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第298話

「アカガネは大剣、ゼクスは槍、ヘイムンダは大盾、ウシャスラは回転刃、ディルはクロスボウ、ニアは残りの一本にそれぞれ嵌ってくれ」


 それぞれに指示を出し大剣はマグマのような赤く光り、槍は電気を帯び、大盾は光輝き、クロスボウは対物ライフルに変形して、回転刃は刃が鉈のような刃になり、ニアが嵌ったアームは真っ黒に染まった。


「アオガネ、ヒガネ、テオクエ。お前らは俺の方に共鳴してくれ」


『お、俺を使うんだな。あの時のように解除する場所間違えるなよ?』


「分かってる」


 テオクエは俺のズボンと一体化すると、緑色の線が太股と脹脛の部分に入る。

 テオクエの共鳴は一定時間の身体能力の向上。だけど、共鳴を解いた時に使用した時間だけとてつもない疲労感に襲われるデメリットがある。テオクエに軽いノリで共鳴をした時は大変な目にあったな。


『ぼ、僕もいいの……?』


「おう、一緒にトオルさんを倒そうぜアオガネ」


『う、うん……!』


 アオガネは長靴と一体化し特殊な長靴になった。


『ハルナ、瞳はまだ四つだから使うタイミングは間違えないで』


「そうだったな、気を付ける」


 ヒガネとも共鳴して赤い瞳が二つ瞼の下に現れる。

 ……これで準備は整った。先ずは、トオルさんの視界を奪う。

 俺はニアが嵌った黒いアームから沢山の黒蝶を飛ばした。


「また黒い蝶かよっ! あの時は油断したがもう効かねぇぞ!」


 再び、トオルさんは赤いオーラを纏って、黒蝶に当たりながらも向かってくる。

 あの黒蝶には触れたらランダムに状態異常を付与する効果があるけど、あの赤いオーラはそれも無効にするのか……まぁ別にいいけどさ。

 トオルさんが目の前まで来た瞬間に、頭上にいる黒蝶に転移をして隙だらけの背中に大剣を振り下ろした。


「っ!? なめんなよ!」


 トオルさんは俺の攻撃を右手の大剣を操り軽々と防いでいく。

 空いた右脇腹に電気を纏う槍で突き、左脇腹には回転刃の同時攻撃を行った。

 左手の大剣で回転刃の攻撃を防ぐが、槍の攻撃は体を捻って躱すも掠って体力が減った。

 直ぐに離れた所にいる黒蝶に転移をして距離を取って狙いを定めて撃つ。

 トオルさんは剣を十字で構え、俺の一撃を防ぐが吹き飛んだ。

 ヒガネの瞳を使って砂煙の中のトオルさんを確認。……今ので二割は削れたみたいだな。

 トオルさんが大剣を振り砂煙を払った。


「やっぱお前と戦うの楽しいわ。もっと続けようぜ」 


「俺は早く終わらせたいんですけどねっ!」


 対物ライフルのクールタイムが終わりもう一発撃つ。

 トオルさんは剣を斜めに構え弾丸を受け流した後、もう一本の大剣を飛ばしてくる。

 その攻撃を大剣で防ぎ、頭上にある黒蝶に転移した。


「読み通りだぜ!」 


 さっき弾いた大剣が回転しながら俺の後ろに飛んできて空中で体を捩じり躱す。そのまま勢いを付けて大剣を振り下ろすもトオルさんは受け止めた。


「お前もハヤトみたいに身体能力たけぇな!」


 長靴から一気に水を放出し、ぐるんと回りかかと落としをぶち込む。


「ぐっ……! 攻撃が多彩だなっ!」


 トオルさんは力技で俺を撥ね退け追撃してくるのを、大盾で防ぎながら他の武器で攻撃で反撃した。

 俺とトオルさんの攻防は続きお互いの体力が減っていく。


「楽しいな、ハルナ!」


「俺は楽しくないですけどねっ!」


 腹に蹴りを入れて距離を取る。


「【共鳴技・力の解放】」


 テオクエの共鳴技でさらに身体能力が向上させる。これでさらに反動が大きくなるけどもここで決める。


「さぁ! 全力で来い!」


 凄い速さでで砂浜を駆け抜ける。


「【共鳴技・黒蝶の舞】!!」


 ニアの共鳴技を使い、宙を舞っていた黒蝶がすべて俺の姿に変わり紛れ込む。


「面倒くせぇな! 【竜巻大回転斬】!」


 トオルさんは両手を広げて体を回転させ、砂竜巻を起こし俺の分身を次々に消されていく。


「あれ? どこ行った?」


 トオルさんが回転を止め辺りを見渡すタイミングで真下の砂から飛び出し、巨大なドリルで一撃を入れて打ち上げた。


「【共鳴技・ハイドロテラカノン】」


 トオルさんの腹に水を高圧縮させ、一気に放出した蹴りを入れ吹き飛ばした。

 ……残りの体力は一割。トオルさんのあの攻撃が来るな。

 起き上がったトオルさんは不敵な笑みを浮かべた。


「あの日の戦いを思い出すなハルナ! あの時のようにこの一撃に耐えてみろ!」


 トオルさんは赤いオーラを纏い大剣を二本振り下ろすと、黒い特大の斬撃が俺の方に向かってくる。


「ディル、ヘイムンダ、テオクエ、ウシャスラ。俺に力を貸してくれ」


『ふふふ、いいわよ小虫ちゃん。さ、みんなやるわよ~』


『えー、ディルとやんの? 面倒くさいんだけど』


『我も断りたい』


『ちょっと先輩方! ハルナがやられたらニア様が泣いて、口を聞かなくなってもいいんですか!』


『それは、嫌だな……しゃーない今回だけだからな、ハルナ!』


『そうだな』


 テオクエとウシャスラ、ディルとヘイムンダは共鳴を解除し、俺の四方に移動した。


『ハルナ! 私も混ぜて!』


「え?」


 ニアも共鳴を解いて目の前に来る。


『みんな! 合わせて!』


『『『『仰せのままに』』』』


 四体から光が伸びニアに集まると、黒い球体が出現してどんどん大きくなっていく。


『ハルナ! いっくよー!』


「おう。【共鳴技・カオスホール】」


 黒い球体はゆっくり飛んでいき、斬撃と衝突すると、斬撃の力を吸収してさらに球体が巨大になっていく。


「嘘だろ……」


「トオルさん! そっくりそのままお返します!」


 黒い球体から高威力の光線が放たれ、直撃したトオルさんの体力は全て削り切り、ようやく戦闘が終わりを迎えた。



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