第二話 『労働』 フォード・マドックス・ブラウン
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Canvas.2
This "work" makes someone smile.
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「お疲れのようね、少年」
「………いや、大丈夫…」
「そういうのは、言葉よりも態度で表すものよ。素直に言いなさい」
メイドの女は、椅子にもたれかかっていた少年の顔を軽くつついた。
笑顔のよく似合う人だと、少年は少し呆けながら思った。
「…確かに、疲れてるみたい。体力的というよりは、目まぐるしさで」
館で働き始めて三日。次から次へと舞い込んでくる仕事。
特別な能力があるわけでもない自分が、給金をもらう立場だ。
力仕事で馬車馬のように働かされることも、嫌味で高慢な世間知らずの女に虐げられることも覚悟していたが――。
「掃除はともかく、ベッドメイキングや裁縫までさせられるとは思わなかった…」
ここの主だという、少年と同い年くらいの少女が命じているのだろうが、何をさせたいのかさっぱりわからない。
「執事のあの人に、言われるままあっちこっちの仕事を手伝ったんだけど……ボクが、料理や裁縫ができるように思われたんだろうか」
「知って、もらいたいのよ」
「?」
「みんなのこと。みんなの仕事。なんでそんなことをするのか、何がしたいのか」
女は、少年の瞳を覗き込むように顔を近づけ――優しく彼の頭を撫でた。
「誰が喜んで、笑顔になって、幸せになってくれるのか。それが、誰でもいいの。自分が誰かを幸せにしているんだって、そう感じることができれば、ね」
「それは、働くのに必要なことなのかな?」
「さあ?無駄なことかもしれないわね」
即答。戸惑う少年。
「でも、ここで働いて…暮らすのには、大切なことだと、あたしは思うわ」
あの人も、あの子も、そう思っているんじゃない?――そう後付けで言って、メイドは少年から手を離した。
「ここって…変なところだね」
少年の、呆れるような呟き。
「そうね、あたしもそう思う」
嬉しそうに彼女が笑う。




