第126話
大変遅ればせながら明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
朝食を済まして時間になるまで課題をやり、俺と颯音はカイトとの待ち合わせ場所の学校に向かった。
「休みの日に学校に行くのって何か変だね」
「そうだな」
颯音としゃべっていると学校が見えてきて、校門前に金髪で不良っぽいの見た目の男性がスマホを弄っていた。
俺たちと目が合うとその男性は立ち上がった。
「ハルナとハヤトで……あってるよな?」
「てことは、カイト?」
「正解」
カイトは歯を出して笑った。
「小日向春名。春の名って書いて春名」
「立川颯音です。颯の音って書くんだ」
「奥空海都だ。海の都でカイトだ。こことで立ち話もなんだし、どっか行こうぜ」
「海都、飯は食べたのか?」
「まだ食べてない」
「俺たちもまだだから、駅近くのファミレスにいこう」
「おう」
俺たちが歩き出そうとすると一台の黒い車が俺たちの前に移動してきた。
扉が開くと黒いスーツに黒いサングラスの男性が出てくる。
「坊ちゃま、お乗りくださいませ」
「「坊ちゃま?」」
俺と颯音は海都に視線を送ると、海都は嫌な顔をした。
「忘れてくれ二人とも。歩きで行くから先に帰っててくれ」
「畏まりました」
男性は一礼してから車に乗り去っていった。
「聞かない方がいいか?」
「あはは……そうしてくれると助かる」
「了解」
「お腹空いたから早く行こうよ二人とも」
颯音に催促されて、俺たちは校門前を後にした。
しばらく歩き駅に着いた。適当にファミレスを選べ、店員に料理を注文をする。
俺たちは雑談しながら料理が運ばれてくるの待つ。
「明後日、大型アップデートが入るね」
「そうだな。あれから公式からは情報ないけど」
「とりあえずクラン作るんだろう? 名前はどうするんだ?」
海都に聞かれて俺と颯音は考える。
「海都坊ちゃまと愉快な仲間たち」
「ここで弄るなよ! そんなふざけたのはいいから真面目に考えろよ、春名……」
「半分はふざけた」
「半分は本気なのかよ……」
溜め息をつくカイト。まぁ全部冗談だけど。
考えていた颯音が口を開く。
「テイマーズなんてどう? 俺と春名はテイムしているし、海都もドラゴンをテイムする予定だから良いと思うんだけど」
「シンプルで良いと思うぜ。海都は?」
「春名のよりかは断然いい」
「俺の案はいいんだよ。海都も賛成みたいだからそれにしようか。リーダーは勿論、颯音だな」
「は!?」
颯音は声をあげて立ち上がる。
周りの視線に気づいた颯音はペコペコと頭を下げて静かに座る。
「なんで俺なんだよ」
「リーダーやるの面倒だし、俺結構騒ぎ起こしてるじゃん? だから颯音にやって欲しい」
「それなら海都坊ちゃまに」
「颯音まで揶揄うなよ……マジで忘れてくれ……」
そんな会話していると注文した料理が次々と運ばれてくる。
俺たちは食事しながら話しを進める。
「このゲームをやるきっかけになったのは春名だから、春名がリーダーが良いと思います。な、海都」
「俺もリーダーは春名だな」
「て、ことだけど?」
「多数決はズルいって……」
俺は溜息をつく。
「わかった、俺がやればいいんだろう」
諦めて了承したら颯音と海都がハイタッチをする。こいつら……
談笑しつつ食事を終わらせ、お金を払ってお店の外に出る。
時計を見ると時間は昼の三時を少し過ぎたころだ。
スマホを見ながら海都が尋ねる。
「この後、どうする? どっか寄ってく?」
「そうだな~ゲーセンとかでもいいけど」
「はいはい! レゾナンスオンラインがしたい!」
俺と海都は顔を見合わせてから笑い合う。
「颯音の意見に賛成」
「俺も」
「じゃあ決まり! あ、そうだ。海都と連絡交換してなかった」
「確かに」
互いに連絡先を交換を今更した。
すると、お店の前の道路に黒い車が停車した。
「海都坊ちゃま、迎えがきたようだぜ」
「ああ! もう!」
怒った海都は車に乗り込んで勢いよくドアを閉めた。
ガラスが下り車内から海都は顔を出す。
「あとで連絡する」
「了解。とりあえず……二時間後ぐらい?」
「そうだな、じゃあまた」
海都が乗った車が去っていく。
「颯音は今日も泊まっていくのか?」
「うーん、ちょっと母さんに聞いてみる」
颯音は電話をかける。
電話が終わる待っていると兄ちゃんからメッセージが送られてくる。
今日は帰りが遅いのか。夕飯は適当でいいかな。
「春名、許可取れたよ」
「おう。兄ちゃん帰りが遅いから夕飯買ってから帰るぞ」
「はーい」
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