第424話
「くそっ! 再生スキルが鬱陶しいなっ!」
「颯音、口よりも手を動かせ。今は口か?」
「ん? それは海都もじゃね?」
「……確かに」
「冗談が言い合えるぐらい余裕があるんだな、二人とも」
「「春名!」」
振り下ろされた触手を勢いを付けた蹴りで蹴り返す。
「体力の回復はやっ! もう動いて平気なの?」
「色々なデバフが付いているのによく動けるな」
「テオクエの共鳴技でデバフを相殺してんだよ。時間が無い。後四割削りきるぞ」
「「了解!」」
迫り来る触手の攻撃を捌きながら距離を詰めていく。
「ゴオオオオオオオ!」
クラーケンが雄叫びを上げると地上に小型クラーケンが湧き始めた。
「小型がうじゃうじゃと……春名。共鳴技をやるぞ」
「その姿で出来んの?」
「問題ない。行くぞ」
「了解。アオガネ、ぶっ放してやれ!」
『う、うん……! やってみる……!』
アオガネはスキルを使い、海上に複数の竜巻が起こり、雨雲がどんどん広がり、雨が一気に降り注いぎ豪雨となった。
青い色の竜が口を開け、高圧縮された蒼白い電気の球体を上空に向けて放ち、雲の中に入った球体が弾ける。
「「【共鳴技・リバースディバインセーバー】!!」」
轟音と共に蒼白い雷が湧いた小型クラーケンに一斉に降り注いだ。
ほとんどの小型クラーケンは倒せたな。生き残っている奴も継続ダメージで体力が減っているから時期に倒れるだろう。本体のクラーケンにも大分ダメージが入ったようだ。
「相変わらず派手だな。春名、今度は俺とやろうぜ!」
「わかったよ。クモガネ、アカガネやるぞ」
『『はーい』』
白と赤の翅を展開し、圧縮した超高温の炎と凍てつく冷気の球体を作る。颯音も三つの口を開き黒い球体を作り出し、三つの球体が一つに混ざり合った。
「「【共鳴技・爆炎氷獄黒球】!!」」
放たれた球体は真っ直ぐクラーケンに向かって飛んでいく。
クラーケンは光線を放つが球体に光線が吸い込まれて行き、どんどんと膨れ上がっていく。
そして、球体はクラーケンに衝突をすると激しい爆発が起こり、炎が舞い上がった。次の瞬間、炎は一気に凍り付いた。
「クラーケンの体力が二割まで削れた。俺が動きを止めるから二人の共鳴技をぶつけてくれ。ロン、準備はいいか?」
『勿論だ。いつでも構わないさ』
「了解。【共鳴技・ユグドラシル】」
俺の背後に一本の巨木が出現。巨木を中心に青々とした草原が広がり、色とりどりの花が咲き誇る。
スキル【樹木操作】を使い、地面から太い根を伸ばしてクラーケンの動きを止める。
一気に距離を詰めた颯音は六本の黒い爪の斬撃を浴びせ、海都は土を上空に集め、巨大な球体を作り出してクラーケンに落とした。
「これで終わりだ! クモガネ! アカガネ!」
『『うん!』』
再び白と赤の翅を右手と左手にそれぞれ集め、神炎と神氷の力を圧縮し、二つの力をぶつけ、神々しい弓を作り出した。
神々しい弓を構え、白銀の弦を引き、氷と炎を纏った矢を番える。
「【共鳴技・神殺しの一矢】」
放たれた矢は綺麗な軌跡を描きながら真っ直ぐに飛翔していく。
だが、俺が放って矢はクラーケンの目の前で空間が歪み消滅した。
『我ノ眷属ヲ、ココマデ消耗サセルトワナ』
金色の三又の槍を持つ、真っ黒な鱗に覆われていた人型が現れた。
『我コソハ、コノ世界ノ絶対ナル支配者!』
蝙蝠のような大きな翼が広がり、鋭い眼光を向けてくる。
突然、現れた者の頭上には「ネプチューン」と表示されたいた。
「……ここでボスモンスターのお出ましかよ……」
颯音と海都は共鳴技を使ったから人の姿に戻ってしまった。
俺も使える共鳴技は残り少ない。ボスモンスターの相手はぶっちゃけ無理だ。
『貴様ラハ我ガ手デ葬ッテヤロウ!』
ネプチューンは一瞬で巨大な火の玉を作り出した。
『消エルガイイ!!』
ネプチューンが放った火の玉はゆっくりと落ちてくる。
『させぬ!』
巨大な影が頭上を通り過ぎ、落ちてくる火の玉を消し去った。
「オピオさん!」
それは竜の姿のオピオさんだった。




