遊び心
「いやぁ、凄いなぁハチ!あの部屋とか何だ?」
「す、すみません……邪魔しない様にと抑えていたんですが……」
飯綱さんにコブラツイストされながらワクワクした少年の様な笑顔の花魁スタイルのウカタマ。凄い絵面だなぁ……
「いや、まぁ仕方ないよね。こんな面白そうな所に来たらそりゃあ色々見て回りたいって気持ちにもなるよね」
飯綱さんもウカタマを抑える為に色々と動いていたけど、目線がキョロキョロと周りを見ていた。飯綱さんも気になって仕方ないだろうなぁ……
「まぁ、今まで放置してたし、警戒網も少し緩めたから余裕があるかな。少し案内しようか。少し席を外しますね」
「お任せください!」
トーマ君なら大丈夫だろう。よし、2人が納得するまで案内してあげよう
「と、こんな感じ?」
「「おぉぉ~……」」
色々と紹介して行ったら2人共ワクワク顔から納得顔になって行った。何か分からないけど、凄そうな物から、何故そういう物が有るのかと分かったからか、より凄いと理解した感じだ
「なんか……思ってた以上に凄い事になってましたね……」
「普通に理解出来る範疇越えてるぅ~」
まぁ、これで適当にボタンを押すとかはしないだろう。いや、むしろ何も繋がってないボタンだらけの部屋に詰め込んだ方が良いのか?
「ネレイドさん。映像が見れる様な物って今から造れますかね?」
『疑。映像が見れる物とは?』
「ネレイドの艦内、艦外、偵察ドローンの映像とかを見れる機材があれば、それを見て、ボタンを押せばその部分の映像が見れる様に出来れば、艦内をウロチョロしないし、ついでに監視員としても機能するかも知れないから……どう?出来そう?」
ボタンを押す度にカメラを切り替えるモニター的な物が有れば、何かしら触りたい気持ちも解消出来るし、何なら何かしら問題を見つけたら報告してくれる可能性もある。これならこの2人を縛り付けるとは言わないが、ウロチョロはしなくなるだろう
『了。即座に製造します』
どうだろう?多分ネレイドさんが集約している映像を見る端末的な物を作るだけなら意外と早く……
『報。完成しました』
「早過ぎない?」
『報。実質私の見れる映像を見る権利の様な物なので、とても簡単です』
ウチの潜水空母優秀過ぎ……
「ほい、それじゃあ君達2人に任務を与える!これを見る事で艦内、艦外に何かしらあったら報告して欲しい。どうかな?」
任務という事にしておけばこの2人ならしっかりやってくれるだろう。これなら誰も不快にはならないだろう
「やります!」
「よし!やろう!」
「オッケー。それじゃあ2人には監視を頼むよ!」
よし、これで完全に2人は艦内を見回りしつつ、艦外も見る事も出来る。これでかなり2人の暴走を抑えつつ、仕事を与える事が出来た。これなら万全だ
「これで2人に完全な役割を割り振る事が出来た。やっぱり、このネレイドに乗るのであれば、何かしらの役割は有った方が良いからね」
『報。今までは不完全な監視でしたが、これで完璧な監視任務にあてがう事が出来ました。素晴らしい配置です』
『報。お2人には監視任務をお任せします。異常を検知したら、すぐに報告をお願い致します』
何か、僕のネレイドさんとの通信機以外に、ウカタマ達が持ってる端末からもネレイドさんの声が聞こえて来た。ちょろっと覗き見る形で確認したらネレイドさんの顔も右下に映ってたし、それに異変を見つけたらって……何かそういうゲームもあった様な気がするなぁ……
『報。たまに映像の中にぷちネレイドさんが現れます。現れたらタップして集めて下さい。集まった数に応じて報酬をご用意します』
「遊び心も入ってるなぁ?」
まさかのたまにぷちネレイドさんが現れるとかいう遊び感覚で映像を切り替えさせて異変があれば報告するという、そういう所で遊び心を入れる事で仕事としての効率を上げさせるのはやるなぁ?
「おぉ!魚だ魚!」
「沢山泳いでますね」
まぁ、基本的には山というか、何というかな所に住んでるからなぁ?最近は空島に人魚が泳いでたりするけども……こういう完全に水中で魚が泳いでいるのを横で見るみたいなのは無かったかな?
「よし、これでこの2人はもう大丈夫かな」
もう完全放置しても問題無いだろう
『ちょっと~?今敵も居ないし、ハチの船に乗ってみたいんだけど?』
「おや、この声はキリエさんかな?」
『そうよ。単なる紹介じゃなくて、普通に乗ってみたいんだけど』
そういえば乗せるって言ったっけ?まぁ、それなら1回は乗せるかぁ
「分かりました。なら降りて来てくれたら乗せますよ」
『了解。今行くわね』
さて、キリエさんが来るとなると、キリアさんも来るな?じゃあ何かしら用意した方が良いかも
「お、来た来た。乗って下さい」
ネレッサーで迎えに行くと、やっぱり2人が来たうん、しっかり飛行ユニットを使ってる。これはレポートも持って来てくれている可能性があるかも
「一応言われてたレポートもついでに持って来たわ」
「アハッ!遊びに来ちゃった!」
「レポートありがとうございます。それじゃあ行きましょう」
早速2人をネレイドに連れて行こう




