方針
『【付呪】アクティブスキル 特殊能力が付いているアイテムを破壊する(耐久値があるアイテムに限る)事で特殊能力を別のアイテムに移す事が出来る』
『召魔の石 通常の魔石とは異なる特別な魔石。中から何か力を感じる』
「んー、これどうなのかな?」
「多分ハチ様なら使いこなせると思います。そもそも【付呪】を持っている方が居ないので上手く使ってみてください」
「持ってる人居ないんだ……じゃあ僕だけのオンリーワンなスキルだ」
比較対象が居ないんじゃ使えるか使えないかも分からないな?でも僕だけが持ってるなら嬉しいな
「称号もかなりハチ様だけが持っている物がありますよ?」
「そうだったんだ。これからも色々取れる様に頑張っちゃおうかな?」
取れるかどうかは分からないけど
「それでハチ様……とても申し訳ないのですが、今回の公式動画の件でお話があります」
「はい、なんです?」
「編集の結果。ハチ様のシーンは全カットになってしまいました……」
「あれま、全カットですか……それは編集大変でしたね」
僕の出た所を全てカットするって事は僕に関連した人もカットされてしまった可能性もあるし、僕のせいで公式動画に出られなかった人ごめんよ……
「予選は煙でほぼほぼ使い物にならなかったのと、火の鳥からキリア様を守るシーンは煙が晴れていたので使えるのでは?と具申したのですがパーティ戦でもないのに守っているのはどうなんだ?とNG……心臓抜きはもちろんNGで、ガチ宮様との戦闘は一人だけ格ゲーみたいな事をして他の人が勘違いを起こす可能性があるからNG。決勝戦のアレは自分でやっていましたよね?」
「あはは……流石にあれは露骨過ぎたかな?」
「いえ、普通の方はロザリー様の突きで飛ばされている様にしか見えませんでしたよ?魔法の発動が分かるので自分で後ろに飛んでいるのは理解出来ましたが」
「流石にアレは痛そうだったからね……まぁ見る人が見たら自分で下がってるのは分かっちゃうかもしれないし、そんなの公式動画に載せたら舐めプだなんだと言われるかもしれないからNGって訳ですね?僕の存在は抹消された方がゲームの為ですね」
公式に消された男……なんかカッコイイな!
「本当はハチ様の事も動画で使いたかったんですが……」
「いーよいーよ、オーブさんは僕が何をしたかは分かってるんでしょ?それなら僕は問題無いから」
「んー、流石としか言いようがありませんね……」
「ん?」
別に公式動画に出たかった訳じゃ無いし、オーブさんが真相を知っているならそれで僕は充分だ
「とりあえず元の場所に戻してもらえる?」
「分かりました。そういえばお体の方は大丈夫でしょうか?」
「あぁ、あの時は結構辛かったけど今はもう大丈夫!これからも冒険頑張っちゃうぞー!」
「本当に大丈夫そうですね?分かりました。ではイベント前の元の位置に転送いたします」
「お願いしまーす!」
オーブさんに手を振り、森に転送してもらう。あぁ、シュワシュワ体が溶けていく~
「おっと」
転送された後、若干宙に浮いた状態で森に戻って来た。着地体勢を取れたので腰から落ちるっていうドジは回避だ
「ん?メッセージ?」
メニューを開くとメッセージが届いていた。ハスバさんからだ
「えっと、なになに?『もし、街の外に居るなら街に戻ってきてはいけない』?」
君を探している人達という題の動画が添付されていたので見てみると街に居る人達が「あの白ローブの奴はどこだ!」「誰か見てないのー?」「アハッ!どこにいるのー?」とファステリアスの街を探し回っている姿が映っていた。最後の人めっちゃ見覚えあるぅ……ここに戻るだって?絶対嫌だ。怖すぎる
「うーん、村に避難するのが一番なんだろうけど……街に行かないと泉で村に転送出来ないよなぁ」
泉があるのは街の中だ。歩いて村を目指すとしても何処に向かって行けば村に着くかも分からない。ファステリアスの街が一気にセーフティエリアから危険エリアになってしまったぞ?
「いや、待てよ?」
ファステリアスの街が危険なエリアになったのならいっそのこと次の街に行くのもアリなのでは?
「えっと確か……」
ハスバさんからの前のメッセージを見る。何か情報が書いてあったハズだ
『気に入らなかったのならすまなかった。ボスの件だが、街を北方向に進んでいくと次の街に進む道がある。そこに立ちはだかるボスが1体居るぞ?あとこれは極秘だが、手伝ってくれた君なら良いだろう……街の南東に進むと小さなダンジョンがある。そのダンジョンの隠し部屋にかなり強いボスが居るらしいぞ?一応マップも載せておく。最後に君には才能があると思うよ』
レベル上げでボスを倒そうとしていた時にしたやり取りのメッセージだ
「そうだよ!北だ!」
北の方向に次の街への道とボスが居る事を思い出す。これだ。僕の活路!
「次の街に行っちゃおう!」
ファステリアスの街にビクビクして行くよりも次の街に行こうと、僕の方針が決まった




