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第249話

 拠点に戻った俺たちはウィルに後で来ると伝えログアウトした。

 ヘッドギアを外して横になっているとお腹が鳴いた。


「腹減ったな……なんか作るけど、リクエストあるか?」


「本命のボスモンスター戦に備えて肉料理が食べたい!」


「肉料理? 作るの面倒くさいんんだけど……」


「俺と海都も手伝うからさ!」


「一言も言ってないんだけど……」


「海都も肉料理食べたいだろう?」


「まぁ食べたいけど……」


「ほら、海都も食べたいって言ってるしダメ?」


「わかったよ。ちゃんと手伝えよ?」


「よっしゃー!」


 颯音は足早に部屋を出ていく。

 どんだけ食べたいんだと俺は内心思った。

 三人で手分けして料理を作りもうすぐ完成な時にチャイムが鳴る。


「出てくるから、皿に盛っておいてくれ。先に食ってていいから」


 玄関のドアを開けるとそこには出張に行っている兄ちゃんが立っていた。


「兄ちゃん? 金曜に帰ってくるんじゃなかってけ?」


「予定が早まってな。いい匂いがすけど、昼飯中か?」


「うん。三人で食べ始めるところ。飯まだなら兄ちゃんもどう?」


「俺はいいよ。はい、これお土産」


 兄ちゃんから紙袋を受け取る。


「ありがとう。あ、言い忘れてた。兄ちゃん、おかえりなさい」


「ただいま」


 玄関のドアを閉めてリビングに行く。


「冬真兄! おかえり!」


「ちゃんと課題はやってるか? 颯音」


「うっ……ま、まだ終わってないけどちゃんとやっているよ!」


「そうか」


「お邪魔してます」


「いらっしゃい海都君。春名にお土産を渡してあるから一緒に食べろよ」


「はーい! やった、お土産だ!」


 自室に入っていく兄ちゃんの後ろ姿を見て海都が言う。


「春名の兄さんって出来る大人って感じがする。なんの仕事しているんだ?」


「兄ちゃんの仕事知らないんだよね。聞いても教えてくれなくて……まぁ危ない仕事じゃなきゃいいけどさ」


「ふーん、そうなんだ」


「二人とも飯が覚めちゃうから話は後で!」


「はいはい」


 早く食べたい颯音に急かされ話を中断して昼飯を食べ始める。

 昼飯を食べ終えた俺たちは部屋に戻り、颯音の課題を手伝う。


「うぅ……頭痛い……」


 テーブルで突っ伏している颯音のノートを取り上げて中身を確認する。


「大分進んだな。そろそろ時間だし、今日はこれぐらいだな」


「お、終わった……なんか、糖分を……」


「お土産を持ってくるから待ってろ」


 キッチンに置いてあるお土産を取りに部屋を出る。

 リビングに行くとテレビをつけてソファで腰かけてこくりこくりと船を漕いでいる兄ちゃんがいた。


「兄ちゃん、寝るなら部屋で寝なよ。そうだ、明日仕事なの?」


 兄ちゃんは大きな欠伸をしてから答えた。


「来週の月曜までは休みにした」


「そうなんだ。じゃあ今日はゆっくり寝て」


「そうするよ」


 眠そうな兄ちゃんを見送ってからお土産を持って部屋に戻ると、颯音が俺のベッドに横たわっていた。


「なにしたんだよ」


「戻ってくるのが遅いから少し休んでた」


「あっそ。これ食ったらログインするぞ」


「おう! いよいよメインイベントだな」


 苦笑交じりで海都が言う。


「午前中のもほぼメインイベントな気がするけどな」


「確かにな」


 兄ちゃんからのお土産を三人で食べてからログインする。

 ログインすると拠点の外で絵を描いているウィルと見守っている雫恩が居た。

 後ろから近寄って絵を覗き込む。


「おお、相変わらず上手いなウィル」


「おかえりなさい、ハルナさん。ありがとうございます」


「遅いですわ三人とも。モレルさんとルーシャさんなら先に来て、お店の方に様子見に行かれましたわよ」


「あ、じゃあ来たことを伝えるわ」


 二人にメッセージを送ると『少し待ってて』と返ってくる。

 その間に色々と準備をしよう。

 しばらくすると、拠点に二人が転移してくる。


「お待たせ! いつでも行けるよ!」


 ルーシャさんは頷く。


「こっちも準備は整っています。行きましょう!」


「いってらっしゃい」


 拠点に残るウィルと雫恩に見送られ樹海エリアに転移した。



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