93回目 ストーリー・サブクエスト
年末年始が忙し過ぎたせいで、昨日出した話が間違いだらけだったので少し修正しました。内容にほぼ変更はありませんが、失礼しました。
誤字脱字、あと矛盾には気をつけて頑張ります。
幼い姉弟についてヘテナ村を歩きながら、俺はこの姉弟の様子を見てひとつ懸念ができた。先程の村長がやけに痩せていたのは高齢なのもあるからしょうがないとして、前を歩く姉弟も、結構な痩せ具合だ。
ふと周囲の様子を見ても、この村が貧しい事は疑いようもない。日本と比べるのが間違いなのは解るが、今の時季を確かめたところ季節的には秋に差し掛かる頃だと言うが、単に収穫が終わっただけだとは思えない程に畑が痩せている気がする。
俺は密かにトルテを後ろに呼んで聞いてみる事にした。
「なんだよガモン?」
「なあトルテ。この村って、もしかしてかなり貧しい方か?」
「ん? まあそうだな。土も悪そうだし道具も揃ってなさそうだな。俺の村もそんなに裕福って訳ではなかったけど、ここは多分この村の収穫だけじゃやっていけないんだと思う。ヤギも放牧してるみたいだけど、この土地じゃヤギにも合ってないだろうな。まあ、あの依頼報酬を見れば、貧しいのは解ってたけどな」
「お、おう。そ、そうだな…………」
言われてみればトルテの言う通りだ。ランクを上げる事ばかり考えていたけど、あの依頼書をみればそういう推測をするのは当然だな。依頼書の内容と比べて報酬が格段に安かったからこそ、誰もこの依頼を受けていなかった訳だし。
それに村が裕福なら、若者がみんな出稼ぎに行く事なんか無いもんな。
となるとだ、きっとこの子達の兄というのも栄養が足りていないのは間違いないよな。その子がどういう状況かはまだ解らないが、何か栄養が取れる物を準備しておいた方が良さそうだ。
そうと決めた俺は『ガチャ・マイスター』の中にある倉庫を開き、栄養補助食品やらスポーツドリンクやらを一ヶ所にまとめて置いた。
それらを終えた後で、ついでにディリークエストの報酬も受けとっておこうとした時、俺は新たな表示を見つけた。
《ストーリー・サブクエスト》
『ヘテナ村の三兄弟(期限:二日)』
・私が加護を与えている三兄弟、アレス・アリア・アラムが死の運命に囚われています。この三人には特別な才能が備わっているので、貴方の運命にもきっと貢献してくれます。どうか助けてあげて下さい。
・まだ開花していませんが、三人に与えられた才能はアレスは『剣聖』、アリアは『賢者』、アラムは『竜騎士』です。どうかよろしくお願いします。
依頼主:運命の天使・アクアラリア
報酬:『導きの龍水晶』
「……………………ファッ?」
「…………なんだよガモン、いきなり変な声を出して」
「いや、ちょっと意味の解らない事態に巻き込まれてな。…………ただ、この依頼を受けたのは大正解だったんじゃないかな?」
「はあ?」
いやぁ混乱する、混乱するわぁーー。運命の天使? 剣聖? 賢者? 竜騎士? 多いわぁー。情報が多いわぁー。受け止めきれないわぁーー。
しかも何あれ? あの報酬。『導きの龍水晶』? 何をする物なのかも解らないよね。ガチャ的に言ったら☆幾つなんだろうか。
まぁでも、それより何よりクエストの期限が問題だ。今回提示されたクエストの期限は二日。兄のアレスが負ったと言う大火傷がそれほど酷いのかも知れないが、クエストの内容に死の運命に囚われているのは三人とあった。つまり、あと二日で俺達の前を歩いているアリアとアラムも死ぬという事だ。
それはつまり、あの城みたいな蟻塚は俺達で何とかしないといけないと言う事でもある。外に助けを求めては間に合わないのだ。
「着きました、ここです」
アリアに案内された家は、平屋で木造の一軒家だった。そして場所的にはかなり蟻塚に近く、アカメアリが村を襲ったのなら真っ先に襲われそうな位置にあった。
実際に今も、家の南側に広がる畑には二・三匹の蟻がおり、アラムが届かないだろうに、蟻に向けて石を投げていた。
「アラム来なさい!」
「うーー!」
玄関を開けたアリアに呼ばれて、アラムは唸りながら走ってアリアの腰に抱きついた。
「みなさん、こっちです」
家の中に入ったアリアとアラムについて行くと、奥の部屋からうめき声が漏れていた。多分それがアリア達の兄であるアレスのものなのだろうが、その他に人がいる気配がないのが気になった。
「失礼かも知れませんが、ご両親は不在ですか?」
「父さんは、いま他の町に出稼ぎに行っています。母さんは、お兄ちゃんの火傷をに効く薬草を摘みに、北の山に出掛けています。母さんは、夜には帰って来ると思います」
そうか、ここの父親も出稼ぎに行っているのか。ならアレスはきっと、父親の分まで家族と畑を守ろうとして無茶をしたのだろうな。
アリアとアラムに案内されて、シエラも奥の部屋へと入った。俺とトルテは部屋の外から中を覗き込んだのだが、ベッドの上に寝かされている少年は、顔の下半分や体の大部分に包帯を巻かれており、何かの布を切って作ったような包帯は、その大半が赤黒くなっていた。
「…………これは、酷いですね。…………ガモン様、何度かに分けて治療をする必要がありますので、清潔な布と包帯、それに綺麗なお湯と水を用意しておいて下さい。ポーションや薬があるならば、なお良いです」
「わかった」
俺はさっそく『ガチャ・マイスター』の倉庫から様々なガチャアイテムを出して積んでいった。アリアやアラムは、次から次に出て来るアイテムを見て、目を丸くし、シエラは治癒魔法を本気で使うために詠唱を始めた。
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