装備成長
「終わったな、私は街に戻るが……ハチ君はどうするんだ?」
「僕はまだこの辺を見て回ります。そういえばハスバさんはイベントに出るんですか?」
ボス戦も終わり、報酬も入手したのでハスバさんは街に帰るらしいけど僕はもう少しここに居たい。ついでにイベントに出るかも聞いておこう
「ん?あぁ、私は出るぞ。ハチ君も出るのか?」
「はい、一応ソロ枠で出ます。無制限で」
「無制限か……なら何処かで当たるかもしれないな?」
「ハスバさんも無制限のソロで出るんですか?」
「あぁ出るぞ!出てこの恰好をまだ見ぬ初心者に見せつけたい!」
「あぁ、出会ったら他の人の為にもすぐ仕留めないと……」
この恰好を受け入れられない人も居るだろうから出来るだけ早く倒さなきゃ……
「冗談でもシャレでも無く、君だとそれが出来そうだ……」
割と本気のトーンで喋るハスバさん。レベルはハスバさんの方が上なんだからそこまで身構えなくても良いのに……
「とりあえずハチ君はまだここに残るんだな?ではここでさらばだ」
「はい、お気をつけてー」
ハスバさんが門を通り部屋から出て行った
「ハスバさんもライバルになるのかぁ……」
正直最後の攻撃で僕の手札の大半を見せてしまった感がある。そう考えると何だか複雑な気分だ。一緒に戦った仲間だけどイベントでは敵になる……まぁハスバさんなら遠慮なく攻撃出来るか
「とりあえず新しく入手した魔法を確認してみよう」
レベルアップした事で入手した魔法を確認してみる
『ライフシェア 消費MP0 現在HPの半分を対象に与える(最大HPを越えた分も追加される)』
『コンバートマジック HPを1消費すると10MP回復。10MP消費すると1HP回復する』
『インパク 消費MP5~100 ノックバック効果を発生する。消費MPが多いとノックバック範囲が上昇する』
これが今回覚えた魔法。なんかやっと他の人のHPを回復しやすくなった気がするなぁ……
「【インパク】は中々使い勝手良いかも?」
消費MPによってどのくらい効果が違うのかは分からないけどノックバック効果は使えるね
で、レベルアップの時に気になった一文があったんだよね
覚えた魔法の後ろに『一部装備に変化』と書いてあった。なんだろう?
ステータスを開き、装備の欄を見たら全部にビックリマークが付いている……一度確認しよう
「わお……」
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アストレイ・オブ・アームズ
レアリティ ユニーク
全ステータス +22%
耐久度 破壊不可
特殊能力 成長武装 自身のレベルに合わせて武器の性能が上昇する
本来人間には装備出来なかった紋章を魔物達の協力によって無理矢理装備出来る様に作り出された本来の紋章とかけ離れた全く新しい紋章
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無形の仮面
レアリティ ユニーク
HP +250
MP +350
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)成長装備 (※2)形状変化
(※1 自身のレベルに合わせて防具の性能が上昇する ※2 形状を自在に変化させる事が出来る)
とても古い物のはずだが全く古さを感じない真っ黒な仮面。戦闘人形ピュアルの感謝の念が込められている
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オーブ・ローブ
レアリティ ユニーク
全ステータス +35
耐久値 破壊不可
特殊効果 成長防具 自身のレベルに合わせてこの装備の性能が上昇する
とある存在が負けず嫌いの精神で作り直したローブ。壊れないだけではなく、装備者に合わせて強くなる性能が追加された
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掴み取る欲求
レアリティ ユニーク
全ステータス +40(制限中)
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)リミッター (※2)幻影手 (※3)畏怖奪掌
(※1 現在のレベルによりこの装備の能力が制限される ※2 両拳を打ち合わせる事で発動可能。1分間実際の腕が見えなくなり、虚像の腕が現れる 一度発動すると1時間再使用不可 ※3 恐怖の状態異常中の相手が装備している防具を無視した攻撃が出来る。攻撃に成功した場合、恐怖の状態異常を取り除く)
己の欲する物を全て掴み取った者が生み出したガントレット。秘められた力がある……らしい
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踏み躙る自我
レアリティ ユニーク
全ステータス +45(制限中)
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)リミッター (※2)戦意奪略 (※3)幻影脚
(※1 現在のレベルによりこの装備の能力が制限される ※2 この防具を装備し、敵の頭を踏みつけた場合、恐怖の状態異常をその敵に付与する ※3 どちらかの踵を2回連続で地面に当てると発動可能。1分間実際の脚が見えなくなり、虚像の脚が現れる 一度発動すると1時間再使用不可)
どんな状況でも自身の主張を押し通した力ある者が生み出したグリーブ。秘められた力がある……らしい
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レベルが上がったからか装備が成長した。エゴとイドに至っては新しい能力も追加されてる
「イベントは明日……これは練習しなきゃ!」
能力の確認を済まし、ボス部屋から出ると魔法陣がボス部屋の前にあった。これは乗るしかない!
「やっぱり!脱出用の魔法陣だったんだ」
後ろを振り返れば石のドーム。ダンジョンからの脱出に成功したみたいだ
「よし、じゃあ今日の寝床を作ってログアウトだね」
街で宿屋を探す……では無く、森で素材を集めて寝床を作る。ボスを倒した後のテンションもあってか意気揚々と僕は森の中に突き進んだ




