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第323話

「アカガネ、共鳴を解いてくれ」


『……わかった。クモガネ、あとはよろしくね』


『こんぐらい楽勝だよ』


 アカガネが共鳴を解いたことで雪の結晶のような模様がある白い翅に変わった。


「グオオオオオオオオ!」


 俺の分身体と戦っていたアイスタイタンは地面を強く蹴ると、地面から氷の棘を生やして広範囲に攻撃。俺は急いで届かない距離まで上昇して躱した。


「アカガネ、クロガネ! やってくれ!」


『『【共鳴技・スターダストブレイカー!】』』


 二体が一体化した球体が螺旋を描きながら舞い上がり、ぶつかると波動が広がり魔法陣が展開される。そこからジェットエンジンを搭載したドリルがいくつも出現して、一斉に発射されたドリルは一直線にアイスタイタンに向かって行った。


『ハルナ、アイスタイタンの脆い箇所を見つけたからそこを集中攻撃して』


「ナイスだヒガネ!」


 ドリルを操りヒガネが教えてくれた脆い箇所を集中的に攻撃することでどんどん体力を削っていく。


「アイスタイタン、命令だ。私に勝利を捧げろ」


 モンスターの目が光ると砕けて地面に転がっている破片からアイスタイタンが合計五体出現した。どれも同じ大きさで体力も見た目も全部一緒。こんなのどうすればいいんだよ……

 三体が俺の方に視線を向けてきて氷のブレスを吐いてくる。 


「ヘイムンダ!」


『気張りなさいよ小虫ちゃん』


 ヘイムンダが盾の窪みに嵌るとテントウムシのシルエットが浮かび上がる。


「【共鳴技・晴天の聖域】」


 盾を構えると俺を中心に温かい光が広がり氷のブレスを防いでくれた。ついでに俺の体力も回復していく。

 ヘイムンダとの共鳴技は設置型範囲で防御と回復の両立が出来る技だ。範囲内にいれば外からの攻撃を防いで体力と状態異常も回復。パーティーも適用されるのもありがたい。

 ブレスが効いていなのを理解したアイスタイタンたちは物理攻撃してくる。ドリルを操り邪魔をする。脆い箇所は一緒だったみたいで三体の体力はみるみるうちに削っれていく。


『ハルナ、そろそろ共鳴技が終わる』


 アカガネの言葉でドリルが薄くなっていることに気付く。三体の体力が残り一割の所で消えた。


『まだまだ戦えるからよ、ハルナ』


「アカガネ……わかった。コガネ、アームを全て同じのって可能か?」


『中心の窪みに嵌れば行けるよ』


「わかった。クロガネ、中心部に」


『はいはい』


『一緒に嵌ろクロガネ!』


『えっちょ!?』


 クロガネとアカガネが一つの球体になって窪みに嵌ると六本のアームが赤黒い巨大なドリルに変わった。


「え……そんなこと出来んの!?」


『なんか……できちゃった?』


『こっちもびっくりしてるから質問はあと。あいつを倒すよ』


「……それもそうだな。先ずはこいつらだな」


 頭上に待機している黒蝶に転移して真上から赤く回転しているドリルで二体を貫いた。後ろにいた三体目の攻撃を躱して腹を貫いて倒し切る。……残り二体。分身体が抑えてはいたけど体力は多少は削れているな。

 一体の後ろに居た分身体と入れ替わりアームの一つで拳を弾き、脇腹にドリルを打ち込む。二体が後ろから来るのを感じて、分身体と入れ替わり攻撃を躱す。二体はぶつかり体勢が崩れた。その隙に上空に舞い上がった。


「ここまで追い詰めるとはお見事! だけど、ここからが本番よ?」


 倒した筈の三体のアイスタイタンが二体の所に集まり出し一つになった。顔が三つで腕が何本も生えている異形の姿になった。


「霜の巨人……」


 新しい姿になったアイスタイタンの名前を俺は呟いた。

 体力は残り三割ぐらい。回復はしていないようだな。相手も本気っぽいし、全力で挑もう。


「アオガネも行くよ」


『ぼ、ぼく? わ、わかった……!』


 特殊なブーツな変わり、足の裏から一気に水を噴射して勢いをつける。 


「一点集中! 貫け!」


「やれ! 霜の巨人よ!」


 六本のアームを固めた攻撃と巨人の拳がぶつかる。


『クロガネ! もっと回転を挙げるよ!』


『言われなく、ても!』


 更に回転が早まり炎が舞い上がる。ミシミシと巨人の腕に入る音が聞こえた。……押し切れる!


「終わりのようだな」


 そんな声が聞こえてくると六本のアームが目の前で砕け散り、コガネとクロガネとアカガネの共鳴が解除されて空中に放り出された。


「くっ……!」


 三体を庇い巨人の攻撃をもろに受けて地面に叩き落された。


「だ、大丈夫……か……?」


 薄れていく意識の中で三体に声を掛けると、ゆっくりと起き上がり俺に寄り添ってくる。何か語り掛けてくるけど何も聞こえない……

 巨人が踏みつけてくるのが見えて急いで全員を戻しそこで俺の意識が途切れた。


次に目が覚めたら拠点のベッドの上だった。



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