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第393話

 共鳴技を使いアルファを倒したことで二体との共鳴は解け、俺はみんなの浮遊スキルを使い、宙に留まる。


「ハルナさん、ミカヅキの上に」


「お、サンキュー」


 ゆっくりとミカヅキの上に乗り、俺は腰を下ろした。


「春名! 一瞬であの敵が倒れたけど何かした!」


 いつの間にか人間の姿に戻っていた颯音と海都が俺たちの所に来て尋ねた。


「あの敵が時間を止めたんだよ。ウィルのおかげで俺とオピオさんが動ける状態にしてくれて、オピオさんが足止めしてくれている間に俺の共鳴技で倒したんだよ」


「二人だけ? 俺たちも動けるようにしてくれよ、ウィル! 俺も戦いたかった!」


「あはは……僕の力だと二人までが限界で、今度はハヤトさんとカイトさんを優先的にします」


「そんなの気にしなくていいぞ、ウィル」


「春名、オピオさんが何かしているぞ」


 海都に言われて地上に居たオピオさんが遠くからでもわかる程の光っている何かを手に持ち、体に吸い込まれていった。その瞬間、島全体が再び激しく揺れ始め、島の外側から徐々に崩壊し出した。


「……モレルさんからメッセージだ。先に拠点に戻るって」


「俺たちも戻ろうか」


「ウィルを拠点に連れて行くから先に戻っててくれ」


「わかったけど、ここから拠点まで時間掛かるし、遅刻しないか?」


「……なんとかする」


「了解。学校遅れんなよ!」


 そう言って颯音と海都は目の前から転移した。


「時間大丈夫なんですか? 先に帰っても大丈夫ですよ?」


「いや、平気だから一緒に帰ろう。アオガネ」


『な、なに……?』


 球体と一体化しているアオガネを呼ぶ。


「ここから拠点までどれくらい掛かる?」


『こ、ここから……? うーん……わからない、けど……クモガネとアカガネの翅、よりは遅いと、思う……』


「しゃーないか。アオガネ、なるはやで……」


「まだ残っていたのかのう」


 少年姿だったオピオさんが黄金の瞳に海のような青い髪のイケメンになっていて、声も少し低くなっていた。着物姿は変わらないけど。


「オピオさん……? 大分、姿が違って……」


「最後の封印が解かれたからのう。この姿が本来の姿だ」


「着物姿なのも?」


「着物はただ単に着慣れているだけだ。拠点に帰るのだろ? 送ってやろう」


「マジで!? やった!」


 喜んでいるとオピオさんはドラゴンの姿に変わっていく。濃い青の鱗に六枚の翼の巨大なドラゴンの姿になった。


「こっちの姿も変わってる……」


『さっさと背に乗れ』


 ミカヅキから降りてオピオさんの背に移動した。


『しっかりと掴まっておれよ!』


 巨大な翼を羽ばたかせてオピオさんは移動し始め、物凄いスピードでどんどんと景色が流れていった。

 背中に居るのに風の影響がほとんどない。オピオさんが何かしらしてくれているのだろう。


『ハルナよ。お主に話しがある』


「なんですか?」


『最後の島が攻略され、この海原の支配者が出現する条件が揃った。そう遠くない未来に出現するだろ』


「手伝えばいいんですよね」


『……ああ。ハルナに依頼として頼みたい』


「時間が合えば手伝います。だけど、今はウィルのを優先したいのも分かって欲しいです」


『分かっておるわ。ほら、拠点に着いたぞ』


 オピオさんに言われて下を見ると、拠点がある島に到着していた。

 速度を落としてゆっくりと降下したオピオさんは砂浜に降り立った。


「ハルナー! ウィルー!」


 家から走ってきたルラーシャはウィルの胸の中に飛び込んで抱き合った。


「凄く心配したんだからね……!」


「ごめん……」


 俺と人の姿に戻ったオピオさんは空気を読んで離れることにした。


「一応、二人の事は儂が見ておこう」


「ありがとうございます。じゃあ俺は一旦帰ります。ウィル! 今夜、今後の話をするからな!」


「はーい!」


 俺は急いでログアウトした。













「……眠い……」


 ヘッドギアを外し、目を擦ってからスマホで時間を確認。七時か……超ギリギリだったな。

 洗面所に向かった俺は顔を洗って眠気を覚ました。

 制服に着替えてからリビングに行くと、朝食を食べている兄ちゃんの姿があった。


「兄ちゃん、おはよう」


「おはよう。その様子だと寝ていないな。コーヒー飲むか?」


「飲む!」


 兄ちゃんは立ち上がりコーヒーと朝食を運んでくれ、俺は急いで朝食を平らげ部屋に戻った。


「これやる。どうせ、颯音たちも寝ていないんだろう?」


 部屋の前で待っていた兄ちゃんから目が覚めるタブレットを人数分貰った。


「ありがとう、兄ちゃん。そんじゃ行ってきます」


「事故には気を付けろよ」


「分かってる!」




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