第四十七話 天下統一
西進の軍勢について。
まあこっちは、流石に報告を受けた話だけど。
まず、佐治信方が村上水軍を撃破。
そして、信勝が備中国を平定。
更に秀孝が、出雲国を蹂躙。
止めに、信忠と信益が四国から防長に進軍する予定とか。
うん。
毛利、終わったな。
* * *
信忠と信益は大軍を率い、周防国に上陸。
一気呵成に攻め抜いて、長門から石見に抜ける。
敢えて安芸国を無視した形で。
何故かって?
信孝が精兵を率いて安芸の国に上陸するからさ。
備後国に出陣していた毛利軍は、前後に敵を抱えて悲鳴を上げる。
しかも、本拠のある安芸国まで危険に晒されてるからね。
兵を退こうにも、眼前には信勝たちの大軍。
これはもう、どうしようもない。
決戦に及ぶか、潔く降伏するか。
議論は喧々囂々、夜半まで続く。
でも、悩む時間なんかないんだよ?
毛利家、降伏。
毛利家には安芸一国のみを安堵。
他に備後国において、穂井田家が安堵された。
実質二国と捉えるか、分断と捉えるか。
沙汰したのは信長の意を受けた信勝だが、入れ知恵したのは……。
ともかく!
これにて、北は陸奥から西は長門まで、本州丸ごと平定成れりっ
* * *
奥州はひとまず人に任せ、戻って信長と総決算の打ち合わせを重ねる。
残るは九州のみ。
信長は、その先に唐天竺云々と夢想していたが。
明らかに妄想の域なので、失笑してやった。
極冷静な討論会が発生。
事態は収拾した。
* * *
さて、九州征討だが。
総仕上げなので、信長自身が行くと宣言した。
もちろん却下だ。
「何故だ!?」
阿呆。
信長が天下を睥睨してるのは誰もが知ってるんだから、最後は後継者に花を持たせんかい。
「ぐぬっ」
幸い、信忠は信益と共に長門国に居る。
四国征討の若い衆と、信勝たちが共同して行けば敵はないだろ。
それで、大人たちは後ろでデーンと構えて武功を譲らせればいいんだ。
「くっ……。判った。」
意気消沈して項垂れる信長。
なんだか可哀想に思えてしまう。
じゃあ、督戦しに長門辺りまで行こうか?
「おっ。良いのか?」
パッと顔を明るくさせる信長この野郎。
現金なもんだ。
ある程度は、平定した各地を確認するのも必要だろうしね。
まあ大丈夫だろうさ。
(それに俺は、関東どころか陸奥まで行っちゃったしな……)
「なんか言ったか?」
いや、何も。
じゃー、そういう方向で準備するぞー?
「うむ。任せる!」
ふぅ、危なかった。
さて、四国に引き続き、先遣隊の準備を進めるか……。
* * *
九州征討の名目は、豊後大友からの救援要請。
この頃、北部九州の大部分を龍造寺が。
豊後の一部分を除いた南部九州を島津が席巻してた。
だから当初、信長は征討後は大友を九州の顔とする予定だった。
でも、キリスト教に傾倒し過ぎてたのと、弱体化し過ぎてたのがなー。
それでも形の上では、大友の救援要請に応えて侵攻開始。
まず、豊前国をサクッと平定。
次いで筑前・筑後両国を掃討し、龍造寺当主を討ち取る。
また、水軍を使って日向灘を回り、大隅国に上陸。
薩摩・日向国で島津の留守部隊を蹴散らして平定。
焦って戻る島津を打ち破り、一族重臣を多数討ち取る。
更に、本隊が筑後から肥前・肥後に進んだところで龍造寺と島津が降伏。
龍造寺の隠居と重臣、島津の当主一門を切腹させ、それぞれ肥前、薩摩一国のみを安堵した。
大友?
あ、生きてたか。
しゃーないな、豊後一国だけ安堵してやんよっ
以上、サックリ九州征討完了。
* * *
と、言う訳で天下統一。
おめでとう!
「うむ。大儀であった!」
さて、天下統一したら考えるべきことがあるよね。
即ち天下組織の有り様。
ちゃんと整えないといけない。
まずは、老兵去るべし。
だから俺は隠居する!
「駄目だ。」
ホワイッ!?
ジャパニーズピーポー
これにて天下統一が成りました。おめでとう!ありがとう!
12/23本文修正(信勝は後ろでデーンと…⇒大人たちは後ろでデーンと…)




