表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
250/433

第248話

 海中を猛スピードで泳いでいくと前方でバチバチと点滅しだす。

 海都のリュウオウは電撃を放てる。先に追いついた海都が攻撃してんだろう。


『ハルナ! 更にスピードを上げるけど行けるか!』


『おう! 全力で行ってくれアオガネ!』


『任せろ!』


 更にスピードが上がるアオガネ。

 今までなら振り払われる可能性があったけど、水の抵抗もなくなり流されることはない。それに、水中でも呼吸が出来るようになっていた。

 【古代の支配者】……新しくアオガネが取得したスキル。効果は周囲の属性を支配する。ただし、自身の属性のみとしか説明はない。

 アオガネの属性は水。てことは、周囲の水……ここだと海ってことになるのかな?を支配することで、水抵抗も無くし、呼吸もできるようになったのかもしれない。

 これはまた……ぶっ壊れスキルだな。

 俺は内心苦笑した。

 そんなこんなんでようやく海都とリュウオウに追いつく。

 リュウオウは怪物の攻撃を躱しながら電撃を浴びせ足止めをしていた。

 怪物の回復力を上回る攻撃を浴びせているおかげで、怪物の体力は減っていっている。


『アオガネ、俺たちも遠くから――』


『進化した力を見せつけてやる!』


『えっ、ちょ!?』


 アオガネは猛スピードで怪物に突撃して、体に纏わり付く。

 怪物はアオガネを引き剥がそうと暴れ始める。

 必死にしがみついて耐えていると、海都からメッセージが来て『攻撃出来ないんだけど』と文句を言われた。

 そう言われても今の性格のアオガネは止められんって。海都に『少し待ってくれ』と返した。


 ――グオオオオオ!

 怪物は再び光線を溜め始める。


『【八岐大蛇】!』


 周囲に八つの竜巻が起こると、アオガネの姿になり、一斉に怪物に襲い掛かる。

 アオガネの攻撃により、怪物の攻撃はキャンセルされ暴れ狂う。

 怪物は無理矢理アオガネを引き剥がし逃走し始める。

 俺は海都に合図を出す。


『逃がさない!』


『アオガネ! ストップ!』


 アオガネの前に出て止め、顎下に触れる。


『少し落ち着けアオガネ』


『で、でも……!』


『今行ったら海都の邪魔になる』


 海都とリュウオウの攻撃により怪物は大渦に閉じ込められ青い色の雷撃を食らわせ大爆発が起き、上昇していく。


『アオガネ、【共鳴】を頼む』


『……わかった』


 アオガネは『共鳴』し、特殊ブーツに変わる。

 両足に付いていた水中用ビットが一個ずつ追加され、合計四つになっていた。

 水中用ビットから凄い勢いで空気が噴出され、一気に距離を縮め怪物の真下に。


『【共鳴技・タイダルアサルトカノン】!!』


 怪物の腹部を超圧縮した空気を発射してダメージを与えつつ浮上させる。

 打ち上げられた怪物を追い海面に出ると、颯音が見たことない技で動きを封じ、オピオさんが止めを刺した。


「ようやく終わった……」


 力を抜いて浮いていると、アオガネは共鳴を解いて背中に乗せてくれた。

 見下ろしているアオガネはどこかおどおどしていた。


『ハ、ハルナ……その……』


「お疲れ様アオガネ。良い戦いだったぜ」


『う、うん……!』


 嬉しそうな表情をするアオガネ。

 そんな話をしていると海都とリュウオウが近くで浮上した。


「お疲れ海都。派手なスキルだったな」


「そっちこそ。……なぁチートスキル貰ってるよな?」


 俺は頷く。


「俺もそっち側に来ちゃったか……」


「そっち側って……」


 思わず苦笑した。

 颯音とウィル、雫恩とオピオさんの四人が集まってくる。


「二人だけズルいなぁ……ねぇオピオさん! 俺にもください!」


「颯音、忘れていると思うけど、ヒスイとギンはもう最終進化だろ?」


「あ! そうだった!」


 颯音のボケで場が和む。


「お、宝箱が出たようじゃぞ」


 オピオさんが指差した方を見ると、海面に豪華な宝箱が置かれていた。


「開けますよ」


 代表して宝箱を開けると、金貨と色々な装飾と素材が入っていた。


「あれ? これって……オピオさんが探していた宝玉?」


 その中にはオピオさんの手伝いをした時に発見した宝玉を見つけ、オピオさんに見せると物凄く驚いた表情をしていた。


「オピオさん、これ。差し上げます。大事なものなんでしょ?」


「ああ。とても大事なものじゃ。こんなところで見つかるとは……」


 オピオさんに渡すと懐に仕舞った。


「ちなみにあといくつあるんですか?」


「……あと三つじゃ。そのうちの一つは見当がついている」


「じゃあ、あと二つか……なんかそれっぽい情報があったら伝えますよ」


「嬉しいが無茶はするんじゃないぞ? 約束じゃぞ?」


「わかりました」


 約束を交わしオピオさんは飛び去っていく。


「俺たちも戻るか」


「船で戻ろうぜ」


 インベントリに仕舞ってある船を取り出し、ゆっくりと拠点に戻った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ