表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/2063

バインドハンド

「あっ!そういえばトレントの事伝えるの忘れてた」

 またログインした時にトレントの情報を伝え忘れている事を思い出した。遅いかもしれないけど一応メッセージを送っておこう


『霧の中で根っこが4つ地面から出ている木はトレントなので気を付けてください』

 4人にメッセージを送る。これでトレントに不意打ちされる事もないかな?


『ハチ君、ちょっと遅かったよ。トレントに襲われてる最中……終わったよ。あの2人が全部終わらせてしまった。いったいどうやってあの2人とフレンドになったんだい?2人は中々フレンドになってくれないって有名なんだけど?』


 ハスバさんからメッセージが返ってきた。アイリスさんとロザリーさんはトレントを瞬殺かぁ……凄いなぁ?


「どうやってって……まぁリアルで会ったからなんだけど……そんな事は言えないね」

 ハスバさんのメッセージはスルーで良いか


「まだこっちに来るまで時間はありそうだし、練習しに行きますか!」

 僕の練習用の場所へ、オーブさんの所に向かう




「練習しに来ましたー」

「ハチ様いらっしゃ……また凄い事になってますね……」

 オーブさんが呆れたように言う。オーブさんだけは味方だと思ってたのにー!


「装備の事は一旦おいといて、新しく覚えた魔法の練習をしたいんでいつものマネキン君お願いします!」

「分かりました。今回も敵対状態で?」

「最初は敵対状態でお願いします。とりあえず装備は無しで」

「はい、少々お待ちください」

 オーブさんが準備をして、マネキン君が現れる


「とりあえず追いかけてくれるかな?」

「……」

 マネキン君が頷き、僕に向かって走ってくる


「【バインドハンド】」

 魔法を発動すると僕の両手が薄い黄色に光る。これが【バインドハンド】発動中の合図か


「はい、タッチ!」

 マネキン君にタッチするとマネキン君は走っているのにその場で停止、まるでルームランナーでも走っているかの様な状態だ


「その場から動けないってこういう事か。マネキン君に弓を持たせて撃ってみて?」

「はい、準備します」

 マネキン君の手に弓が背中に矢筒が装備される。そしてマネキン君が弓を構えて、矢を放つ


「おっと!やっぱり攻撃は普通に出来るんだね」

 撃たれた矢を躱す。【バインドハンド】は触れた相手をその場から動けなくするという効果なのでマネキン君はその場から動かずに弓を撃てば当然こっちに向かって攻撃出来る……これはどうだろう?


「触るだけで相手を止める……足止めとしては最高かな?」

 10秒あれば逃走するのだって可能だ。例えば護衛的な事になれば僕が足止めしてその間に逃げてもらう事が出来るし、10秒もあれば大魔法的な攻撃を持っている人が味方に居ればその人が攻撃する時間を作る事が出来るかもしれない


「そうだ、オーブさん?マネキン君を馬に乗せたり出来る?」

「馬……ですか?分かりました」

 マネキン君の下から白いマネキン君と同じデッサン人形風の馬が現れる。ある意味スタイリッシュな馬かも?


「ありがとう。じゃあまずは馬の方から……【バインドハンド】」

 走る馬のマネキン……ウマネキンが走っている横からウマネキンの胴体に触れる。そうするとウマネキンはその場で走り、上に乗っていたマネキン君は急停止した反動で投げ出される。触れた相手のみ止まるから慣性で吹き飛ばされるのかな?


「ごめんね?あと1回だけ試させて?」

「……」

 カクンと頷くマネキン君。絶対失敗しない様にしよう


「よし、来ーい!」

 ウマネキンに乗り直し、もう一度僕に向かってくる。【バインドハンド】を発動し、ウマネキンを避けるついでにマネキン君の脚に触れる


「空中で止めると浮いたままになるのか」

 馬に跨った状態で空中に停止するマネキン君。ウマネキンはそのまま走って行ったのでやっぱり触れた相手にのみ効果が出るのね……これならうまく使えば乗り物に乗っている相手を下ろす事も可能かも?そんな敵は今の所見てないけど


 ピロンッと音が聞こえた。メニューを開くとメッセージの所に!マークが付いている。誰かからメッセージが来たみたいだ


『ガイドに従って教会までやって来たが、何処に居るんだい?』

 ダイコーンさんからのメッセージだ。そろそろ戻らないと……


「オーブさん。そろそろ戻るよ」

「分かりました。ではまた何か試したい事があれば」

 そうして僕を転送しそうになった所で1個大事な事を思い出した


「オーブさん!最後に1つ!30Lvになった時に☆マークが付いたんだけどこれ何?」

「それは職の熟練度の様な物です。30Lvで一度上限になりますが、教会で上限を上げたり、派生する事が出来ますよ」

「なるほど、ありがとう!」

「頑張ってください!応援してますよー」

 聞きたい事を簡潔に教えてくれて転送され、気が付くと教会に戻って来た


「うぉっ!?急に出てきた!?」

「おっと、ごめんなさい」

 ダイコーンさんの目の前に転送されてぶつかりそうになった。ぶつかってないからセーフ


「皆来てくれたんですね?」

「えい……ハチ君が呼んでくれたから来たんですよ?」

「職に関するとの事だったんでレベルアップ系かと思ってな?」

 そういえばロザリーさんの恰好がイベントで戦った時と違う


「ハチ君が呼ぶんだ。何かあるに違いない」

「こんな所に教会があるなんて知らなかったよ」

 ハスバさんはなんか僕を買い被り過ぎな気がする。ダイコーンさんは何か一番安心するけど、見た目が派手過ぎる


「ハチさん!お待たせしました!」

 教会の扉をバンッとシスターさんが開いた。どうやら終わったみたいだ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 3週目してるけどハスバ出る度にケツドラムされてしまえと思ってしまうな
[一言] モンスターに近づきつつあるハチのことだからバインドハンドは触手みたいなもので絡み付いて、絵的にもデバフ的にも美味しいスキルだと思ってました。(ただし男相手に限る)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ