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第388話

 メッセージを送って五分ぐらいに祭壇に皆が集まってくれた。


「それじゃ一人ずつ見つけたボタンの模様を教えてください。先ずは颯音から」


「はいよ。俺が見つけたのは象の顔部分だけの模様だな。場所は二階に上がった階段の近く」


「象の模様っと。次はアキさん」


「俺は虫の方の蜘蛛の模様だったよ。場所は一階、食堂の調理台の近くにあったよ」


「兄貴が見つけた所から少し離れた窯の中でヒトデの模様を見つけたぜ」


 アキさんが答えたあとナツキさんが見つけたくれた模様を話してくれた。


「蜘蛛とヒトデと……ミライさんは?」


「私は三つ首の蛇みたいな模様でした。一階の奥にあった……トイレの個室にありました」


「なるほど……グレンさんは?」


「俺のはタコだったけど、珍しい七本足だったぜ。二階の一番奥にある部屋に飾れている天使の像の裏にあった」


「あとはトオルさんとカレンさん」


「俺は四本角の山羊か羊みたいな生き物だ。一階の廊下、ボロボロの絨毯に隠されていた」


「私のは人の頭部ような模様でしょうか。入り口近くにあった絵画の裏に」


「最後にリンさん」


「一階の突き当り、割れた窓枠の近くにトカゲの模様」


「ふむふむ……」


 俺は皆から聞いた模様を紙に纏めた。


「なんかわかった?」


「うーん、さっぱりわからん。ヒントとかあればいいんだけどさ……謎解きが得意な人っています?」


「……そう言えばユリーナが謎解きが好きだったような……」


 ベオルさんの言葉で視線がユリーナさんに集まった。


「好きですけど、ヒントあっての謎解きですし……」


「……百冊以上のミステリー系の書籍を持っているのに?」


「それは言わない約束なのに……やるだけやってみますけど期待はしないでくださいね?」


 紙をユリーナさんに渡し待っていると外の方から爆発音が聞こえた。

 急いで外に向かうと、半魚人の群れに囲まれていて、外で見張りをしていた四人が戦っていた。

 後方から狙撃をしているアレンさんの近くに駆け寄った。


「お、ハルなっち! ナイスタイミング! 少し援護をして欲しいっすかね!」


「やっと戦えるぜ!」


「おい、待て! トオル! たくっ……!」


 ディオガさんの制止の声を無視してトオルさんは戦い始めた。舌打ちをしたディオガさんも加わり、何人かメンバーも援護に入った。


「春名、巨大な反応だ。警戒をしろ」


 海都がそう言った次の瞬間、前方に大きな影が落ちて砂煙が舞い上がる。砂煙が晴れると見上げる程に

 巨大な濃い青色のドラゴンが姿を現した。 


「あのドラゴンは俺たちがやる。ハルナはユリーナと共に謎解きに集中してくれ」


「わかりました。グレンさんも気を付けて」


「分かってるよ! 相手はドラゴンだ。全力で挑むつもりだ!」


 俺と颯音、海都と雫恩、モレルさんとルーシャさん、アキさんとナツキさん、リンさんとランさん。そしてユリーナさんのメンバーで教会に戻った。


「ハルナ君、模様を直に見たいから見回ってもいいかしら?」


「はい、構いませんよ」


 皆が教えてくれた場所まで向かってユリーナさんは全ての模様を確認して、再び祭壇前に戻った。


「まだ完璧に解いた訳じゃないんだけどわかったことを伝えるわ」


 ユリーナさんは皆を見渡してから説明を始めた。


「とりあえず分かったことは模様には必ず特徴があってそれぞれに数字が割り振られているわ」


 ユリーナさんは話を続けた。


「ハルナ君の一角獣、ミライの三つ首の蛇、グレンの七本足のタコ、エレナの四本角のヤギ。この四つには数字の一、三、七、四が隠れているわ」


「なるほど……」 


「ハヤト君の象には立派な牙が二本。ナツキさんのヒトデとアキさんの蜘蛛は足の数だと思うから五本と八本。この三つには数字の二、五、八になるわ」


「トカゲと人の頭部は?」


「ここからは勘になってしまうけど……トカゲは足と頭部、そして尻尾を合わせての六だと思う。人の頭部は特徴がないことが特徴だからゼロ。以上が私の推理になるわ」


「それぞれに数字があるってことは順番に押す感じですよね」


「私もそう思うわ。ただ、頭部の模様がちょっと引っかかるのよ。他が動物なのに頭部だけが明らかに仲間はずれ感があって」


「押し間違えたら罠が起動するかもしれない……」


 俺が悩んでいると颯音が思いっきり背中を叩いてきた。


「春名の選択に誰も文句は言わないんだから好きに決めればいいさ。それに万が一罠が起動しても余裕で対処出来るでしょ。皆強いんだし」


「そうそう。ハルナ君がリーダーなんだし従うよ」


「モレルさん……」


 俺は皆の顔を見回した。


「分かりました。頭部以外のボタンを順番に押していきます。場所を振ります。着いたらメッセージを送ってください」


 俺は颯音と海都、雫恩とルーシャさん、アキさんとナツキさん、ランさんとリンさんに配置に付いてもらい、ユリーナさんとモレルさんは俺の近くで待機してもらった。


「それじゃ押します」


 一角獣模様のボタンを押して俺は次のボタンに待機している颯音にメッセージを送った。順番にボタンは押されて行き、一分後ぐらいに八番目の蜘蛛模様で待機してしているアキさんからメッセージが来た。


「失敗……した?」


 そう言った瞬間、建物が揺れ始め、祭壇の床が沈んで行き地下に続く階段が現れた。


「指輪が激しく揺れている……この先にウィルが居る」


「ハルナ君、グレンが呼んでいるみたい」


「わかりました。ご武運を」


 外でドラゴンと戦っているグレンさん達の元にユリーナさんは向かっていき、俺は先に行くことメッセージを送ってから地下に続く階段を降りていった。



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