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第428話

「ふぁ~……ねっむ……今何時だ?」


 スマホに手を伸ばし時間を確認。

 昼の四時か。アラームが鳴る前に起きたのか。

 ……お腹空いたし、飯にするか。

 リビングに行くとテーブルにはラップが掛けられている少し冷めえている料理が置かれていた。


「兄ちゃん、仕事って言ってたのに……」


 電子レンジで温め直している間に兄ちゃんにお礼のメッセージを送った。

 飯を食べ終えてから自室に戻り、ゲームにログインした。


「ハルナさん、おかえりなさい」


 拠点の部屋からリビングに行くとソファーでくつろいでるウィルの姿があった。


「ルラーシャは?」


「部屋で寝てます。色々と話しながらデートしてて、気が付いたら昼過ぎになっちゃって……」


「時の神が時間を忘れてデートか」


「元は獣人でしたからね、忘れる時もありますよ」


 少し沈黙が続き、俺は指輪を外してウィルに渡した。


「はい、これ。ウィルも帰ってきたし返すよ」


「眷族の指輪……」


 受け取った指輪をウィルは強くに握りしめると、手の中で少し光を放った。


「この指輪はハルナさんが持っててください」


 少し形状が変わった指輪を受け取り、指輪を確認をした。

 眷族の指輪は新しい名前に生まれ変わっていた。

 時環の指輪……効果は一分間のみクロノスの一部の力を使用することが可能。使用回数一回。


「これはまた……とんでもない物を渡してきたな。この一部の力ってなんだ?」


「時間停止のことです。範囲は指輪を中心にした距離で……だいたいこの島ぐらいかな」


「範囲内の時間を止めるって大分チートだな……」


「一回しか使えないから、ピンチの時にでも使ってください。それと、この指輪には僕の祭壇への道標を示してくれる機能が付いています。長くは地上に降りられないんですけどね」


「……戻っちゃうのか?」


「はい。今はオピオさんと一時的に契約しているおかげで留まっているんです。数日後には契約が切れて神界に戻ってしまうんです」


「その話はルラーシャは知ってるのか?」


「はい、もう伝えています。その時はお願いしますね、ハルナさん」


「おう、任せろ」


 ウィルと拳を合わせていると窓ガラスを叩く音が聞こえ、確認しに行ったら小鳥が窓ガラスを叩いてた。

 窓を開けると小鳥はテーブルの上に降り立ち、足に手紙が着いていることに気が付く。受け取ると小鳥は何処かに飛び去ってしまった。


「手紙ですか?」


「カスティさんからだ。王国との貿易のために力を貸して欲しいらしい。ちょっと組合所に行ってくる」


「わかりました。気を付けて」


 拠点から海原エリアに転移をし、下層にある組合所に真っ直ぐ向かった。

 組合所に入ると一人の受付嬢が目の前にやってきた。


「ハルナ様、お待ちしておりました。代表がお待ちです。ご案内致します」


 受付嬢の後ろに付いていき、組合所の裏口から出てしばらく歩くと、沢山の船が停泊している桟橋に到着した。

 その中でも一番大きい船の前でカスティさんの姿を見つけた。


「代表、ハルナ様をお連れしました」


「ありがとう。業務に戻ってください」


 一礼して受付嬢は来た道を戻っていく。


「ハルナさん。私の名前を出すなら手紙が届く前に一言あってもよかったと思いますが」


 手紙を見せるカスティさんひゃどこか疲れ切っている様子だ。


「何も言わずにカスティさんに丸投げしちゃってすみませんでした」


 俺はカスティさんに深く頭を下げて謝罪をした。

 その様子を見ていたカスティさんはため息をついた。


「今度、買い物に付き合ってください。それで今回の件は許します」


「買い物……俺で良ければ付き合いますよ」


「約束ですよ? それじゃこの話は終わり! ハルナさん、今から私をトワイライト王国に連れて行けますか?」


「え、今から?! 別に構いませんけど……あ、共鳴技を使って飛行出来ないんだった……水中移動で良ければ、なんですが」


「水中ですか……今は早く王国に向かいたいのでそれで構いません。お願いしてもいいですか?」


「わかりました。……ここでいいか。アオガネ」


 俺はアオガネを呼び出して、海中で巨大化していき、海中からアオガネは頭を出した。


「アオガネ、王国に行きたいけど道を覚えている?」


『うん……い、行けると思う……!』


「わかった。カスティさん、念のためにこれを」


 インベントリにしまっている水中呼吸器を取り出して渡した。


「水中で息ができる機械です」


「ハルナさんのは?」


「アオガネのスキルで水中でも呼吸できるから大丈夫です」


 アオガネの胴体に先の乗り、カスティさんの手を引いて乗せる。


「カスティさん、しっかり掴まってくださいね」


「は、はい。お願いします……!」


 ゆっくりと動き出すアオガネ。街の水門を出ると徐々にスピードを上げて目的地に向かった。


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