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出合い方

「白玉さーん」

「ん?もう普通にゴンドラも使わずに船に乗って来る事に驚きもしなかったけど、何かしらハチさん?」

 お、白玉さんも慣れて来てくれたかな?


「ちょっと敵を倒してきてお土産があるんですけど、要ります?」

「貰える物は貰え……まって?先にそれが何かから教えてからにして?」

 お、警戒してるねぇ?


「ゲソ足ですね」

「ゲソ足か~。炙ってお酒と……いや、ハチ君の事だからどうせただのゲソ足では無いわね?敵を倒してきてお土産……まさかクラーケンのゲソ足とか……」

「あれま、当てられちゃいましたか」

 インベントリから巨大なゲソ足を取り出す。フェプシックで浮かさないとマンマミーヤンが傾くだろうし


「あはは……当て……ちゃった?」

「これ、使います?使わないならホフマンさんに回しますけど」

「ウチでも使わせてもらうわ。お金……じゃない方が良いんだっけ?えーっと、何が良いかしら?」

「そうですね……じゃあ後でゲソ足で作った料理を貰えると嬉しいですね。あ、バンバンジーサンドも頂きましたが、すっごく美味しかったです!他にも食べてみたいなって思ったんで、それで!とりあえず1本置いて行きますね!まだ9本あるので、使い切ったらホフマンさんにご一報ください。では!」

「あ、ちょ!」

 ウチでも使うだろうけど、流石にネレイドの中では出せないだろうし、調理するなら陸の上かなぁ?




「ナチュラルに海に飛び込むわね……仕方ない。食べ盛りの子に美味しい料理を作ってあげますかぁ。にしても……この足があるのと倒して来たって……まさかソロでクラーケンを倒したの?本当に噂通りというか、噂以上というか……」

「ぜ、善罪さん!?何すかコレ!?」

 流石にクラーケンのゲソ足という事で、人が集まって来た。まぁせっかくだから皆で料理しますか


「クラーケンのゲソ足。ウチの護衛兼スポンサーと言っても良い方からのお裾分けよ。これも皆で分けるから料理出来る人は料理しても構わないわ」

「「「「おぉ!」」」

 皆沸き立っている。普通にクラーケンを調理する機会もそんなに無いだろうし、この機会にチャレンジするのは良い事だろう


「にしても、何で武装らしい武装も無い。報酬?も今回のイベントだって参加者で分割なのに護衛を受けてくれてるんだろう?善罪さん何かしたんです?」

「いえ、私は何もしてないわ。ただそうね……彼はかなり仲間思いで、親しくなった人との縁は大事にするタイプだとは思うわ。それに損得勘定ではあまり動かない。だから私達の様な契約で縛るのではなく、あえて口約束に留めて相手がどうするかを見極める。それでハチ君が信用。信頼出来る相手だと認められたらそれこそ仲間と認められる。そうね……想像しやすいラインで言うのなら田舎のおばちゃんとかかしら?お隣さんが野菜とかくれるでしょ?」

「あ、そうなんすか?すいません、ちょっとマンション住みでそういうの知らなくて……」

「そ、そう……じゃあそういう物だと思って。今回のこれはその野菜感覚でクラーケンのゲソ足が私達の所に配られて来たって事よ」

 田舎のそういうやり取りに実際金銭的なやり取りは無いと言って良い。まぁ、実際は貰いっぱなしという訳にもいかないから、お返しの何かを用意したりはするが……


「きっと助け合いの精神位の気持ちで動いていると思うわ。まず、私達と協力する事に決めた一番最初の要素が武装が無くて、海賊にとっての食料満載の宝船に見えて狙われる要素が満点だったからだからね。それで、自分達の船は隠れたり、派手な見た目だから私達の様な囮が欲しくて、私達は護衛が欲しくて、お互いに求める物が合致したから今回の協力関係が結ばれた訳だし」

「なんか凄い縁っすね……」

「本当よ」

 今回の協力関係を結ぶのに一番尽力してくれたと言っても良いのはお茶屋のリッキューだ。まさかの繋がりがあったお陰でウチを紹介して貰えたから今回の協力関係を結べて私はとてつもない所と手を組む事が出来た。まさに茶人として素晴らしい功績を挙げてくれた。今度茶器でも送ろうかな?




「さて、それじゃあホフマンさんはどうしてるかなぁっと」

 まだあのサメ肉に苦労してるのかな?


「どうですかホフマンさ……ちょ!」

「す、すまねぇ……俺とした事が……」

 調理室の扉を開けると強烈な匂いもさることながら、ホフマンさんが倒れていた。急いで真淵でホフマンさんを抱えて外に出した


「いったい誰にやられたんです!?」

「お、俺は……好奇心でとんでもねぇ物を……作っちまった……」

「ホフマンさーん!」

 震える手で調理室の机の上にある物を指差したと思ったら、力を無くした様にそのまま気を失った……様な演技をしている。これは乗るしかないな?


「って!?あれって、まさか……」

 そこには何か缶詰の様な物が置いてあった。いやぁ、凄まじい匂いで缶詰……何だろう。とてつもなく嫌な予感がする。あの缶詰自体は確かニシンの缶詰だったと思うけど……


「缶が……少し膨らんでいる……」

 ヤバいぞ……缶の中で発酵が進んでるって事は多分アレと同じ感じで凄まじい匂いになっているし、缶を開けたらその瞬間に中に溜まったガスが漏れる事で匂いが一気に広まる……これは……もう食べ物から兵器に変わっている可能性があるッ……!



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― 新着の感想 ―
現実でもほぼ兵器みたいなもんなのにファンタジー?うんファンタジーなはず、、、のアレはヤバい!
サメ「死してなお、攻撃性留まらず」
投擲武器かな?w(すっとぼけ)
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