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62回目 食品ガチャの秘密

「…………ふぅぅ、助かったよシエラ。ありがとう」


「ありがとうございました!」


「…………今回は大目に見ますが、毎回は助けませんよ? 本来ならば、二日酔いになるほど飲むのが間違っているのです」


「「「…………すいませんでした」」」



 シエラの治癒魔法のおかげで、二日酔いに苦しんでいた全員が回復した。まぁ二日酔いになった全員が、ちょっとシエラからお小言を頂戴してしまったが。


 …………ああツラかった。二日酔いなんて大学生の時以来だな。社会人になってからは無茶な飲み方はしないように気をつけていたのに、昨日はなんか楽しくなっちゃってタガが外れたみたいだ。いや、本当に気をつけよう。


 皆が落ち着いたところで、二日酔いとは無関係だった人達が作ってくれた朝食が出て来た。


 メインで作ってくれたのは、近所に住む食堂から通って来てくれている方々で、今日の朝食メニューは昨日のバーベキューで使い切らなかった野菜や肉を使っての炒め物やスープと、持ち込まれたパンだった。


 二日酔いだった俺達を気遣ってか優しい味わいに仕上げられたそれを食べると、何だか凄く元気になってきた。今日はギルドに初めてのクエストを受けに行くつもりなのだが、とても頑張れそうだ。



「おおぉ? 俺、今日は何だか凄く調子がいいぞ?」


「おう! 俺も朝弱いはずなのにメッチャ元気だ!」


「あれ? アタシだけじゃないんだ。なんか、皆も今日は調子良さそう」


「はい! 僕もやる気に満ちています! 昨夜が楽しかったからですかね!」



 どうやら調子が良いのは俺だけではないらしい。そこかしこからも元気な声が聞こえて来る。…………あれ? なんか皆がハイになり過ぎてる気がするけど、コイツらは普段からこうなんだろうか?



「アッハッハッ! なんか今なら天井まで跳べそうなくらい体が軽いぜ!」


「いや、それは言い過ぎだろ」


「なにぃ? 見てろよ、それ! …………って! うわあぁっ!?」


「「はぁっ!?」」



 元気が有り余っていたのか、調子のいい事を言っていた青年が勢いをつけて跳び上がると、その青年の体は、本当に天井付近まで届いた。この部屋はただでさえ高い天井が吹き抜けになっているから、五メートル近く跳び上がった事になる。



「うわわわわぁぁっ!!??」


「嘘だろ!?」


「キャーーッ!!」



 室内はパニックになり、跳び上がった青年は必死で手足をバタつかせるも、結果として何も出来ずに落下した。


 落ちた瞬間、その場にいた全員が目を閉じ、または逸らしていたが、恐る恐る落ちた青年に目を向けると、青年は床に這いつくばった状態ではあったが、特に怪我をした様子もなく、キョロキョロと辺りを伺っていた。



「だ、大丈夫なのか?」


「…………お、おう。たぶん、何ともない」


「…………本当か?」


「……………………うん。大丈夫そうだ」



 仲間に声をかけられ、立ち上がった青年が自分の体を確かめるも、本当に怪我をしていないようだった。


 その様子を見て、全員が何が起きたのかと首を傾げたが、しばらくしてシエラが答えにたどり着いた。



「…………もしかして、身体強化のバフが掛かっているのではないですか?」


「え?」



 シエラの言葉を聞いて、全員が自分の体をペタペタと触る中でシエラは前に進み出て、一度天井を見上げて確認してから、思いきり跳び上がった。



「「「うおおおおっ!?」」」



 跳び上がったシエラは余裕で天井に到達し、両手で天井にタッチするとそのまま落ちて来て、まるで軽く跳んだだけかのように軽やかに着地した。



「間違いありませんわ。身体強化のバフが、この場にいる全員に掛かっています。やたら皆が元気なのは、このバフの影響ですわ」


「いやいやいや、バフって! そんなの掛けられた覚えがないですよ!?」


「でも確かに今日は、あり得ないくらい調子が良いのよね」


「いやでも、俺達はいつも通り…………?」


「…………あ(チラリ)」


「…………うん(チラリ)」


「「「……………………(ジットリ)」」」


「……………………(汗)」



 その場にいた全員が、この現象の原因に思い至ったらしく、俺は全員のジットリとした視線に晒された。



「ガモン様。なにか心当たりはありますか?」


「…………ちょっと待って、今調べるから」



 そして原因が俺のスキルにあると思ったのは俺も同じであり、俺は『ガチャ・マイスター』を開いて『マイスター・バー』へと向かった。



『いらっしゃい。今日は何かな?』


「情報を買いたい。食品ガチャの野菜について」


『食品ガチャの野菜? …………フム、☆2の食材について、という事でいいのかな? それなら銀貨一枚だ』



 相変わらずグラスを磨きながら、にこやかに対応してくれるマスターの言葉に従って、俺は銀貨を一枚スキルに放り込んだ。



『はい、確かに。さて、質問から察するに君が聞きたいのは食品ガチャの食材を使った時のバフについてだろう?』


「ああ、やっぱりバフが付くのか」


『バフは付くよ。だが条件はある。基本的に食材ひとつではバフは付かない。複数のガチャ食材を調理した場合に使った食材と調理法、調味料などに応じてバフが付くんだ。付いている期間は約十二時間。その間に再びバフが付く料理を食べれば効果は重複する。例えば十時間前に夕食を取り、朝になって朝食を取った場合、重複する時間は二時間。夕食の効果は二時間後に消えるが、朝食の効果はあと十時間続くわけだ』



 つまり俺達は今、昨夜のバーベキューと今朝になって食べた朝食の効果が重複している状態か。…………どうりで朝食を食ってから、やたらと元気になった訳だ。

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モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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