第143話
第142話のラストを少し変えているので先にそちらを読んで頂ければ幸いです
「ゼクス、怪我は無いか?」
『は、はい……申し訳ございません、主……』
「怪我がないならいいよ」
ゼクスの頭を撫でて安心させる。
「はい、ビートル隊集合!」
アインたちを集合させ少し怒り気味に話す。
「お前たち油断し過ぎだ。ちゃんとモンスターが消滅したのを確認するまで気を抜くな」
『主、すまない……』
アインが謝ると他の五体も続けて謝る。
「ハルナが怒ってる」
「ハルナ君が怒るイメージがないからなんか新鮮」
「そうですね」
「ちょっと後ろ、黙ってくれませんか?」
ジト目で三人を見ると、三人は視線を逸らした。
視線をアインたちに戻し、目線を合わせるためにしゃがむ。
「お前たちが怪我するところなんて見たくないからな。次は油断するなよ?」
『次……? チャンスを頂けるんですか!』
「ん? もう戦いたくないならいいけど」
『『『戦いたいです!』』』
六体の声が重なる。
「連携は良かったから継続すること。次も頑張れよ」
アインたちは力強く頷いた。
「そっちは終わったのか?」
グレンさんとベオルさんがスケルトンを倒して戻ってきた。
「お帰り~もう少し早かったらハルナが珍しく怒ってるところ見れたよ~」
「へぇー珍しい」
「俺だって怒る時は怒りますよ!」
そう返すとケラケラと四人は笑う。
「ほら、行きますよ!」
俺は四人を置いて歩き出した。
薄暗い石レンガの通路を進んで行くとまたモンスターと遭遇。
今度は包帯をグルグルに巻いた人型のモンスターのマミーが現れた。レベルはさっきのスケルトンよりも低い20だ。
「アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュン、ゼクス。行ってこい」
『『『はっ!』』』
アインたちは一斉にマミーに突撃する。
マミーは包帯を伸ばして攻撃するも、アインたちは【角で突く】を発動させながら体を回転させ、マミーの包帯を躱し、マミーに攻撃をした。
アインたちは止まることなく動き続け、マミーを翻弄している。さっきと動きが段違いだ。油断もしていないな。
スケルトンよりも物理防御力が低いのかマミーの体力がどんどん減っていく。この調子だと倒せそうだな。
『【フォーメーション・トライアタック】!』
『『『おう!』』』
アインが合図を出すと三体ずつに分かれて三角形になるように陣形を作り、マミーを挟むように突撃する。
そして、アインたちは回転しだし、一本の大きい角になり、マミーに食らわせた。
断末魔の叫びを上げマミーは消滅した。
最後の技は何だろう?
スキルを確認してみると、六体は【フォーメーション・ダブルアタック】と【フォーメーション・トライアタック】の二つのスキルを覚えていた。さっきのスケルトン戦で上がって習得したんだな。
トライアタックの方が三体ずつになってパワーを一点に集中させて攻撃するスキルで、ダブルアタックが二体ずつってことだな。面白いスキルを覚えたな。
『主! やりましたぞ!』
アインたちは俺の周りに集まって褒めて欲しそうな瞳で見つめてくる。
「よくやったぞアイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュン、ゼクス」
俺は順番に頭を撫でて褒めた。
「ハルナ君を見てると私もテイムしたくなったな」
羨ましいそうにモレルさんが俺の隣に来て呟く。
「虫系なら協力できますけど」
「虫系か……どうせならハルナ君と別がいいかな」
「そう言えば掲示板にテイムの仕方が載っていたな、あれはお前が載せたのか? ハルナ」
グレンさんが聞いてくる。
「前にちょっとしたトラブルがあってそん時に公開する約束したんですよ。別に隠しているわけじゃなかったので」
「あ、その掲示板なら私も見た!」
エレナさんも俺が書き込んだ情報を読んだようだ。
「嘘情報だったら信じなかったけど、発信者がハルナなら本当のことよね。今度やってみようかしら」
「頑張ってください、エレナさん」
「よし、次行くぞー」
俺たちはピラミッド内を更に進む。
遭遇したモンスターは片っ端から倒していく。ただ、倒したのはゾンビ系やスケルトン系など。虫系のモンスターは一体も出てこなかった。
俺の加護の効果で出ないのか? そんなことは書いてないしわかんねぇな。
ピラミッド内を大分進んだけど、結局ボス部屋は見つからずグレンさんの判断で今回のピラミッド攻略は中断することになった。
外は変わらず青空が広がっていた。なんか久しぶりの外だな。
「この続きはアプデ後だな。そんじゃ街に戻るぞ。」
俺たちは街行きの幌馬車に乗り込み街に戻ることにした。
次回の更新は2/19に予定しております。




