独自開発
「おぉ!これは棒棒鶏をパンで挟んでるのかな?美味ぁ……こっちは……あっ!から揚げ!シンプルだけどそれが良い!」
バンバンジーサンドも、から揚げもどっちも美味い。正直バフ効果とか無かったらどっちがホフマンさんの作った料理かとか言われても分からなかったかも知れない。となると、白玉さんリアルでもめっちゃ料理上手なのでは?
「まさか、ホフマンさんがから揚げの方とは……」
「ハチ君に食材を用意してもらえるとは言われたけど、俺の腕を見せるならシンプルな物が良いだろうって言ってたね」
なるほど、まぁ確かにバンバンジーサンドも悪くない。でも、から揚げは正直味だけではない。揚がる時の音とか匂いとか、客を引き寄せるにはもってこいな要素が結構ある。いやぁ流石ホフマンさんだ
「それに、から揚げなら大量に売りやすいですからねぇ……」
勿論、普通に何個か容器に入れた物を売るのも良いけど、から揚げならばら売りが出来る。だから少しでも多く売りたいのなら数の調整が効くし、これは中々良い戦略だと思う
「まぁ、ホフマンのから揚げが売れて行くのを横で善罪がニヤニヤ見ていたよ」
「でしょうねぇ……売れれば売れる程自分の利益にもなりますから」
何となく想像出来るなぁ……
「とりあえずこれで一旦平和かな?」
「認、現在敵性存在0です」
よしよし、海賊船に2人で海賊収集に行っている間に別の敵性存在とか出てるか心配したけど出てなかったみたいだ。まぁ、出てたとしてもそれはネレイドさんの方で処理してくれるだろうけど……
「よし、では優雅に警戒しながらティータイムと行きますか」
完全に安心は出来ないけど、ネレイドさんにもお茶を……
「そんな事もあろうかと、リッキューから抹茶ラテを幾つか仕入れてあるよ」
「おっ!良いですねぇ。ネレイドさん飲み物って飲める?」
「認。可能です。味覚も搭載されています」
インターフェース凄いなぁ?
「じゃあ、リッキューさんの抹茶ラテを飲んでみる?」
「了」
抹茶ラテなら大丈夫だと思うけど、一応戦うというか、潜水空母を操縦している身だからお酒の類は摂取しない様にした方が良いよな?確かヘックスさんもずっと前だけど僕が村から出発するって時に飲んでたけど、その時酔ってた様な気がするし
「認。深いコクと甘味の中にほのかな苦みがアクセントの様に感じます。これは美味いと称する物でしょう」
あ、これちょっとネレイドさんに品評させるの面白いかも知れない。せっかくだしバンバンジーサンドとから揚げも食べさせてみるか
「ネレイドさん。じゃあこれとこれは?」
「認。鳥と野菜の素材の味が良いのは勿論、それらを纏めるタレと全てを受け止めるパンによってバランスが保たれています。これは美味いと称する物でしょう。そして、こちらの鳥を揚げた料理は……鳥の肉汁が湧いてきます。衣がしっかりと旨味を閉じ込めてカラリと揚がっている為、味の爆弾の様です。これは凄く美味いと称する物でしょう」
普通にネレイドさんに食レポしてもらったけど、ただの説明口調だけど、表情が完全に子供だ。普通にまた両方食べたくなってきた
「ネレイドさん食レポも行けるんだ……」
「認。高性能潜水空母ネレイドのインターフェースですので」
何か高性能とか自称しだした。いやまぁ間違ってはいないけど……
「ハチ艦長。艦後方の開発室へどうぞ」
「ん?分かった」
あれ?開発室なんてあったっけ?もしかしてこれも例のコッソリやってた奴か?
「ここか。なんか通路の突き当りに部屋増えてる……」
おいおい、そんなロマンあるのワクワクするに決まってるでしょ?
「着いたよ」
『認。目の前の魔導プロジェクターをご覧ください』
ネレイドさんから通信が来たと思ったら、SFに良くある映像が空中に浮かぶテーブルみたいな所に何かの設計図的な物が浮いていた
「これは……」
『報。先程の料理を食べた事で1つ思いついた兵装があります。簡単に言うと爆弾なのですが、ダメージを与える爆弾ではなく、敵の動きを止める爆弾です。ハチ艦長には【バインドハンド】という魔法があると思います。その魔法を組み込む事によって、爆風が当たった相手の動きを止めます』
成程、味の爆弾を食べた事で爆弾に関する敵の無力化兵装を思いついたと。それで、この開発室で設計図を作ったのか
「僕はその魔法を提供すれば良いのかな?」
『了』
成程、でも、あれって手で触らないとダメだった様な……
「報。こちらの爆弾にメモリードコアで魔法を入れる事で、効果を発揮出来ると思います」
「なるほど……これはこれで良いのかな?」
何か空中に浮かんでいた設計図だけど、それが動き出して開いた。確かに手の形をしている。発動者が僕じゃなくてネレイドさんになれば手の認定も広くなったりするのかな?何にしてもネレイドさんに刺激があって新しい物を造れるというのは凄いな?
「これってすぐに造れるの?」
『報。現在、オートマニュアイランドにて設計図の装備品を製作中です。完成したらメモリードコアに魔法を登録する事で実用可能になるかと』
成程なぁ……これはまた、面白くなってきたぁ!




