法外コンボの為に
「ヘックスさん!大至急作って欲しい物が有るんだけど!」
「お、おぉ?どうした?そんなに急いで……」
新しく、僕専用のメモリードコアを作って欲しい事。これが出来ると多分凄い事が出来ると説明して、忘れずに熱操作機能付きの錬金釜の設計図も渡しておいた。これで釜は割とすぐに出来るだろう
「なるほど……一応聞くが、そうだな……そのメモリードコアは何を重視した作りにする?記録出来るスキル数を増やすとか、記録出来るスキルは1つのままで、ドンドンその内容を切り替えられる様にするか、戦闘中でも確実に壊れない耐久性だとか、重視したい物は幾つか有る気がするが……」
確かに、そう言われると何を重視するかは結構大事な事かもしれない。今後の事を考えるなら……相手の能力を【ソウルマニピュリア】で覚えるとして、ステータスを使ってコアにスキルを記録するのであれば、多分そんなに多くのスキルは一度の戦闘で覚える事は難しいだろう
「そうだなぁ……」
習得難易度が低いスキルは多少のステータスで覚えられるだろうけど、難易度が高いスキルだと、多分かなりのステータスをその戦闘中使わないと覚えられないかもしれない。で、そういうスキルの適性が高いステータスを使うと、より使える様になるって事は、例えば足が速くなるスキルを習得する為に素早さのAGIを多めに消費しないと覚え難い。結果として覚えても速度がそんなに変わらない。みたいな事が発生する気がする。それに覚えたら片っ端から付呪大全に記録するだろうから、複数記録出来てもあんまり意味が無い様な気がする。一応、安全対策というか悪用を避ける為に、所有者から離れたら内部のデータも消えるみたいな形だとなお良い
「記録出来るスキルの数は1つで良い。だから、そうだな……これにすぐ情報をアウトプットする速度を上げられるかな?後、万が一奪われた時の事を考えて、僕の手から離れたら、内部のデータは全て消えるみたいな……」
僕の【魔糸生成】で作った帯状の糸を出して、情報の転写する速度を上げられるか聞いてみる。ついでに安全装置も付けられるか
「確かに、さっきの話を聞く限り、コイツはあくまで中継の立場だ。どれだけロスを出さずに素早く伝えるかが大事だな……分かった。このコアの強化の方向性は決まった。安全装置の事とかを考えると、装備者の魔力を登録して、その魔力が無い時は内部の記録データは消える様にしよう。そうすれば、記録したデータが欲しくない物だったりしたとしても、すぐに廃棄する事が出来る」
えーっと……つまり僕がこの装置のメモリーカード的な役割になるのかな?僕が離れる。僕の魔力を感知出来ないと記録出来ない状態になるみたいな
「何らかの我々にも必要そうなスキルを入手したとしても、ハチが付呪した物を我々に提供してくれればそこから加工も可能だろうし、メモリードコアの容量が1であるならば、こちらでも情報を受け取れる機構を作れば今まで通りにも使える。まぁ、ハチにはその装置に来てもらう事になるが……」
「そうだね。装置の所に行くか、付呪した物を提供するか、そのどっちかで良いってだけでもかなり助かる」
これでいよいよメモリードコアの改良案も固まって来たな
「それで、出来そう?」
「色々と皆と協力して作らねばならないから、3日くれ」
「分かった。それじゃあ任せたよ」
「あぁ、任された!」
そうして、ヘックスさん主導の下でメモリードコアの改良が施された
「ハチ。出来たぞ」
そうして何やら枝分かれしているラインが入ったスマホサイズのプレートを渡された
「それが、今の我々の技術をガッツリと突っ込んだメモリングプレートだ」
『メモリングプレート 使用者を設定し、スキル、魔法を1つだけ内部に記録する事が出来るプレート。魔法陣としてデータを紙等に転写出来る。使用者と専用の機器以外の手に渡った場合、内部のデータは消去される』
メモリードコアより持ちやすいし、帯状の糸に魔法陣としてスキルや魔法を転写出来るのは非常に助かる。この機能があるだけで凶悪度がマシマシになった。という事で、早速オーブさんの所に行って適度なナーフをしないと……
「ありがとうございます。あ、そう言えば錬金釜ってどうなりました?」
「あぁ、あれはすぐにニコラが取りに来て持って行ったぞ」
行動が速い。早速使ってるのかなぁ?
「急なお願いをありがとうね!じゃあちょっと行って来る!」
「あぁ」
そうして、プラクティスゾーンのオーブさんの下にやってきた
「という訳で、こういう組み合わせをする事で、多分理論上はとんでもない数のスキルや魔法を覚える事が出来てしまって、職という仕組みを破壊しかねないので、何か程良い弱体化をした方が良いんじゃないかと思って、伝えに来ました」
「そう……ですね……これは流石にヤバいです。ハチ様じゃ無ければ多分既に使いまくってとんでもない事になっていたかも……一時的に使用出来るとかならまだしも付呪大全は記録して使用しても消えませんから……」
オーブさんもこれはヤバいと思ったみたいだ
「えーっと、だから……これは……【ソウルマニピュリア】にめっちゃ長いリキャストを付けるとかで、どうにかなりませんか?一度使用したら1週間とか3週間とか……」
多分、今僕がこの能力を得る事で重要な立ち回りは、僕が手に入れた今までのスキルには触れさせない事だろう。後は、【ソウルマニピュリア】で使用したステータスが戦闘終了時にしっかりと戻って来る事。この辺りで手を打ってもらえないと今回のコンボは封印する事になってしまう




