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時が巻き戻った悪役令嬢は、追放先で今度こそ幸せに暮らしたい  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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2章16 隠し扉

 男2人は後ろ手に縛られ、男たちによって教会の中へ連れて行かれる。


そしてその後をついていく私達。

教会の中は酷い有様で、礼拝堂は埃と蜘蛛の巣にまみれていた。

床板は所々剥がれかかり、壁にはあちこちに穴が空いている。


「いいか! お前ら! こんなことして何も無かったらタダじゃすまないからな!」


「そうだ! 俺達の仲間が黙っちゃいないぞ!」


薄暗い廃屋に縛られた男たちの声が響く。

ここまで言い張るのだから、余程見つけられない自信があるのだろう。


「あぁ、そうか。もし何も無ければ、お前たちの要求を全て飲んでやるぜ」


「虚勢を張っていられるのも今の内さ」


しかし、町の男たちは軽くあしらっている。


「レミッ! 何処にいるの!?」

「ベッキー! お母さんよ! 返事をして!」

「トムーッ! お父さんだぞ!」


町の人々は声を張り上げながら扉を開けたり、椅子の下を覗き込んだりしているが一向に子供たちの姿は見つからない。


「クソッ……何処にいるんだ……」

「見つからないな……」

「ウウッ……ジャック……」


男性達は苛立ち始め、女性達はすすり泣く。


「ほら見ろ! だからここには何も無いって言っただろう!?」


「俺たちにこんなことをしたんだ! 落とし前はつけてくれるんだろうな!」


捕縛された男たちが勝ち誇った態度を取る。


「お、お姉ちゃん……」


するとビリーが不安な顔つきで私の手を握りしめてきた。

元々教会に行く提案をしたのは、この私。きっとビリーは私のことが心配になってきたのだろう。


「大丈夫よ、ビリー」


そこで私は不安にさせない為に、笑顔でビリーの手を握り返すと宿屋の主人が近づいてきた。


「お客様……本当に、ここに子供達がいるのでしょうか?」


その顔は疑心暗鬼に満ちている。そこで私は言った。


「あの、次は私にも捜させて下さい」


実は今迄、町の人達が捜索する様子を眺めながら60年前の新聞記事を思い返していたのだ。


「ええ、お願いします」


主人が頷き、私はビリーの手を離した。


「お姉ちゃん……」


「ビリーはここで待っていてね」


それだけ告げると、私は教会の祭壇に近付いた。

確か、記事によると祭壇の下には地下へ続く隠し階段があったと書かれていたはずだ。


祭壇に近付くと、私は捕縛された男たちに視線を向けた。すると明らかに彼らの顔に動揺の色が浮かんで見える。


間違いない……! きっと、この祭壇の下に隠し扉があるはず!

そこで私は町の人々に声をかけた。


「皆さん、この祭壇の下が怪しいと思うのです。ずらすのを手伝って貰えますか?」


「あぁ、いいだろう」


真っ先に手を挙げたのは、リーダーに選ばれた男性だった。


「よし、俺も手伝おう」

「俺も」


数人の男性達が集まり、祭壇に手を触れた。


「よし! 皆で動かすぞ!」


リーダーの言葉に祭壇の周りに集まった男性達は頷き、一斉に前方に向かって押し出した。


ズズズ……


大きな祭壇が動く音が教会に響き……。


「あった! 地下へ続く扉だ!」

「あったぞ!」

「見つけた!」


男性達が歓喜の声を上げた――


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