サメ肉
「という事で、ほい、メモリードコアに魔法を登録しておいたよ」
『了。こちらもオートマニュアイランドから試作品を受領しました。メモリードコアの情報を記録し、転用。名称キャプチャーランチャーの製作に成功しました』
おぉ……何か新しい武装が出来たみたい。これはどういう動きをするんだ?
「ネレイドさん。これってどういう感じで発動するの?」
「報。この手の形の弾頭が爆発して液状となり、その液体を浴びた者は手で触れた判定として動きを制限します」
ほうほう。それは中々凄いな?液体って事はもしかして水中でも使えたりするのかな?
「それ、水中でも行けそう?」
「報。爆破範囲は半径10m。水中では半径5m。爆破から10秒以内にその液体に触れると拘束能力が発動します。それ以降は効果を発揮しないので、周囲の環境に悪影響を及ぼす事はありません」
おぉ、キチンと水中でも爆破するし、変に悪影響が残るって事も無さそうだ。これは中々使い勝手が良さそうじゃないか?
「後で敵が来たら使ってみようか」
「了」
いや、正直これは想定してなかったけど、かなり良くないか?これって上手くいけば敵が何か強い攻撃使って来たなぁみたいな事をぼんやり思うだけだったのが、ネレイドさんが再現出来そうだったら、ある程度データが集まったら、再現兵装データをオートマニュアイランドに送って、造ってもらったらこっちに送ってもらって使うって事が出来る。何ならそれで上手くいかなかったら、そのデータをまた送って改良版を……みたいな好循環を作る事も可能じゃないか?
「報。私自身ではありますが、私1人ではこの艦全てを十全に使う事は出来ません。沢山の協力があってこそ、我々は……ネレイドは本領を発揮します」
自分でそれが言えるのは偉い。確かに、この開発室なんて特にそうだろう。自分一人の力ではなく、送ったデータから物を造ってくれるオートマニュアイランドの皆の協力が必要だし、各種砲の管理や操作を行うオートマトンさん達も居る。勿論、今回の作戦では欠かせないネレッサーを使う皆も……色んな人や存在との協力が出来ているからこそ、ネレイドは海で恐ろしく強い存在になり得る。それを理解しているのが偉すぎる
「偉い!しかもしっかり謙遜してる!いやぁ、ウチの艦は良い子や……」
僕の心の中のお父さんがネレイドを褒めろと言っている。いや、言われなくても褒めるね!
「嬉。これからも頑張ります」
いやぁ、これは褒めてもっと伸ばしてあげないとね?
「「「戻りました」」」
「戻ったぞー。いやぁ中々売り上げだ。他の船もやって来て買っていったぜ?」
皆帰って来たみたいだ。ミニイベントももう終わったのかな?
「おっ、それは良かったです。また鳥が出てきたらアルバトロスの人達がまた倒して集めて貰えると良いですね。そう言えば忘れてたけど、サメ肉はどうします?正直あの時はデカい鳥で話が終わって、サメの肉はまだ残ってますが……」
まぁ、サメの肉なんて普段使う事も無いしなぁ……
「あぁサメの肉か。そうだな……あのサメ結構デカかったよな?」
「えぇ、そうですね。割と大きいサメだったと思います」
船も襲えそうなサメだからデカいのは確定してる
「まぁ、サメ肉は一旦俺達だけでコッソリ楽しもうぜ。サメ肉も美味いからな。低カロリー、低脂質、高タンパク質で骨も軟骨系だから実は食いやすいんだ。確か冷蔵技術が低かった昔でも2週間経ったサメの肉も刺身で食えたとかいう話を聞いたぜ?」
2週間も持つって凄いな?
「へぇ……とりあえずあのサメの肉を調理してみますか」
「おっ!良いぜ!早速やろう!」
とりあえず調理室でサメの肉の調理をしてみよう!
「「うおっ!?」」
回収したサメ肉を調理室に出してみたら……物凄い匂いだった
「マジか!?サメの体液には尿素があって時間が経つとアンモニア臭が出るが……」
「アンモ……これはその匂いですか!?」
「いや、これがアンモニアなら俺達はもっとヤバかった……だから多少は違うだろうが……これは……いくら何でもハーブで匂い消しとかそんなレベルじゃねぇな……」
「これはプチイベントにサメ肉を出さなくて良かった……」
このサメ肉をイベントに出してたら大変な事になる所だったなぁ……
「いや、これはまずは食ってみるか!」
「おぉ!分かりました!僕も覚悟を決めて食べます!まずは刺身で行きましょう!」
正直これはかなり勇気が居るけど、刺身で一口食べてみよう
「グッ……匂いはキツイけど、美味しい……これはハスバさん向けか?」
「むむっ!?今何か聞こえ……うおっ!?凄い匂いだ……」
「とうっ!」
ハスバさんが調理室に顔を出して来たので、その口にサメの刺身を突っ込んだ
「ぐおっ!?匂いが……でも美味い。でも匂いが!うほぉぉぉ!」
喜んでる……のかな?
「うむ、やっぱり美味いな。何としてでもこの匂いを消して美味いサメ肉を食わせてやるからな!」
何かホフマンさんがサメ肉を何とかするのに躍起になってる。多分リアルのサメ肉はこんな匂いはしないんだろうけど、ゲーム内での何かしらがあるのかな?




