荒波に揉まれよう!
「よしよし、ちょっと傷が付いてるけど航行に問題は無いだろうから、ちょちょっと修理すれば売値も良いんじゃないかな?」
巨大な船だし、少しでも高く売れた方が皆嬉しいだろうから、目に見える傷はリペアリキッドとかで修理しておけば査定でもマイナスされる事が少なくなるだろう
「お、お宝回収してきました!凄い量でした!」
「オッケーです。それじゃあ船も回収してしまえば終わりですね」
こういう船を潰していく事でより強い海賊が出て来てくれると楽しいんだけどなぁ?
「ほ、本当に凄いですね……」
「いやぁ、でも実はこれって僕の技術とか確か全く入っていないハズですよ?」
シャコーの箱については信楽さんから買ったというか物々交換しただけだから僕の技術的な物は一切介入していないハズだ。まぁ、これから解析して僕らの技術も突っ込んで行くつもりだけど……
「え!?」
「いやまぁ……確かマウントアイテムとかって、乗らない時はアクセサリーサイズに出来たりするじゃないですか。その辺の技術を上手く活用すればこういう風に持ち主が居なくなった乗り物をマウントアイテム的な感じで収納するみたいな事が可能になるんじゃないですかね?」
完全に想像で話しているけど、確か馬のマウントアイテムとかは蹄鉄みたいな物とかになって使わない時は持ち運びも楽になっていたと思う。ダイコーンさんと一緒にトラフォタイト云々でマウント屋に行った時に見た気がする
「た、確かに……そう言われるとハチさんが絡むだけで物凄い技術に見えているだけで、実は私達でも再現可能な物の可能性が……?」
まぁ、品質とか、機能を削減した類似品が作れる可能性が無い訳では無いと思う。僕らには色々と他の人には入手し難い資源がいくつか入手しやすいっていうのが僕らの利点の1つでもある。技術力だって、僕が知らないだけで凄いクラフターさんとか居れば、再現どころか越えていく人が居たって不思議じゃない
「そうそう。そうですよ~。さ、帰りましょう」
「いやいやっ!?やっぱりこのネレッサー……でしたっけ?これの技術力とかおかしいですよ!?」
ちぃっ……誤魔化せなかったか……
「まぁ、今はまだ無理かもしれませんが、その内皆ゲーム内で空を飛んだり、海を自由に泳いだりするんですから。それをちょっと早く使ってるに過ぎませんよ」
ゲームというのは基本的に後半になればなるほど強くなって出来る事も増えていく。より良い物を作れる様になっていく。ただ、そのペースは人によって違うし、進み方も違って来る。常に最前線を走りたい人も居れば、まったり進みたい人だって居る。その中で僕は色々とNPC達と交流しながら遊んでたらこういう事になっていたってだけだからなぁ……
「ハチさんの遊び方でどうしてそうなるのか……って本当に思います」
「まぁ、そう言われても結果は結果ですから……さ、アルバトロスの近くまで送りますから帰りましょう」
船の回収も終わったからもうここでやる事も無い。となると何時までもここで時間を潰してないで帰るしかない。僕らが出ている間にまた何かしらの敵が出て来る可能性だってあるんだから、いつまでも無防備でいる訳には行かない
「あ、ロープが降りて来ましたよ」
マンマミーヤンまで戻ってきたら、アルバトロスからロープが降りて来た。これならアイリスさんがすぐに戻る事も出来るだろう
『あ、ハチ。一応飛行ユニットの使用感のレポートを頼んでくれ』
あぁ、そういえばそうだった。一応しっかりそういう事を言っておかないと
「アイリスさん」
「はい」
「あの貸し出してる飛行ユニットの使用感のレポートとか出来れば纏めて置いてくれると助かります」
「分かりました!またいつでもお手伝いするのでいつでも呼んでください!」
次の敵船が来たら今度はロザリーさんとかに要請するのも良いかなぁ……
「そうですね。敵船の雰囲気から相性が良ければ呼ばせてもらっても良いですかね。場合によっては他の人の方が相性が良さそうだったらその人に協力要請をするかもしれませんが……」
「うぅ……出来れば全部私を呼んで欲しい所ですが……敵との相性なら仕方ありませんね……」
まぁ、海賊相手に相性とかあるかどうかは分からないけど……
「あはは……まぁ出来ればアイリスさんにまた協力してもらえたら。それではまた」
「はい。また!」
「またねー」
イクエちゃんも一瞬顔を出して挨拶だけしていった。一応手は振り返しておこう
「さて、現状はどうなりました?」
「報。救助活動は完了。敵船の接近は特にありません」
お、特に問題無い様で良かった。ふむふむ……これ結構良いかも。アルバトロスから人員を借りて敵船攻略……何ならマンマミーヤンから戦いたい人とか居たら借りるのも面白いかもしれない。これはイベント楽しんでると言えるんじゃないか?
「白玉さん。ちょっと護衛薄くして、もう少しマンマミーヤンの皆に緊張感を与えた方が良いですかね?あんまり安心安全感あり過ぎてもイベント参加感が無いかなって……」
『いやいや!?安心安全の何がいけないの!?私達商人やら料理人は普通は戦場に立たないからね!?全員をそっちに居るホフマンと一緒にしちゃダメだからね!?』
「うーん、それならやっぱり皆も荒波に揉まれた方がホフマンさんみたいにたくましい料理人、商人になるんじゃないですかね?どうです?白玉さんももう少し荒波に揉まれません?」
何なら僕が荒波を起こしても良いけど……




