264 第六感系のスキル
気功士王国の国王専用リビング。
俺はいつもここにいてグダグダしている。
リビングにはいつものメンバーである、ケット・シーペロ、エルフのエリ、ハーピーのハルカ、雪女のユキがいて、ダークエルフのダルアがいる。
そして今日も魔王イリスとエキドナが遊びに来ていた。
魔王イリスが頻繁に遊びに来るので、みんながイリスの魔力に怯む事はなくなった。
「勇者がいよいよ魔王城に近付いて来たのだ。まだ勇者を倒す手立ては思いつかんのか?」
おいおい、とうとうイリスの奴、自分で考えると事を放棄しやがったぞ。丸投げかい!
「イリスも考えろよ!」
「ふむぅ。実は魔王軍の古い資料にこんな事が書いてあった。異世界から召喚した勇者は、この世界には危険なので、魔王討伐後、教会の者が殺す事になっているそうだ。」
「ん? それが本当なら殺す役目は、聖女ミクになるな・・・。」
ん? 何か思い付きそうだぞ。
喉まで出掛かってる感じだ。
「そうか! だから聖女ミクにも第六感系のスキルあるんだ!」
「どう言う事じゃ。」
エリが俺に聞いてきた。
「勇者に第六感系のスキルがある為に、エキドナが毎回頑張っても、殺せないのは知ってるよね。」
「む、妾は確かに後一歩で勇者を殺せないんだ。色々試したが、あのスキルは反則だ。」
「第六感のスキルを持つ者は、第六感のスキルを持つ者でないと殺せないのだろう。聖女ミクにも第六感系のスキルがあるんだ。」
「成る程なのだ。第六感のスキルがある者が勇者を殺せば良いのだな!」
魔王イリスは満面の笑みだ。
「で? 誰が第六感のスキルを持っているのかにゃ。」
ペロは周りを見渡す。
「僕は持って無いよー。」
「ダルも無いしー。」
とハルカとダルアが答えた。
二人の声と口調がにてるので分かり難いね。
俺はここにいるメンバーを鑑定で見直す。
「ここにいるメンバーは、第六感のスキルを持ってないなぁ。」
「しかもただ持ってるだけじゃダメなのだ。勇者を倒す実力があって、第六感のスキルもある事が条件なのだ。」と魔王イリス。
「じゃあ、ダメにゃ。」
ペロは俺の横で寝そべっている。
「ここにいないメンバーで、勇者を倒す実力がある者かぁ・・・。エリ、バズとクーコとライヤを召喚してくれ。」
「分かったのじゃ。」
エリは魔神パズズのバズと鵺のライヤ、空狐のクーコを召喚した。
3体を鑑定したが・・・。
ダメかぁ。
「エリ、有難う。第六感系のスキルは無かったよ。次はヴァンパイアの3人を召喚だ。」
ヴァンパイア真祖のヴァラカと、ヴァンパイアジェネラルのヴァンリ、ヴァンパイアワイズマンのヨシゾーの3人を召喚した。
「お!ヴァラカ久しぶりなのだ。」
「おお、魔王イリス、お主もショータ様の配下になったのか?」
「そんな訳無いだろ。」
一応ツッコんでおいた。
ヴァンパイアの3人もダメだった。
そして3人に呼んだ理由を説明した。
次にダンジョンマスターであるキングライオンのキンちゃん。
ダメだぁ。
そして、元最高魔導師でありエルダーリッチのネシマと、デュラハーンのデンガナ将軍と、エルダースペクターのゲンサイ将軍。
この3人もダメ。
ドラゴンのドラムは弱いし・・・。
「ん! 待てよ。」
パチンッ!
俺は指を鳴らし阿修羅を呼んだ。
悪鬼神阿修羅が現れた。
「おお、やっぱり。阿修羅が第六感系のスキルを持ってるぞ。」
「やっと勇者を倒せるのだ!」
「ショータ、行くぞ!」
魔王イリスとエキドナは大喜び。




