擬戦」……。ミディール学院の対戦者の方については、失礼ながら詳しく存じ上げないので分かりませんが……少なくともリウチは、「そう」考えているはずです……』
ああ。さすが、ようく分かっているじゃないか。親愛なる友よ。
『ホッホ、そうですな。術も拳も、昔の蓄えのみでやっておるようなものですが……根っこの部分というものは変わらぬ。昔から、あの子は強かだった。場の勢いに流されることなく、冷静に本質を見極められる目と頭があった』
やっぱりトネさんも、実に俺って奴をよく分かっている。
『つまり……このままでは終わらない! と、いうことでしょうか! では、次なる展開やいかに!?』
生憎だが、さして驚くような展開はない。所詮は落伍者、やれることなどたかが知れている――。
(……もう認めるさ。エドヴィン・ガウル……こいつは、強い――)
ふっ、と呼気。
リウチ、そしてエドヴィンともに。
そう、殴り合いながら詠唱するような技量はない。そして今、互いに棒立ちとなって十数秒。つまり、一撃を放つ準備が整った。
「――」
じり、と。
一歩、エドヴィン・ガウルがにじり寄ってくる。
(……その場で撃たないか。この近間で、まだ距離を詰めようとしている。ってことは――)
「オルァ!」
全身全霊。
そうと分かる気迫だった。
だが、
(ただの拳……?)
わずかな引きの後に繰り出されるのは、右の無手。そこに術の輝きはない。
この期に及んで? 相手はすぐ目の前、揺らぎも感知している。しかし、もはや完全に限界で発動する余力もなかったのか。とにかく――
(防いで、反撃だ――)
重くなった左腕をどうにか掲げる。
(……っ)
しかし、人のことは言えなかったらしい。
リウチ自身の活力も、とうに底をついている。
踏ん張りがきかず、自然と身体が後方へ流れてぐらついた。
(く、そっ、踏ん張れよ馬鹿――)
直後。
「オラァ!」
エドヴィンの拳が、リウチに触れるか触れないかの距離。わずかにかすめるほどの至近。
そこで、炎の煌めきが爆発した。
「…………、……ッ!?」
爆風で思わず倒れ込みそうになる。それほどの威力。その派手さに負けじと沸く生徒たち。
『す、凄まじい一撃だぁ――! 瞬間的な爆発を伴う炎の拳! エドヴィン選手、とんでもない隠し玉を用意していたああぁ! しかしリウチ選手、咄嗟にこれを回避――!』
違う。
膝が揺らいで身体が後方へ流れたことで、偶然にも直撃を免れただけだ。
仮に、当初の思考通り防御を試みていたなら――
「ッシャァァ!」
ゾッとする間もない。
さらに一歩踏み込んでくるエドヴィン。すくい上げる軌道で放たれる、左の拳。
(~~~~っ)
まずい。これも間違いなく爆炎の拳。もらえば確実に終わる。
(――く、そ――)
何て野郎だ。
これほど消耗し、動くことも億劫になってきた状況で。
この男――エドヴィン・ガウルは、微塵も引く素振りを見せはしない。愚直なほど前に、どれほどの攻撃を受けようと、どれだけの傷を負おうと、ひたすら迷わず進撃してくる。退くことなどまるで考えていない。疲弊し切ったこの局面で、より超接近戦に特化した術に頼る胆力。
この男の特筆すべき点は、体力などではない。
まるで引かぬ、狂気的なまでの蛮勇だ。
(――――、)
とても素手で防御できる威力ではない。避けるしかない。
だが思わず相手の気迫に当てられ、足の反応が遅れ――
「リウチ――――っ!」
後方から飛んでくるシスティアナの叫び。
そうだ。
俺は何のためにここに立っている。
二年後がどうとか、俺にはまだ分からない。
でも、少なくとも今は。
――この女の前で格好をつけたい。
ただ、それだけだろうが。
「――――ふ、っ」
空を切る。
下方から唸ってきた拳を、足を使い、半身で躱す。それも紙一重ではなく、大回りで。
そして、爆発する。
幼い頃から叩き込まれた拳打法の技巧。己が術を活かすため、何年も練習した足運び。無意識に動けるほど身に染みついたそれが、軽快に、的確に、回避と移動を兼ねた。
拳とそれに伴う爆発を、火の粉の残滓をするりと抜けつつ、あるいは浴びつつ、エドヴィンの真横へ。
『――ふん。やはり、才は確かよ……』
爆発の残響に重なる猊下師匠の小さな呟き。
そして、
『長年の積み重ねは、やはり裏切りませんね――』
穏やかな、友たる最強騎士の声。
直後、風が逆巻いた。
リウチは横合いから、攻撃を空振ったエドヴィンに向けて大気の爆発を叩きつけた。
ぼぉん、と風の塊がわななく。
「――――、ご、ぉっ!?」
直撃を受けた『狂犬』は、凄まじい速度で横殴りに吹き飛んでいった。




