余裕のある挟撃
「注。敵船接近。数5。どうしますか?」
「おっと、敵船が来ちゃったみたいですね。安全の為に白玉さんは一旦こっちの船で待機して下さい。皆さん行けますか?」
「行けるよ。どうする?一旦1人1隻で行ってみるかい?」
「おっ、まだネレッサーだけで行けるかやってみますか」
一応、タテさんはあっちの防御要員として配備するとして、ハスバさん、ダイコーンさん、トーマ君のメイン戦力とドクター、ホフマンさんのサブ戦力で一応5人は居るけど、一応行けるかなぁ?
「よし、それじゃあよろしくお願いします。出撃準備を」
「「「「「「了!」」」」」」
あ、ネレイドさんの返事が何か皆にも返事が広まってる……
「5隻の敵船の配置は……ほぼ横並びか。これなら一応皆でサポートし合えるかな?」
「あのさぁ……言おうかどうか迷ってたんだけど、何で海賊船1隻に付き1人で行けるって自信があるのかしら……ホフマンとか料理人よ?」
「ホフマンさんはホフマンさんで結構強いですよ?普通にサブ職の方で戦闘も出来ますし、あの人自分で食材を狩る為に戦闘力はありますから」
料理人ってDEXが高いのか、あの筋骨隆々なホフマンさんが弓で戦闘が得意だったりする。なんだか最初は第二の職に戦士とか選んでたみたいだけど、DEXを活かせるレンジャーに変えたらしい。だからコッソリホフマンさん向けにパワーが居るけど強力な大弓とか、ダガーも用意してある。意外とホフマンさんも戦闘出来るんだよねぇ……
「料理人……よね?」
「料理人ですよ。まぁ、戦場に立てば料理されるのが誰かって話ですけど。まぁ今回は無力化を主体に置いてるから矢も先端を丸くして打撃仕様にしてあるので、撃たれても死ぬ事は無い……かな?」
まぁ、問題は無いでしょう。さ、僕は僕で他に何か起きても大丈夫な様に待機しておこう
「……えぇ?」
「うんうん。皆素晴らしい働きだなぁ……」
「認。追加の敵船3。7時方向からです」
「お、挟撃か。どうするかな?よし、クオン。ジャンケンしよう」
「はい。ジャンケンポン」
「む、僕の負けか。じゃあクオンは艦に残って追加の敵が来たら対処よろしく。それじゃあ僕は後方の敵をやって来るね。艦の操作はネレイドさんよろしく。白玉さんもこの敵の攻勢が終わるまでは安全の為待っていて下さい。あ、クオン。何かお茶でも出してあげて」
「え、えぇ……」
さて、それじゃあ後方の3隻の海賊船の相手をしますかぁ
「私が驚いているのは海賊船3隻を相手に1人でどうにか出来るって自信満々な所なんだけど……」
「さてさて、僕もやっと出撃か。僕のネレッサーは問題無いし、アブダクターも……よし、行けそうだ。それじゃあ、出撃!」
海の中をネレッサーに乗り込んで発進する。僕にとっては水の中でも外でも関係ないんでね。そのまま水中から奇襲させてもらおう
「おっ、イルカだ。元気~?」
「キュウッ!?(何だコイツ!?)」
海中を進んで居たらイルカが居た。海の環境も中々凄いなぁ……水族館の中を突っ走っているみたいだ
「あ、泳いでいる所邪魔してごめんね。それじゃあ僕は行くから」
「急ッ!?(速ッ!?)」
イルカとすれ違い、海賊船の下まで行く。まぁまぁ良い速度は出てるけど、ネレッサーには追い付けないかな
「さて、それじゃあ左の海賊船から頂いて行くか」
海賊船とすれ違い、ターンして背後から張り付いて乗り込む。さて、何か話していたりするかな?
「よし!お前らあの色々と積んでそうな間抜けな船を襲うぞ!物資は全て奪え!」
「「「「おー!」」」」
「おー!」
「ん?今なんか遅れた奴が居なかったか?」
「そんな奴居る訳無いじゃないですか!親ビン!」
「って何か居るー!?なんだお前は!?」
まぁ、艦長スタイルで親ビンとか言った所で意味は無いか
「おっと失礼。挨拶が遅れた。あの船の護衛の者だ。なに、我々を襲う奴らはどんな奴かと見に来ただけさ」
「護衛が?一人で?」
「ハッ!舐められたモンだなぁ!それにバカだろう!こっちは3隻!100人以上人間が居るんだぜ?お前1人でどうにか出来る訳ねぇだろう!」
「それはやってみないと分からないだろう?」
勿論、油断はしない。海賊という職であれば、剣と銃を使って来るなんて事は考えられる。身軽さや筋力にモノを言わせて強力な攻撃をしてくるというタイプが居てもおかしくない。この船に乗っているからと言って、隣の船からの攻撃や援軍が無いとも言えない。だからこそ、この人数を無力化するのに時間を掛けない方が良いだろう。という事で……
「【狂気圧】起動。まぁ、立っていられたらの話だけど」
「「「「ッ!?」」」」
海での狂気。まぁ、今の僕にとってはクタルファ様が一番にイメージ出来るし、それに襲われるイメージとかかなぁ?皆へたり込んでる。
「【魔糸生成】よし、拘束出来次第アブダクト開始」
「「「「了」」」」
あっという間に恐怖でへたり込んだ海賊達の手足を魔糸で拘束して身動きを取れなくする。それをアブダクターが捕まえてポータルで港にポイポイ送っていく。いやぁ、拘束するだけで良いから楽ちん!
「あ、いけね。宝物持って帰れないや。モノさん。これ糸で包んでアブダクターに持って行ってもらうのはセーフ?僕触らないから……」
「……ギリセーフ」
「融通を利かせてくれてありがとう!」
「ふふん」
よーし!モノさんにお許しを貰ったぞ!ならこれからも僕単体でも(アブダクター部隊とセット)宝物を運搬出来る!
「まずは1隻終了!次!」
八艘飛びとは言わないが、隣の海賊船に飛び移る。まぁ、距離が足りなくても【ダブルジャンプ】もあれば、シールドモジュールを足場にしたって良いし




