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第345話

「……ん……今、何時だ……?」


 枕元に置いているスマホに手を伸ばした。

 時間は昼の二時ぐらい。大分寝たな。

 欠伸をしてから起き上がり部屋を出てリビングに向かった。


「お腹空いた……なんかあったっけぁ~」


 冷蔵庫を開いて余り物で適当に料理をして昼食を済ますことにした。


「あ、募集の方をキャンセルしてない」


 橋を置いてスマホを開いて募集を開いて確認すると、募集は入ってなかったけど質問が一件来ていた。

 百眼竜の邪眼って素材を拾って、イービルドラゴンの瞳の代わりになりませんでしょうか?という質問内容だ。

 もう手に入っているから正直いらないけど、募集を取り下げなかった俺が悪いし、今回だけだな。

 俺は募集を終了してから、募集した方に返事を送った。

 昼飯を食べ終える頃に返事が来た。昼の三時に待ち合わせか、まぁ予定も無いし別にいいか。待ち合わせ場所も決めて返事を送って、空になった皿を流しに置き、軽くシャワーを浴びてからログインをした。

 家に入りウィルの部屋のドアをノックする


「ウィル、いる?」


 ドアが開くとウィルが姿を見せる。ベッドに腰かけているルラーシャもいた。


「ルラーシャもいたんだ」


「はい、色々と話してて。それよりもどうかしましたか?」


「そうだった。この後、二人が知らない人が来るからさ、しばらくの間は部屋に居て欲しくって」


「あ、孵化装置か。わかりました」


「ごめんな二人共。それじゃよろしくな」


 船をインベントリにしまってから海原エリアの街に転移をした。待ち合わせ場所の下層の桟橋で待っていると、颯音と同じぐらいの身長でカッコいいデザインの黒のジャケットを着ている赤髪の男性と目が合うと嬉しいそうこっちに走ってくる。


「ハルナさん! お久しぶりです! 俺の事覚えてますか?」


 そう言われて俺は頭を傾けた。


「どこかで会いましたっけ……?」


 そう答えると男性は寂しいそうにしゅんとしてしまった。


「やっぱり覚えてないですよね……ハルナさんにサインを強請った時にお兄さん?が俺たちを止めに入った時なんですけど……」


「あ、俺の動画を見て始めたって言って人たちか」


「そうです。あの時はご迷惑をお掛けしてしまってすみませんでした!」


 男性は深く頭を下げて謝罪をした。


「別に気にしてませんよ。えっと、募集してくれたルカさんで合ってます?」


「はい、ルカは俺です。それと敬語は無くて大丈夫です、俺の方が年下だと思うんで」


「見た目的にはそんな変わんないと思うけど、ちなみに俺は高二」


「え!? 一つしか変わんないですか!? 俺、一年です」


「一つしか変わんないならお互い敬語無しで行こうぜ、ゲームなんだし」


「そうで……えっと、そうだね…………ごめんなさい、やっぱり無理です……」


「ルカが話しやすい喋り方でいいさ。よし、じゃあ行こうか」


 俺はインベントリにしまってある船を取り出して海面に浮かべた。


「……これハルナさんの船ですか?」 


「俺のって言うよりかはクランの船かな」


「すご……」


「これに乗って拠点に行くぞ」


「ハルナさんたちの拠点に! やった! あいつらに自慢出来る!」


 ルカを乗せて船を出発させた。しばらく船が進んで拠点がある島が見えて速度を落とした。

 船を浜岸に停泊させてからルカを家に案内をした。


「すご……結構改造したんですか?」


「俺はほとんど関わっていなけどな」


 ルカを地下に置いてある孵化装置の前に連れて行く。


「これが孵化装置か……お店で見た物よりなんか立派な気がする」


「こっちがオリジナルだからね。それよりも卵をこの装置の中に」


 ルカはインベントリからモンスターの卵を取り出して装置に置いた。


「あとは一時間経てば無事に孵化するよ」


「一時間……ハルナさん、ご迷惑じゃなければいいんですが、テイムしているモンスターを見てもいいですか?」


「俺の? うーん、別にいいけど、全員を見せないからな」


「はい、それで構いません」


「わかった」


 ルカを連れて家の外に出て、シロガネとクモガネ、アカガネとアオガネの四体を呼び出した。


「すっげぇ! 動画で見るより生の方が迫力ある!」


『ハルナ、こいつだれ? やってもいい?』


『凍らせていい?』


『凍らせるのだめだよクモガネ。やるなら燃やさないと』


『み、皆……お、落ち着いて……』


 一体一体をじっくり見るルカに物騒なことを言う三体を止めるアオガネ。こいつらの声が聞こえてなくてよかった。


「シロガネ、これを渡しておくよ」


 インベントリからオピオさんから貰った種を渡した。


『これ、何の花?』


「俺も知らないけど、とても貴重な種だって。シロガネなら花を咲かせれるだろう?」


『ふん、こんなの余裕よ』


 種を受け取ったシロガネは花畑の中心部分に種を埋め、アオガネが水を撒いた。


「あれは何をしているんですか?」


「種を埋めているんだ。シロガネは花が好きだからな」


「へぇ~モンスターにも色んな個性があるんですね。孵化する楽しみだな」


 ルカと適当に会話をして時間を潰し、気が付いた時には一時間は経っていた。


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