両方の宣伝
「えっ!?どっから!?」
「いや、それよりも……」
「何であの方がここに!?」
「怪我してるみたいだし、早く乗って下さい。サメとか寄って来るかもしれないので」
「「「さ、サメッ!?は、早く乗れ!」」」
まぁ、サメが居るか居ないかは別として、怪我してるならさっさと治療した方が良いからね。海に漂っている状態からさっさと救助しないとね
「はい。焦らない焦らない。引き上げもしますから」
焦ってる人達を真淵で引き上げる。海での救助って下手すると救助しに行った側が溺れてる人に引き摺り込まれて溺れるって事があるみたいだし、まぁ、真淵ならその心配も無いから丁度良いや
「た、助かった……」
「にしてもまさか貴方が助けに来てくれるとは……」
「まぁ、今回のイベントは割とそのつもりで参加したんで……とりあえず軽傷の人はあの船まで送るんで乗って下さい。重傷の人はこちらで治療も行えますので」
まぁ、この場で【レスト】しても良いんだけどね?せっかくなら作った物を使いたいし、それにホフマンさんのカップ麺の宣伝もしなきゃね~
「お、俺……重傷かも……」
「あー、私も多分重傷かな~。あーすっごい重傷な気がしてきた!」
「くっ……これじゃあ流石に重傷とは言えねぇ……」
何か救助した人が色々言ってるなぁ……
「じゃあそちらの2人はウチの艦で収容しますので、貴方はあっちの補給船マンマミーヤンへお送りします。あちらは色んな種類の食べ物が売ってますので、よろしければ利用してあげて下さい」
でも、協力関係のマンマミーヤンの宣伝もしないといけないよね~。両方やらなくちゃいけないのが艦長のつらい所だなぁ?
「あ、ちょっと軽傷な気がしてきた!」
「海に居たから痛かっただけかも!私も軽傷かも!」
「何だお前ら!?」
まぁ、色々食べ物とか飲み物が見れるならそっちの方が良いだろうね
「では皆さんマンマミーヤンにお送りしますね。治療が終わったら港までお送りします」
「ん?」
「えっ?港まで?」
「どうやって?」
「まぁ、その時になれば分かりますよ」
カップ麵はお土産にでもしますかね
「海賊に負けて船沈められたけど……何かこの船違くね?」
「フードコートみたいな船だなぁ……テンション上がって来た」
「この船まで送ってもらったけど……また何か凄い船だなぁ」
あの人に送ってもらって、ゴンドラに乗って乗船したけど、この補給船マンマミーヤンとかいう船……なんだか色々と凄いぞ!?
「貴方達。怪我人ね。ならこのベッドに一度寝て頂戴」
「「「は、はい」」」
すっげぇ美人……いや、この美人どっかで見た事ある様な……あっ!
「あの!もしかして貴方って白玉善罪さんですか!?」
「ええ、商人として人に顔や名が知られているなら嬉しいわ」
「マジか!?ここ善罪さんの船なんだ……」
白玉善罪さん。自分で素材を取りに行くとか、専属の人が居るとかでない限りはこの人の所に行けば大抵の物は揃ってると言っても良い。料理人やら鍛冶師とかがかなりお世話になってるって有名な人じゃねぇか……なるほど、その伝手でこういう料理人とかを集めた船を造り上げた訳か。確かに……この船に補給させてもらえるなら金はポンポン出る……船としての戦闘力が無くても、そのネームバリューやら恩恵を考えたら、自分から護衛を買って出る船が居たって不思議じゃねぇ……
「とにかく、その傷を治したら中を見ていくと良いわ。色々と揃ってるから」
「「「は、はい!」」」
とりあえずそこに置かれているベッドに寝れば良いって話だよな?でも、こんなベッドに寝たからって……
「ウッソだろ!?傷が治って体力が回復してる!?」
「何このとんでもないベッド!?」
「疲れが取れる!これ現実でも欲しい!」
「他にも怪我人が居るから、治った人はすぐにどいてあげて。ジャンジャン回復させていくわよ!」
あのベッド。イベントが終わったら白玉さんの所で売られてたりしないかな?普通に欲しいんだが?
「うぉ……普通にハンバーグとかかつ丼みたいなガッツリした物からちょっとした紅茶とかお茶が飲める店まである……すげぇ……」
「えっ!?ケーキ!?海の上でケーキ食べられるの!?」
「なんかちゃっかり酒も飲める所があるんだが?」
海の上で充実し過ぎだろこれ……
「いやぁ、食った食った……」
「お財布の紐ゆるんじゃう……うへへ」
「酒うめぇ……うめ、うめ……」
「そろそろ大丈夫でしょうかね?皆さん港までお送りしますよ」
おっと、あの人が迎えに来てくれたみたいだ。何だろう。船沈んだ後の方が楽しんでた気がする……
「それでは、皆さん。まずはこちらに乗って下さい」
大きい水上バイクみたいな乗り物の後ろが人が乗れる様になっている特殊な形の船だが、それに乗せられて、海を進むと急に海に潜り出した。何事かと思ったけど、ドームが付いているから呼吸は出来る……
「では皆様。ポータルで港までお送りしますので、その後はご自由にどうぞ。あ、これホフマンさんが造ったカップ麺です。良かったらどうぞ。という事で私は戻ります」
海中に謎の船がぼんやり見えたと思ったらカップ麺を渡され、光のゲート的な物をくぐったと思ったら港に戻ってきていた。何を言っているか分からねぇと思うが、俺も何をされたかわからなかった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃねえ……もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……




